紅蓮の弾丸(4)
妙に弾速が遅い。
鮮血連理草はそう感じた。
___いや、自分の眼がとてもいいんだな____
そう。迫りくる弾丸を容易に見切れるくらい自分の眼は優秀なのだろう。
彼女はそう判断。いや、断定した。
肉体の動きもついていける。鎧で覆われていない素肌の部分を狙って放たれる銃撃を蝶の模様のヒーターシールドを用いて弾く。
鮮血連理草はエンプーサだ。盾を使わず、露出した肌の部分に板金を造りだし、
全身鎧を造りだしてしまえば銃弾程度避けるまでもない。
が、そもそもあたっても生身の人間より遥かに速い回復速度があるのだし、どうせここは自分の世界。相手は自分以下の力しかない。
ようするにナメプである。
蝶の盾を中心に、自分の周りに『まるで花火のような』銃弾が弾けている。
一発たりとも鮮血連理草の柔肌を傷つけることはできない。
「飛び道具とは無粋ですわぁ。良いですこと?いいですこと、攻撃とは!」
鮮血連理草手にしていた盾を作治の乗る人型戦闘兵器に向かって投げつけた。
「このようにやるのですわ!」
油と火花を散らしながら鋼鉄製の脚部が鮮血連理草の頭上を飛び越え、彼女の後方に落下していく。
彼女は自分の顔にかかった油を人差し指で救いとって舐めながら満足気に笑みを浮かべる。
「あら?なかなか美味ですのね。流石は夢の中というべきかしら」
当然髪の毛にもかかっている。両のドリル状に編まれた髪から落ちる滴は、彼女の肢体と、煽情的な鎧を褐色に染め上げていった。




