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夢色はモノトーン   作者: 文月 彩楽
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act2 チェーンメールと猫好きの出会い

ー翌朝、りさが学校に着くと、隣の席の川西鈴奈かわにし れいなちゃんと、りさの席に座っておしゃべりしていた高橋たかはし 紗友里さゆりちゃんが話しかけてきた。

「ねぇ、りさちゃん。“式神”ってチェーンメール知ってる?

それが結構怖いんだって!」

「え?…別に知らないけど…」

“本当にあった怖い話”だとか、“呪いの本”だとかの本を読んでいると、怖いチェーンメールの話もたまに見かけるが、りさ達のケータイに来るチェーンメールといえば、


これを受け取ったあなたは、このメールを☆人に回すと¥週間以内に幸せが訪れます。ただし、1人でも足りないと効果がなくなります。


などと書かれた「やっても やらなくても どっちでもいいよ〜」と、ゆるい雰囲気の物が多い。

どうやら、紗友里の塾の友達にそのメールが届いたらしい。しかも、そのメールは、


もし、回せなかった場合、あなたの体のどこかを式神が頂きに参ります。


と書かれており、どうすればいいのか相談されたそうだ。



ー午前10時頃。みかはのんびりと安いと評判のスーパーへ買い出しに出かけた。

スーパーの入っている建物には、階は違えど電気屋も入っている。

世の中の女子中学生のほとんどは、端末のケータイか、キッズケータイを持っているらしい。「ちょっと売り場を見に行くだけ」とのぞいて見て目に入ったのは、『ゲーム専用に!』と書かれたポップが置いてある 格安スマホの売り場だった。ー別に必要なわけではないし、どうしてもほしいわけでもない。

みかはそっと店を離れ、スーパーに向かった。

帰りは歩きだったので、とある公園を通ることになった。実は最近、この公園には自分と同い年か、少し年上の女子がずっと佇んでいて、少々怖いのだ。いつもと同じように、ちらっと少女を確認しながらさっさと通り過ぎ…

「あの、ちょっといいかしら。」

「えっ?」

いきなりだった。みかとしては生まれて初めての会話だったわけだが、実はその女子は生きている人間ではない。

お察しの通り、あの 玉村 永愛だ。

「え、えっと…はい。なんのご用でしょう?」

「やっぱりだわ!あなた、私の事が見えるのね!」

「えっ? あ、えっと…えと…え?」

「あっ…ごめんね。変な事書いちゃって。」

「えっ? えっ?」

「えっ? あぁ、えっと…。」

「えっ?」

「えっ?」

今まで出会ったことのない状況に慌ててしまったみかと、つられてしまった永愛。

この2人、意外に似た者同士らしい。



その日の帰り。りさと 純和、そして クラスこそ別れてしまったものの同じ小学校出身で仲がいい中里なかざと 知沙紀ちさきと一緒にかえっていた。

知沙紀とは とある公園の所でお別れになる。

純和はその公園の中に知り合いの人影を見つけた。

「あっ! 永愛さーん!」

永愛は誰かと話していたようだが、

「あら、純和ちゃん。」

と対応した。運のいいことに今日は全員予定がない。

「ちょっと付き合ってもらっていい?」

と純和が昨日の出来事と永愛の事を説明した。

りさと知沙紀は 面白い事にはすぐ首をつっこんでくる体質なので すぐ関わりたがる。

3人で永愛の所へ走っていった。

「こんにちは。今 学校の帰りで、この2人は りさと知沙紀です。」

「こんにちは。りさちゃん、知沙紀ちゃん。

こちらは 今日知り合った みかちゃんよ。」

永愛はほおにたこ焼きができるくらい笑顔だ。やっぱり怖がるのには無理がある気がする。

一方、みかも緊張しているようだが、微笑んでいた。

みかは一度家に帰ってから、縁を大事にしたいらしく永愛とおしゃべりしていたのだ。

もちろん、永愛から聞いた話は純和と同じ内容だった。

「あっ、私そろそろ帰らないと。 猫たちがお腹空かせてます。」

みかがさりげなく帰ろうとする。

「えっ⁈ 猫⁉︎」

やはり純和が食いついてきた。

「猫飼ってるの? 何匹?」

「2匹ですよ。」

「キャー! いいな〜! あたし、1匹飼ってるんだよ。」

「そうなんですか⁈」

2人が話しているうちに、知沙紀は

「じゃ、うちはこれで。」

と帰っていった。りさ達も引き上げることにした。

そこで分かったのが、みかの住んでいるアパートが、純和のマンション(りさのマンションの隣にある)の線路(厳密には高架下)をまたいだすぐ近くにあるという事だった。

「また遊べたら 遊ぼう。」

とりさ。

「はい。ぜひ。」

とみか。

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