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普通学科の劣等生(旧題魔法文明滅亡一万年後)  作者: 虹色水晶
第九章 その世界には、豚未満の生物が存在していた
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逆位置の死神(1)

 一番最初に目に覚醒したのは、意外なことに作治であった。

 アミーラはコーラの瓶を倒して机に突っ伏し、パッショリは椅子にもたれる様に天井を見る姿勢で意識を失っている。

 作治が目覚めた理由は、パッショリが落とした瓶からこぼれた床を伝い、意識を失っていた自分の顔についたからだろう。冷たい、爽やかな炭酸液を袖で拭いながら作治は起き上がる。


「アミーラさん!パッショリさん!」


「む、むーん・・・」


「さ、サクさん・・・はっ!私の首!!」


 意識をはっきりと取り戻したパッショリは前、後ろ、横と両手で己の首を触った。


「よかった!ちゃんと胴体とくっついている!」


「当たり前ですよ。首を斬られたのはあくまで夢の中なんですから」


「いえ。たとえ夢とはいえ自分の首を斬られるのはいいものじゃあありませんから」


 ハンカチを取り出し、首筋をナデナデしながらパッショリは生きている喜びを噛みしめていた。


「ところでサクよ。鮮血連理草スィートピー・ブラッディエナの奴はどうした?」


 アミーラに問われ、作治は室内を見渡した。


「あそこに転がっているのがそうじゃないのかな?」


 先ほど前、夢の世界で作治達と死をかけて戦いをしていた相手が床に転がっている。

 夢の世界同様の、丈夫そうなガントレットとグリーブを履いているが、胴体は上はホルターネック、下はタンガ状の金属鎧。へそと、上腕と、太ももが剥き出しにっている。

 そして特徴的な二つの螺旋を描く金髪の頭は、作治の水泳パンツがかぶせられていた。


「変態仮面だ・・・」


「これ、多分呪い(カース)の発動を満たすのに必要な条件なんでしょうね」


 作治は水泳パンツの顔面から剥ぎ取る。そこにあったのは間違いなくラティルスのそれだ。


「僕からみんなに提案があるんだけど」


「なんでしょう」


「言うてみろ」


「彼女の名誉のため、このことは僕たち三人の秘密にしようと思う」


「そうですね。それがいいでしょう」


「妾もそう思うぞ」


「悪いが、そう言う訳にもいかん」


 突如、天井の方から声がした。それは、作治も、アミーラも、そしてパッショリも、気絶したままの鮮血連理草スィートピー・ブラッディエナも聞いたことのある人物の声だった。

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