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異世界の青の少女との友情

「ねぇ、そういえばカエデちゃんの称号ってどういう意味?」


「え?」


「あの、『転移者』って称号」


・・・忘れてた。

そんな称号がそういえばあった。


「話したくなかったら話さなくて良いよ?」


どうしよう。

ライラにその事を話して良いのだろうか。

もし、話したとしても、そう簡単に信じられるとは思えない。

信じてもらえなかったら頭のおかしい子だと思われるだろうし、

信じてもらえても今までの関係が変わってしまうのではないか。


「話したくなるくらい仲良くなるから」


「・・・ごめん」


ライラの言葉は嬉しかった。

だけど、話して良いか分からないので、

ちょっと考えてみると、続けようとしたが、


「ライラ、そろそろ時間、だけ・・・ど」


というシューキの声で言葉にならずに引っ込んだ。


「シューキ・・・」


ライラがじとっとした目でシューキを見る。


「え~と、邪魔した?」


「うん。すっごく。」


「で、でも、時間だし」


「・・・分かった。カエデちゃん、後でね。」


「う、うん」


ライラが渋々といった様子で立ち上がり、部屋を出た後、シューキが


「何かあったの?」


と、聞いてきた。


「ま、まぁ、いろいろと・・・」


「・・・あそこ行かない?」


「あそこ?」


「あの木のところ」


ああ、中庭の銀杏の木のところか。


「別に良いけど、シューキは行かなくて良い

の?」


「うん。今回はライラだけでも平気だから」





中庭に行くと、シューキは慣れた様子で初めて会ったときと同じ場所に登った。


「そういえば、シューキと初めて会ったときいき

なり消えたのって魔法?」


「うん。消えたっていうか、飛んだだけだけど」


「え?!飛べるの?」


空を飛ぶ。

魔法を使えるなら?と聞いたらたくさんの人がそう答えるだろう。

もちろん、私も例外ではない。


「結界魔法のレベル3からできるから、カエデも

できるはずだよ。 」


「へ~」


「やってみる?」


「うん!」


私がそう答えるとシューキは少しの間、

目をそらした後、何事もなかったかのように木から降りてきた。


「じゃあ、1m×1mくらいの結界を張ってみて」


あの後も魔法の練習をしていたので呪文は知っている。

呪文は魔法を補助するもので、慣れてきたら唱えなくても良くなるらしい。

でも、レベルの高い魔法ほど難しいし、

魔力の消費量も多くなるから呪文を唱えないと使えないと、ライラが言っていた。

だから、夢で"私"が使った魔法は相当レベルが高い魔法じゃないか、とも。


「空間の神、カオシリスよ。

今こそ我に力を 」


赤い光に包まれ透明な結界が現れる。

この光も魔法鑑定と同じで、通常は白いらしい。


「それで、これに乗る」


「乗る!?」


「うん。乗る」


一体何をするんだ。

とりあえず言われた通りにする。


「で、結界を上に移動させる。」


「・・・え?」


「ほら」


シューキが自分も結界を張って浮かせる。

いや、確かに浮いてるんだけど・・・


「思ってたのと違う・・・」


もっと箒に乗ってとか、ふわっと浮いたりとか。

なんか夢が壊れた。


「それじゃあ、もう1つの方法でやる?」


「もう1つの方法?」


「うん。風属性魔法で浮く方法」


「・・・やる。」


「少し難しいよ?」


「やる。」


ていうか、私がイメージしてたのそれじゃない?

