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普通学科の劣等生(旧題魔法文明滅亡一万年後)  作者: 虹色水晶
第六章 コーラを片手に、テーブルの前で仕事に励む連中
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ニート対策

「それで具体的に魔王はなにやってたの?」


 作治は尋ねてみた。そこまでいうならば雇用景気対策というのはそれなりのものなのだろう。まさか錬金術で石ころを金の塊に変えるというものではあるまい。


「魔王、ではなく不死公なのだがな。そもそも我が国は民主主義国家であるし、お主ら人間達のような旧体制とした貴族主義国家とは違うのだが。まぁよい。魔王領の北部に広大な田園地帯があってな。特に才覚のないもの。魔力ないものなどを集め、農業をさせておった」


「それって強制労働じゃないの?」


 もっともな指摘である。


「怠けたい者は怠けるし、勉強したい者は勉強するし、商才のある者はそのうち商売を始めだすからな。それで問題はなかったのだ。去年までは、な」


「去年までは?やっぱり何か問題があったんでしょ?」


「水田には水が大量に必要だ。だから上流には水を蓄えるための大きなダムがあったのだ。それが何者かによって爆破された」


「ダムを爆破?!!」


「直前に観測された膨大な魔力から、おそらくは『自称勇者』を語る人間の冒険者によるテロ行為と推測されておる。事件発生直後は不死公が国中の空を飛び回って犯人を捜したが見つからず仕舞いだ。魔王領各地の主要都市に検問が出来たり、直属の部下の密偵が歩き回ったり、不死公の下から去った元臣下を呼び戻して調査を依頼したものの。残念ながら、な」


「あ、ちなみに人間の国には不死公は来てませんから」


 パッショリがゲップをしながら言った。コーラを飲んだ直後とはいえ、美形がするのはどうかと思う。


「なんで?人間の冒険者がやったんなら人間の国を調べないでどうするの?」


「人間の国と魔王領は休戦状態ですよ?いくら正規遠征軍や冒険者が散発的なゲリラ攻撃を続けているとはいえ、一応は停戦状態なんです。それなり仮にも『魔王』と呼ばれている存在が人間の国の空を飛び回ったら即座に全面戦争開始です。穏健派の国々ですら派兵に応じなければなりませんよ」


「で、そのダムが破壊されたせいで穀倉地帯が消失してな。現在魔王領では食料自給率とやらが低下しておるそうなのだ。小麦をはじめとする食べ物をやたら人間の国から輸入するのはそのせいらしい。で、なんの話だったか?」


「ニート対策」


 アミーラに議題を戻すよう作治は促した。


「農村地帯で働いた者達は、それぞれ別の仕事に就くことになった。その一つがお主と、妾があった時の古代遺跡みたいな場所の発掘調査だな。あの遺跡はダムが壊れた後の水底から見つかったせいで、保存状態が驚くほどよかったそうだ。それでそのほかの仕事が」


「例のルオセ号の水夫の仕事、か」

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