短編 「狐」
これまた自己満足作品。
読んでいただけるのなら幸いです。
また短編です。前作とは別ストーリーなので違った感覚で読めます。
よろしくおねがいします。
僕は今、山にいた。
ただただ広がる真っ白な雪景色は、僕の心と同じく、何の意味もなくココに存在するためだけにあるようだった。
ふと、何かが動いた。狐だ。彼はこれこそ狐だというなんとも言えない黄金色の毛皮に身を包み、自身が狐であることを銀世界の中、堂々とした立ち姿で示していた。それは正に一人の英雄を見るかのような出来事だった。
――ああ、彼のようになりたい。
空白だった僕の心にはいつしか憧れの感情が産まれていた。
僕は誇るものがない。ただ、あの狐のように堂々と立っていられる、そんな存在になりたくなった。
その時だった。一つの銃声と共に、狐は倒れた。狩人だ。奴は構えた銃を背中に回し、こちらへと歩んできた。
「坊主、ここにいちゃアブねぇだに。ウチん帰れ」
それだけ言って奴はあの狐を持って山を降りていった。
僕はどうしていいか分からずたちほうけていた。ふと、別の方向、奴のいた所の反対に、僕は足あとを見つけた。2つある。一つは大きく、一つは小さい。小さいのはあの狐と別のものだろう。それは森の方へと続いていた。
僕はそれを見てホッとした。
読んで下さりありがとうございました。
評価感想お待ちしております。
前回感想を書いて下さった方方には感謝です。ありがとうございました。
では、次回作も短編だと思いますので、また、ヨロシクおねがいします。