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普通学科の劣等生(旧題魔法文明滅亡一万年後)  作者: 虹色水晶
第六章 コーラを片手に、テーブルの前で仕事に励む連中
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アフリカにサッカーゴール送ったら魚取りの網に使われたことがあったらしい

 作治は厨房まで来ると、人数分のコーラを注文することにした。

 先ほどの入り口付近。酒場のような構造の複数のテーブルとカウンター式の調理台がある部屋だ。お皿に乗せられた食べ物、あるいはグラスに注がれた飲み物を即座に客に提供できる仕組みである。


「すみません。コーラを三つください」


 作治はカウンター越しに店員に声をかけた。


『お店で買い物をするときは、ちゃんとカウンター越しに声をかける。これは武器と防具の店。薬や魔術書を売る店でも同じだぞ。・・・と、銅の剣や薬草を売る店くらいはサクの住むニホンにもあるであろうな。これは失礼した』


 直前にアミーラがそのようなことを言った気がする。すると後ろから作治に声をかける者達がいた。


「よう。兄ちゃんも冒険者かい?」


 冒険者風の若者が三人。厳密には戦士風。いずれも重たそうな重鎧や大きな盾。戦斧を背負っている。人間の首がついているだけで身に着けている物は作治が湖の向こうの魔王の国で見たオークの警備兵達と同じだ。

 こうしてみるとオークも人間も変わらないのだな。この世界の人間ではない作治はそう思う。


「あなたたちは?」


「ご覧の通り、お前さんと同じ同業者だよ。ま、俺らはあんたら魔法使い様の言う筋肉バカの戦士共。あんたは魔法学科の生徒さんみたいだがね」


「普通学科です」


 作治は訂正した。


「で、そこで提案なんだけどな。コーラを買ったってことはお前さんもメタルーター狩りに行くんだろ?

俺らと組んでやらないか?戦士だけでもいいが、見習いとはいえ、魔法使いがいれば連中と戦うのも楽になる。奴らの腹の中のお宝は、金銀、それ以外何が出てきても、人数分で頭割り。これでどうだ?」


「コーラを買うのとメタルイーターと戦うのがどうしてつながるんです?」


 三人組の戦士ああやっぱりな。という表情を浮かべた。


「まぁ折角だし教えておいてやるよ。この情報は前金だ。コーラっていうのはメタルイーターの弱点なんだよ」


「はあっ?!!コーラがメタルイーターの弱点??!」


 戦士たちは作治の驚き様を見て大いに笑った。


「おいおい。魔法学科ではコーラをどういうもんかってことすら教えてくれないのかい?じゃあ俺達が教えてやるよ。お前さんメタルイーターは知ってるだろ?」


「知ってるも何も食われかけたことあるよ。全身金属のカニみたいなモンスターだろ?」


「そう。熟練の魔法使い連中は雷の魔法ができるからっていつもデカいツラァしてるわけだ」


「まぁ雷の魔法が弱点らしいからね」


「で、そいつらは俺達戦士をいつも見下してやがる。メタルイーターだけじゃない。オークだろうとスケルトンだろうと、俺達が時間稼ぎをしなけりゃたき火に火つける程度の魔法すら唱えられない癖に」


「ぼ、僕はしませんよ!あなた達はメインタンクはパーティを護る守護神だ!数多の魔物、仲間に襲い来る無数の攻撃を一手に引き受け、弱者を庇い続けるあなた方こそが真の勇者に相応しい」


「そうだろう!そうだろう!」


「魔術師なんざ糞くらえだ!あ、お前のことじゃないぞ」


「で、このコーラをどうするかって話だったよな?」


「飲むんですか?」


「いやいや、そういう使い方をするんじゃないんだよ。メタルイーターが現れたらな。このコーラを瓶ごとぶつけてやるんだ」


「コーラをぶつける?!」


「そうだ。バケツで水をかけるよりも遥かに少ない量で連中は動きが鈍くなったり、旨く行けばそのままくたばってくれる。あとはバラバラにして、腹の中に貯め込んだ金属を頂くだけさ」


「あなた達、コーラを何だと思っているんですか?」


 作治のその質問に、戦士風の冒険者たちはこう答えた。


「何って、使い捨ての魔法の薬だろ?」

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