2/5
お一人様地獄へご案内~
五歳になった。
飛ばしすぎか?
まあ、何も話すことは無いしな。
今居るのは病院。
健康診断だったかで来たついでに病室棟を散歩している。
暫く歩くと向こうの窓を少女が眺めていた。
何故か放って置けない。
「どうした?少女。生きるのに疲れたのか?」
少女はこちらを振り向くと、首を横に振った。
「私はもう、助からないらしくてね。だからこの世界の景色を心に焼き付けておこうと思って。
それよりあなたはどうしたの?病気には見えないし」
「ああ、私は散歩をしていただけだ。
それと、死ぬのは嫌なのか?」
「嫌に決まってるでしょ‼
もっとやりたいことが有るのに‼」
「ならば直してやろうか?」
ちょっと症状を見たら只のガンじゃないか。
この程度なら30年後位には簡単に直せるようになってる。
「人生へようこそ」
「あ、ありがとう!」
お礼を言われる筋合いはない。
「俺はお前を地獄に招待しただけだから」
「それでも、ね。
あなたの望み通りこれからの人生、後悔しながら生きていくことにするわ」