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普通学科の劣等生(旧題魔法文明滅亡一万年後)  作者: 虹色水晶
第八章 「ゲームでやったことがある。でも睡眠や食事を削って修行をしたことはない」
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紅蓮の弾丸(7)

『焼夷弾?』


 通信機越しにアミーラが注文を聞き返してきた。


「そうです。内部に油、黄燐を仕込む。添加剤としてマグネシウムを先端部に。創れる?」


『偉く具体的な内容だな。それだけ教えてもらえれば妾にも簡単に創れそうだな』


『あのう。サクさん。普通に爆発する弾では駄目なのですか?』


 パッショリが聞き返す。


「いや。これでいい。それにしても退屈な学校の授業の知識が役に立つとは思わなかったよ」


『サクさんの魔法学科で教わったのですか』


「ああ。第二次大戦の東京大空襲を、少しばかり。ね」


 激しい振動が操縦席を揺さぶる。

 モニターが、死ぬ。


『おい、サク!大丈夫か!なんかあのデカ女空に銃を浮かべて派手に撃ちまくっておるぞ!!』


 ちらり、とダメージ警告モニターを見る。


「大丈夫だ。左手が無傷だ。左手に弾丸を転送してくれ」


『ちょっとまて。何故そんなにも落ち着いておるのだ?!お主のその古代兵器あちこちから煙が出ておるぞ!!』


「戦乱の絆で慣れている。鮮血連理草スィートピー・ブラッディエナは動いていないな?」


『た、盾を構えて、その場で浮遊しおったぞ!!』


「この角度でいいかな」


 真っ暗なモニターに、投擲攻撃をおこなう際の弾道ラインが表示された。

 おおよそ中央。斜め上。狙いは大雑把だ。が、両サイドは廃墟ビルの残骸である以上、左右に回避される心配は少ない。

 となれば自分がやったように上昇するか。そうでなければ。


「左手に弾丸を」


『準備できたぞ。次はどこを直す?』


「大丈夫だ、問題ない」


『頭が吹っ飛んでおるぞ!』


「たかがメインカメラをやられただけだ。偵察員の指示に併せて攻撃する。AC4aでやったことがある。そこから鮮血連理草スィートピー・ブラッディエナが見えるね?」


『今、弾丸を込めなおしておるとこだぞ?』


「装填完了し、僕に狙いを定めたら合図を」


 長く。長く感じられた。

 10秒。1分程度の時間が10分。1時間にも感じられる。

 まぁ戦乱の絆でもそうだしな。

 作治は心の中でつぶやく。

 リロードタイムとか補給時間とか爆弾の設置時間とかほんの5秒程度のはずなのに凄く長く感じられ、その瞬間にアーマーを溶かされて瞬殺されることが々・・・。


『終わったぞ!』


 アミーラの声を聞くと、作治は左腕の強制パージをおこなった。

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