赤い果実の実る花園
そこは美しい、広大な花園。
前も後ろも右も左も全て花で被い尽くされている。
花園の中心、透明な水の張られた泉から、ソレは地上を見下ろしていた。
いや、正確には一人の少年を見下ろしていた。
真壁詩歌、いや、今は櫟颯太と名付けられたか。
少し昔の話をしよう。
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これは颯太が颯太として生まれる遥か昔、詩歌という少年がいた。
ソレ(ゼウス)、は詩歌を見て、自分の召し使いにしようとした。
要するに、また一人の少年を毒牙に掛けようとしたのである。
ゼウスは少年に言った。
『私の召し使いにならないか?』
と。
それに対して詩歌は
「ホモとバイは死んだらどうでしょうか?」
と答えた。
その言葉に興ふ…ゴホン、大層怒ったゼウスは詩歌を自分のものにせんがため、その記憶を消した上で更に永遠に記憶を持って転生する呪いをかけた。
つまり、颯太の悩みごとは半分自分のせい、半分はこのホモ…ゴホン、ゼウスのせいである。
ゼウスの計画としては、詩歌が疲れはて、神に祈ったところを救ってその対価に自分の物にしようとか考えたのである。
つまり、自作自演。
しかもばれたときの事を考えていない。
いい忘れていたが、ゼウス、というか多神教の神は馬鹿か、屑が殆どを閉めている。
しかもローマ神話、ギリシャ神話あたりの神は変な性癖を持った神が多い。
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『ふふふ、颯太くん。速くこちらに来てくれることを神に祈って待っているよ』
ゼウスは自分が神と言うことを忘れている。
ゼウスは変態です。
というか奴は絶対バイですよね。