異世界の少女との日常
「シューキ、聞いてる?」
「うん。聞いてる」
俺はシューキ。
トゥエニハ家の使用人。
俺は今カエデと一緒に話していた。
「それでね、ライラがお土産を買ってきてくれた
んだけど、それがすごく美味しかったの。
そう言ったらまた買ってきてくれるって言っ
てくれて。その時の表情がすごく可愛かった
んだ。
あと、一昨日にね・・・」
カエデが異世界から来たことを知った日からやたらとなつかれてしまった。
それで、事ある度にライラが可愛いと話される。
(可愛いと思っている表情には見えないが。)
ライラは手のかかる姉のようなものだからどこが可愛いのか分からない。
「ただいまー」
「あ、ライラ。おかえり」
カエデが立ち上がりハグをする。
あの日から2人は距離感がすごく近くなった。
恋人かよ・・・。
と思うくらい。
「カエデちゃん、今日はね、ブレスレットを買っ
てきたの。」
「わ・・・!可愛い」
「そうでしょう?私とおそろい♥️」
いや、本当に恋人かよ。
「あ、一応シューキにも買ってきたわよ」
そうライラが言い、雑に投げてきた。
「っと、危ない」
見てみるとそれは細いチェーンに緑の石がついた
シンプルなブレスレットだった。
じゃらじゃらしていなくて良かった。
でも、これ、机の引き出しにしまってそのまま忘れそうだな。
「3人でおそろい・・・」
「カエデちゃん嬉しい?」
「うん」
・・・たまにつけよう。
「私が青、カエデちゃんが赤、シューキが緑の石なの。」
「魔法を使う時の光の色か・・・単純だね」
「シューキ?」
「はい。すみません」
俺が思ったことを素直に言い、いつものやり取りをする。
そんな俺達をじーと見てカエデが
「仲良いね」
と言った。
俺達は顔を見合わせて、
「まあ、付き合い長いしね」
「もう10年くらい?」
と言う。
「2人はどうやって出会ったの?」
「そうねぇ、確か9年前かしら。
私はその頃から魔女候補だったから
友達がいなかったの。
それで、気の合いそうな友達が欲しいって
お祖父様にお願いしたらシューキが連れてこら
れたの」
「俺が5才、ライラが9才の時かな」
「へ~」
「俺はトゥエニハ家の管理している孤児院にいて
ステータスの異常が報告されていたから
一石二鳥だと思ったんだろうな。」
そう、俺は孤児だ。
3才の時、親に捨てられた。
「そうなんだ・・・」
「ま、実の親の顔なんて覚えていないし、
トゥエニハ家の人達が家族みたいなもんだし
どうでも良いけど」
「そうね。
十何年も一緒にいたらそうなるわね。
お父様やお母様もシューキを息子のように
扱ってるし」
「それはありがたいけど、あの人達俺のことを
甘やかしたがるんだよな・・・」
「ふふ、誕生日に犬を何匹も買ってきたりね。」
「あれはさすがに驚いた・・・」
「犬好きなの?」
「うん。モフモフで可愛いから。」
「良いなぁ・・・」
「会いに行く?」
「行く!」
カエデが目をキラキラとさせて答える。
それを見て俺は笑う。
この子はライラが可愛いと言うが、
俺はカエデの方が可愛いと思う。
「?
なんかおかしい?」
「いや、何でもない」
裏庭に行くと、
ところどころから犬達が出てきた。
「可愛い・・・」
「でしょ?ちなみにその子はシロ」
カエデに白いのが寄ってきた。
「撫でて良い?」
「うん。いいよ」
カエデは嬉しそうにシロを撫でている。
「モフモフ・・・!」
「ふふ、カエデちゃん、幸せそうねぇ」
そんなカエデを見てライラが和んでいる。
本当呆れるくらい仲が良いな。
「わん!」
「あ、はいはい」
俺の足元にクロが寄ってくる。
こいつはなんていうか・・・女王様で
今も 『早くなでなさいよ!』という顔をしている。
クロを膝に乗せて座る。
クロの毛並みを撫でながら整えていると、
ライラが呟いた。
「その子、いつまでたってもシューキ以外になつ
かないわね」
「うん。なんでだろうね?」
「シューキが甘やかすからじゃないの?」
「え~、そうかな?」
「それしかないでしょ」
「まぁ、確かに」
そう話していると周りにキンとギンも集まってきた。
2匹の頭も撫でてあげるとしっぽを振って
お腹を見せてきた。
ほんと、こいつら可愛いな・・・
「シューキ、その子達は?」
「あ、このえらそうに膝に乗ってんのがクロで、
こっちがキン、もう片方はギン」
「へ~」
「・・・なでる?」
「うん!」




