表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
普通学科の劣等生(旧題魔法文明滅亡一万年後)  作者: 虹色水晶
第八章 「ゲームでやったことがある。でも睡眠や食事を削って修行をしたことはない」
71/81

紅蓮の弾丸(6)

 鮮血連理草スィートピー・ブラッディエナ改めて蝶の模様をついたヒーターシールドを造りだした。

 さらにマスケット銃を出しす。

 右に4丁。左に4丁。

 マスケット銃というのを知らない人の方が多いだろう。特徴としては命中精度は悪いが、構造が単純で発射さえすればどんな物でも、その気になればそこらへんの石ころでも弾丸として利用できるのが利点だ。

 手に持つのではない。このマスケット銃を両肩の上に浮遊させる。

 夢の中ならこれくらい造作もない。ついでに空でも浮かんでやるか。

 油をグリーブのつま先から滴り落としながら、ゆっくりと飛翔。

 さらに少し上に浮かべたマスケット銃が彼女の意志に遇わせて八個のフリントが一斉に叩きつけられ、八門の銃口が一斉に火を噴き、八発の弾丸が一斉に撃ちだされる。

 マスケット銃は命中精度の悪さを集団運用でカヴァーするタイプの銃だ。一度に大量に撃てば撃つほど効果がある。


 外れ頭外れ外れ銃を持つ右手外れ右足外れ。


 生憎と胴体を撃ちぬけなかったようだ。だが、心配はいらない。鮮血連理草スィートピー・ブラッディエナはエンプーサ。自分の体重以下の金属製品ならば幾らでも造りだすことができる。

 両手で蝶の盾を構えてガード。これで防御は完璧だ。

 マスケット銃はリロードが破滅的に遅いが、何も心配はいらない。

 近付くことなく、この場で浮遊したまま一方的に攻撃し続けるのみ。

 それだけで勝てる。

 八丁のマスケット銃が水平から垂直に移動する。そして中空に産み出された弾丸が銃口から再装填されていく。

 次の一撃で、いや8撃で。それでも駄目なら五回、40発で。それでも駄目なら10回80発撃ち込むだけだ。


「よし、生き返りましたわ」


 弾丸を込めなおした8丁のマスケット銃が再び空中で前方の鋼の鎧。いや、もはや頭すらない金属塊に狙いを定め直す。

 残った左手が、こちらに向かって拳を握る。


「ホホ。なんの真似ですの?最早銃はおろか頭も足もないというに?」


 腕の根元から炎が噴き出た。

 次の瞬間、腕そのものが跳び、鮮血連理草スィートピー・ブラッディエナに向かって飛んでくる。


「な、そ、そんなものっ!!」


 ヒーターシールドを前に突き出し、飛翔拳ロケットパンチを防ぐ。

 直後、彼女は轟炎に包まれた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