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普通学科の劣等生(旧題魔法文明滅亡一万年後)  作者: 虹色水晶
第五掌 「転移魔法より早く移動できる手段なんてあるわけないじゃいですか」
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長く道のりを安置を求めて幾億光年(4)

 軽い眩暈を感じた後、作治とパッショリは別の場所にいた。

 遠くの方に岩山が見える。

 周囲にはテントやら商品が並べられた絨毯やら、肉や魚を焼くたき火などがあり、

 ちょっとした市場のようだ。

 というか、石造りのかなりしっかりした宿泊施設までもがある。

 ベッドのマークの看板が入り口に立てかけられているので間違いないだろう。


「一体なんだこの場所は?」


「どうやら中継地点のようですね。転移魔法は個人差もありますが、気力体力を消耗しますから。それに必然的に交通の要所になりがちですから、露店を開くのには都合がいいんですよ」


 その露天商も、客も、旅人も、鳥だの蜥蜴だの猫だの頭を持った者達が圧倒的に多い。どうやらここはまだ魔王領のようだ。


「どうします?少し安んでいかれますか?」


「あそこで売ってるのムカデの串焼きじゃいの?」


 露店をで売られてる商品を見ながら、作治はパッショリに確認するように言う。


「みたいですね」


「僕ムカデ嫌いなんだよね」

「奇遇ですね。私もです」


「あとカニも嫌いなんだ」

「奇遇ですね。私もです」


「あと蛇も嫌いなんだ」

「奇遇ですね。私もです」


「あとカラスも嫌いなんだ」

「奇遇ですね。私もです」


「あと犬も嫌いなんだ」

「奇遇ですね。私もです」


「ついでにイタチも嫌いなんだ」

「奇遇ですね。私もです」


「時間もないし、休まず人間の国に向かおうか」

「そうですね。鬼や神の住まう国は人の住むべき場所ではありませんからね」


 二人は転移の魔法陣のある神殿のような建物に向かう。

 青色に明滅する魔法陣の前には、大柄な牛頭の男が背中に巨大な戦斧を背負い、トウモロコシを齧りながら座っている。


「すみません。人間の国まで行きたいのですが。この転移魔法陣を動かせる魔法使いを知りませんか?」


「俺だが」


 一瞬、作治は耳を疑った。


「え?あなたが魔法使い?」


「ああ。ここはマジノス迷宮の出口。言うなれば貴様ら人間共の国と我らが不死公様が治める領土との境目なのだ。それをよく理解していない『ボウケンシャ』だの、『ユウシャ』などとのたまう強盗集団が絶えなくてな。この近辺の街の住人は皆俺のような文武両道の者でないと容易く人間に殺されてしまうんだよ。で、なんかようか?」


「えっと、できれば僕たちを人間の国までそこの転移装置で送ってほしいかなぁ・・・。あ、無理ならいいです。歩いていきますので」


 作治は遠慮がちに体格のいい牛頭の戦士、いや魔法戦士に頼み込んだ。


「ああ?お前らをか?」


 牛頭の魔法戦士は作治達をよお~く観察してから、


「いいぜ。どこら辺まで行きたい?まぁ俺の飛ばせる範囲だからせいぜいイスカンドリアあたりまでが限界だけどな」

 

 と言った。


「ああ。丁度そこまで行きたかったんですよ。是非お願いします」

パッショリは深々と頭と下げて礼を言う。


「それで代金の方なのですが」


「いらねぇ。俺はお前ら人間を追い返して、この街の治安を守るのが役目だしな。じゃ、飛ばすから魔法陣の中に入ってくれ」


 牛頭の魔法戦士が左手をかざすと転移陣が強く明滅し、高い光のカーテンが立ち上る。


「ありがとう。でも本当にお金いらないの?」


「あんたら不死公様が認めた魔法学科の生徒だからなあ。そんな連中から料金取ってまで飛ばそうなんて思わないよ」


「僕普通学科だから」

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