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着信

作者: 神名代洸
掲載日:2015/08/06

私は友達がたくさん欲しくて、学校のみんなと仲良くしていた。そうなると必然的に電話の登録も多くなる。

100人を過ぎた頃には何人になったかを数えるのをやめてしまった。

面倒だったから…。



そんなある日、1本の着信が入っていた。もちろん登録してあれば名前など出るが、今回のは非通知だった。

何だろうと思ったが、非通知では相手の番号は表示されない。わからないままその時は過ぎた…。


それからはしばらくは電話といえば友達からが多く、遊びのお誘いだったり勉強のお誘いだったりと暇な時はないほどだった。

それから何日経っただろう…。また非通知が入ってきていた。誰だろうと頭を傾げながら電話に出てみたが、無音ですぐ切れた。

友達に話すと「それってイタズラじゃないの?」と言われたが、イタズラで、携帯の番号にかけるってどれだけ暇なやつなのかと思ったが、しばらく様子を見ることにした。

それから数日が経ったある日、忘れていた着信があった。電話は繋がるが何も話さない。無音のまましばらくは続いたが、「…て、…と。」プッ、ツーッツーッと音がなってそれだけで切れた。はっきりとは聞こえなかったので、何を言っていたのかはわからなかった。それでも、気にはなる。

「何なんだろう…この電話。気になるんだけどなー。」

でも番号が表示されないからわからない。折り返し電話などできない。仕方がないので、また電話がかかってくることに期待した。

すると今度は早い時間に電話がなった。

「もしもし?」

相手はやはり何も喋らない。

「何か言ってくれないとわからないですよ。」そう言うと「…をみち…に、し…る。」

「えっ?何ですか?もう一度言ってください。」

「お前を道連れに死んでやる。」それだけ言って電話は切れた。

相手が誰なのかも全く想像もつかない。

「こんなこと言ってたよ?」

友達に相談すると【今度は一緒の時にかかってきたら私が代わりに出てあげる。】と言われ、心強かったが果たしてそんなに都合よく電話がかかってくるか心配だったが、なんと電話がかかってきたではないか…。友達は私を安心させるようにニコリと笑ったが、その顔が恐怖に崩れるのを見ることになるとは思わなかった。

「お前を先に道連れにしてあの世に行ってから彼女を連れて行こう。楽しみが増えた。クスクス。」カチャッ、プーップーップーッ。

「何?この電話。私も?はぁ?イヤよ。なんで道連れにされなきゃならないのよ。御免被るわ。」そう言って席を立ってしまった。

私は彼女が何を聞いたのか想像もできなかった。ただ、真っ青な顔をしている彼女が楽しいことを聞いているのではないことだけは想像はできた。

一体誰なのかが想像もつかない。

相手は私を知っているということは学校関係者かとも思ったが、交友関係が広い私はどこの誰か想像もつかなかった。だが、友人も巻き込んでしまったことは申し訳なく思った。

友人はそれからしばらく私の近くには近寄ってこなかった。着信があったらと思うと怖いのかもしれない。

でもしばらくは何もなくまた安心しきっていたところに電話があった。

恐る恐る非通知電話に出たら友達の友達だった。友達は非通知にして普段からあまり電話をかけないそうだ。私はホッとして電話に夢中になった。話し終わり例の着信の件を聞いてみた。すると、一人心当たりがあるという。だが、詳しくは教えてくれなかった。

とりあえずは電話を切ったが、友達がどうしているのか不安になった私は友達を探した。しかしどこにも見当たらない。近くの子に聞いてみると、なんか真っ青な顔で携帯を見ていたよと教えてくれた。まさか…友達の携帯にも非通知が入っていたのかと不安になった私は電話をかけた。