さっきの結界は使わなそうなので、消す。


「じゃあ、結界を体に纏わせて」


「纏わせる・・・」


「服みたいに」


呪文を唱えてやってみる。

だか、なかなか難しい。

いつも張っている結界は立方体だから・・・。


5分ほど頑張ってやっと出来た。


「はあ、疲れた・・・」


「次に風属性魔法の強い風で体を持ち上げる」


しかし、シューキは私の様子などお構い無しに進める。


まあ、私は魔力量がすごいらしいから大丈夫なんだけど。


「風の神、ウィントゥルよ。

今こそ我に力を 」


赤い光に包まれ、ぶわっと風が起こる。

浮遊感に襲われ、目をつぶった。





少し経ってから恐る恐る目を開けてみると、

雲と青空が目に飛び込んできた。


遠くに海が見えて、キラキラと輝いている。

ここに来るときに見た黄金色の麦畑も見えた。


「わあ・・・!」


「ここからの景色綺麗だよね」


いつの間にか隣にシューキがいた。


「うん・・・すごく綺麗」


青、白、黄金色。

私はしばらくその景色に見とれていた。


「・・・何があったのかは知らないけど、

ライラが悪いのかどうかだけ教えてくれな

い?」


「え?」


「ライラはさ、ずっと女友達がいなかったから。

だから、ちょっとずれているところがあるん

だよね。

もし、迷惑かけたなら謝らせるから 」


「・・・ううん。ライラは悪くない。」


「え?」


「私ね、2人に秘密にしてることがあるの。

ライラがそれに関係ある、不思議に思ってい

たことについて聞いてきただけ。

でも私すぐに答えられなくて。

それを話してライラとの関係が変わるのが嫌

で。 」


そうだ。

私はライラと仲良くなれて嬉しかった。

話したら関係が変わるのではないかと

不安になった。

ライラと友達のままでいたかった。

だから、迷ってしまった。


「大丈夫だと思うよ。」


「え?」


「ライラは王様にわがまま言うくらい

神経が図太いから 」


「・・・王様に?」


王様って1番偉い人だよね。

つまり、日本でいうと天皇。


・・・ライラすごくない?


「ライラが10才の時だから、8年前かな。

俺達ちょっと魔物倒して王様に謁見したことがあるんだ。」


「魔物倒したって結構すごいんじゃ・・・」


「まあ、大人達は驚いてたね」


そんなさらっと・・・


「それで王様に褒美に何がほしいって聞かれたん

だけど、普通は『私にふさわしい物を』

っていうところをライラは正直に髪飾りが欲

しいって答えたんだよ。」


「えぇ?」


「まったく、あれほど大人に叱られたことは初め

てだったよ。王様も王様で、ライラを気に入

ったって受け入れて、俺にも欲しい物を正直

に言いなさいっておっしゃって。」


「何を欲しいって言ったの?」


「言われた通り正直にお金が欲しいですって」


「お、お金・・・」


「だってその時欲しかったのそれくらいだし」


「そう・・・」


「そしたら、俺も気に入られて、毎年パーティー

やお祭りに2人で呼ばれてる。」


「す、すごいね」


「ま、そんな感じだからカエデがどんな秘密を隠していたとしても大丈夫だよ。」


慰めてくれたのかな。

いがいと優しいんだなと思う。


「私、ライラに話す。」


「そう。良かった」


そっけなく返してるけど、顔が明らかにほっとしてる。

心配してくれてたのかな。


「そのときはシューキも一緒に聞いて」


シューキもライラと同じように

私と仲良くしてくれた人だ。

聞いてほしい。


「うん。もちろん!」


シューキは嬉しそうに笑った。


・・・もしかして今まで慰めてくれたのは

自分が聞きたかったからやってたのだろうか。



夜、私は部屋にいた。

ライラが帰って来たら真っ先に来るだろうと、

シューキが言ったから。


まだ、不安はある。

だか、ライラ達には話しておきたい。


コンコン


ノックが聞こえて顔を上げ、ドアの方を見る。


「ライラよ。・・・入って良い?」


「どうぞ」


緊張で声が少し裏返った。


ライラとシューキが部屋に入って、

私の向かいの椅子に座る。


「ええと、・・・」


どう話そう。

また迷う。

ライラを見ると不安そうな顔で私を見ていた。

そうだ。ちゃんと伝えなきゃ。


「その、ちゃんと話すから。

私、ライラに隠し事したくない。」


「・・・うん。」


それから私は2人に話した。

2人はずっと真剣に聞いてくれた。


話し終わってしばらく沈黙になる。


「・・・大変だったね。」


1番最初にシューキが口を開く。


「今までいたところからいきなり知り合いもいな

いここに来て。」


「・・・ううん。ライラとシューキ、ヴィータさんがいたから大丈夫だよ。」


また心配してくれた。

ほんとに意外と優しいな。


「ライラ」


ライラは明るくて、かわいくて、少し雑で図太いところがある一緒にいて楽しいここでの私の初めての友達。

今まで通りに仲良くしてほしい。


「私と友達になってくれて、ありがとう。

これからも今まで通り仲良くしてくれる?」


ライラはぽかんとした後、嬉しそうに笑い、


「もちろん。

でも、今まで以上にね。」


と、ウインクをして言った。


今まで通りじゃなくて、今まで以上。


友達って、すごく不安になることもあるけど、

それ以上に嬉しくさせてくれるんだ。


ライラともっと仲良くなりたいな。



今回は友情がメインの話でした。


ちなみに空を飛ぶのは私がやってみたい

ということで入れました。


カエデみたいに高いところから景色眺めてみたいです。

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