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普通学科の劣等生(旧題魔法文明滅亡一万年後)  作者: 虹色水晶
第二章 即死魔法も銃も槍も効かぬ化け物
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なるとクラブ(6)

「メタルイーターの弱点?」


「そうだ。メタルイーターは全身が鋼鉄製の鎧の如き殻で覆われておる。故に並の刃物で傷つけることすらかなわん。が、無敵とか不死身いうわけではない。だったら数千年の長きに渡る彼奴らとの戦で妾達は当の昔に滅んでおるからな」


「何千年もあいつらと戦っているのかよ・・・」


「その事実を忘れさっておるのはお前達人間の方ではないか?兎も角奴らは弱点の多い連中でな」


「具体的には?」


「マスケット銃などはきかん。人が着れる重さの鎧で止められる銃弾しか撃てぬ武器がそれより遥かに頑強な皮膚を持つメタルイーターを貫ける道理があるわけないのだからな。だが大砲の弾が当たれば流石に潰れる。投石器でも同じことができる」


「却下」


「次にお主が提案した貯水槽というアイデアだな」


「貯水槽でどうやってメタルイーターを倒すんだよ?」


「貯水槽ではなく中身が問題なのだ。貯水槽の中には何が入っている?」


「水?」


「そうだ。大量の水を浴びると心臓麻痺を起こしたように全身を痙攣させ、奴らは動かなくなる。雨が降ると大きな木の陰でじっと雨が止むのを待っていることがあるし、洪水が起こった後には道端や畑に泥をかぶったメタルイーターがひっくり返ってまま死んでいる姿が見られるぞ」


 生憎と今日の天気は快晴だった。雨どころか雲もまばらだ。


「他には?」


「この状況で一番現実的なのはメタルイーターの四肢を切断することだ」


「四肢?」


「そうだ。四本の脚、そして一対のハサミ。それらを合わせて半数以上。農具か、工具のようなもので奴らで手足を斬り飛ばしてやるのだ」


「手足を斬り飛ばす?そんなことで倒せるのか?」


「メタルイーターには奇妙な習性があってな。己の手足を失い、自らの力で動けなくなると、仲間のメタルイーターが背後から襲い掛かり、その固い鋼鉄の皮膚を剥いで内臓を食べ始めるのだ」


「共食いするのかっ?!」


「うむ。白いぽい結晶体が中央部にあってな。おそらく脳か心臓のようなものであろう。と、学者連中は言っておる。ま、妾は専門家でもないし、ましてやメタルイーターが重傷を負った仲間の血肉を食うのか。そんなのは連中にしかわからんであろうがな」

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