だが、呼び出し音があるが電話は繋がらない。不安が大きくなる。

何かあったのかと不安になった私は、友達とよく行く場所をしらみつぶしに探した。

すると、駅のコンコースで、電車を待っている姿が見えた。声をかけようとしたが、友達のすぐ後ろに人が立っているのが見えた。

その時電車がホームへと入ってきた。その瞬間友達は前につんのめっていた…。押されたのだ。彼女はそのまま電車にひかれ、押した相手も一緒に亡くなった。

あまりの惨状に私は言葉を失った。

あたりは血の肉片で真っ赤に染まっている。

ちぎれた腕や足が散乱していた。

着信の通りになったのかもしれない…。私はそう思った。となると、次の標的は私だ。

誰かに言っても巻き込むだけかもしれない。そう思い、警察にも何も言わなかった。ただ、誰かに押されたように見えたことだけ伝えた。

捜査はなかなか思うように進まなかった。何せ犯人も一緒に死んでしまったのだ。バラバラになって…。歯型から割り出しを急いでいる。私は携帯を見ることもできなかった。また非通知が入ってくるかもしれないからだ。でも、犯人も死んだならかかってこないかもしれない。そんな期待をしている自分がいた。しかし、期待は裏切られまた着信が…。非通知に不安で胸がドキドキしていたが、思い切って出てみることにした。

「次は君だよ。クスクス。」それだけ言って電話は切れた。どういうこと?犯人は死んだんじゃ…。でも今の電話は確かにいつもかけてきていたやつだ。なら友達と一緒に死んだ犯人は一体…。死人が私を殺しにくるの?何故?私何か酷いことした?わからない。そんなことした覚えはない。でも、犯人がここまでくるということはよほどとしか言えない。

過去に何かしたかを考えてみた。しかし私自身には覚えがなかった。



眠れない夜を過ごしたのは初めてのことだった。

ちょっとした音でも着信音と勘違いしてしまう。ドキドキが止まらない。

それでも時は流れていく…。

着信音が鳴る度ビクビクする自分が嫌で嫌でしょうがなかったが、怖いのも事実。

思い切って出てみると友達の友達だった。

聞けば、知り合いの男の子が1人、行方不明になっているということだ。昨日から…。その日は友達が電車にはねられ死亡した日だった。、私は友達の友達からすぐにその子の家を教えてもらい、行くことにした。

私の考えが間違ってなければ彼が真犯人で、友達の友達から聞いた住所に向かってみた。

母親らしき人が憔悴仕切った顔で会ってくれた。そして、男の子の部屋を覗いてみると…私がびっしりいた。、写真だらけだ。ピンボケも混じってる。気持ちが悪かった。母親もこんな風になっているとは思いもよらず驚いていた。

「この子が犯人なのかもしれない。」

「でもそうするとすでに死んでるかもしれないわ。警察に話してみよう。」

友達の友達と一緒にここから一番近い派出所に向かった私達は途中奇妙な事に出くわした。死んだはずの男の子が遠くに立っているのだ。はじめは人違いかと思ったが、どう見てもさっき見た家の子だ。喉元まで出かかった声をぐっと我慢していた。友達も私のただならぬ様子で気付いたのか辺りを見回している。そして見つけたのだ。彼を。

死んだはずの彼が生きているということに驚いてはいたが、すぐに気持ちを切り替えて彼の元へと走っていく。だが、彼は突然消えてしまった。目をそらしたほんの数秒の間に…。どこを探しても見つからなかった。友達も見ていたが、消えてしまったところを見ていたので、彼が死んでいるのだろうと思ったらしい。派出所へ駆け込むとことのすべてを話した。信じてもらえなくてもいいと思いながら…。警察官の人は初めは半信半疑だったが、彼の自宅へと行きようやく彼が犯人かもと捜査が始まった。

すると、何冊かのノートの隙間に薄い紙が挟まれているのを見つけた。その紙には私に優しくされたが、その後に勇気を出して告白をしたのに相手にもされなかったこと。そして好きな気持ちが憎しみへと変わるのにそう時間はかからなかった。その思いが綴られている。

「こんなの勝手な思い込みやん。良い迷惑だわ。」

「だよねー。ホント良い迷惑だよ。でどうする?お祓いでもしてもらう?」

「うん、そうする。だって、いつまでもまとわり付かれても嫌だもん。」

私はそう言ってみんなでお寺に向かった。

お祓いをしてもらう間ずっと何かに見られている感じがして嫌だったが、なんとか耐えて見せた。すると、男の子の気配も全く感じなくなった。そして、後日警察からの知らせで、例の男の子が亡くなったもう一人だと分かったと教えてくれた。

私はそれ以降、非通知の着信には全くでないことにしている。

また、とり憑かれたら嫌だから…。

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