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愛澤春樹に平凡な日常は訪れない。  作者: 山本正純
後編 愛澤春樹の激闘
19/22

第十九話 制圧

 メッセージを受け取ったサラフィエルは路地裏に停車したバイクに跨る。怪盗と同じ白い衣装を着てフルフェイスのヘルメットを被ったサラフィエルはバイクを走らせる。

 サラフィエルがバイクを走らせると後方に一台のバイクを追う警察車両に集団が見えた。

「そろそろやな」

 サラフィエルは警察車両の集団に加わり衣装に忍ばせた拳銃で前方を走る警察車両のタイヤを撃ち抜く。

 これにより警察車両が運転不能になり道路の端に停車していく。


 サラフィエルは警察車両の集団を見出す。警察車両をごぼう抜きにした彼は一分で怪盗が運転するパトカーに追いつく。

 横に二台のバイクが並ぶ。怪盗は一瞬何事かと考えたが、逃げる方が先決と判断してバイクを走らせる。一方偽物の怪盗は道路上に残りバイクから降りる。

 その先で数十台の警察車両が停車して、二重人を超える警察官たちが一斉に拳銃を取り出し怪盗の共犯者らしい男を囲む。

 だがサラフィエルは動じない。こうなることは分かっていたかのように彼は拳を警察官たちに見せる。

 彼はフルフェイスのヘルメットの中で笑みを浮かべ警察官を殴る。たった一発の拳で屈強な警察官が気絶する。

 警察官は威嚇で拳銃を発砲したがサラフィエルは動揺しない。それどころか警察官の銃弾を彼は避けてみせる。

 屈強な警察官たちが共犯者に殴りかかる。だがサラフィエルはそんなことを気にせず、警察官を一人ずつ殴り気絶させる。

 警察官たちが沈黙するのは一分もかからなかった。


 サラフィエルは静寂の道路上でスマートフォンを取り出す。その直後ヘリコプターの音が聞こえ、天空からパラシュートを身に着けた黒い影が道路上に舞い降りた。その影の正体はハニエルだった。

 ハニエルはパラシュートを取り外しながらサラフィエルに声を掛ける。

「サラフィエルさん。排除は終わったみたいですね。予定より一分くらい早くありませんか。作戦では最後にヘリコプターから落ちてきた私が残りの警察官を排除することになっていたのに」

「悪いなぁ。ハニエルはん」

 サラフィエルが道路上で気絶している警察官を指さすと天空を飛ぶヘリコプターから小さなパラシュートが付けられた紙袋が落ちてきた。道路上に落ちた紙袋をハニエルが拾う。彼女はその紙袋の中身を確認すると微笑んだ。

「大丈夫ですね。ということで最終段階に入りましょうか」

 ハニエルがサラフィエルの顔を見ると彼は首を横に振った。

「まだや。まだサマエルに報告してへん」

 サラフィエルはスマートフォンでサマエルにメッセージを送る。

『ポイントE。排除完了や。本物はちゃんと逃がしたで』

 そのメッセージをアジトの小部屋で受け取ったサマエルは笑みを浮かべる。

「作戦は最終段階に突入だな」


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