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普通学科の劣等生(旧題魔法文明滅亡一万年後)  作者: 虹色水晶
第二章 即死魔法も銃も槍も効かぬ化け物
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なるとクラブ(4)

「それで、このあとどうする?策はあるのか?」


 アミーラに問われても、作治によい考えなどない。

 元々地下鉄の入り口だと勘違いして飛び込んだだけだ。そのまま狭い地下通路を通って安全な場所まで逃げればいい。それが作治の算段だった。

 実際に飛び込んだのは一万年前のサンドッチ屋だったのだが。


「いや、ないよ。ごめん」


 作治は素直に謝った。

 室内には


『トイレは二階に御座います』との表記はあるものの、別の出口があるとは書いていない。


 出入り口は先ほど作治達が飛び込んだ場所、一か所のみ。そして。


 五里!鮴!碁李!呉利!伍離!娯里吏履莉哩裏!!!!!!!!


 ドリルの先端についたハサミが激しく回転しながら、瓦礫とコンクリート削りながらこちらに向かって徐々に近づいてきている。

 先ほどのカニのようなメタルイーターが通れるくらいに入り口が広くなるか、或いは建物自体が崩れるか、どちらか早いかの競争。

 そんな感じだろうか。


「とりあえずこれを使え」


 アミーラは作治にマスケット銃を投げて寄越した。

 まだ新しい。新品だ。

 この古代遺跡の、一万年前のSUBWAYの店内に転がっていたとは到底思えないほど状態の良いものだ。

 かといって、その長身はあまりにも長すぎる。

 アミーラのフランドル衣装のスカートはひざ下まであるゆったりしたかなり長めのスカートだ。

 だからといって、その内部にマスケット銃がしまってあったとは到底考えられない。


「アミーラさん。そのマスケット銃もしかしてスカートの中に収納してあったの?」


「たわけが。そんなわけなかろう」


「いや。僕の故郷にミニスカートから大量のマスケット銃を出して戦う魔法少女がいてね・・・」


「もしかしてそ奴、妾と同じエンプーサなのか?」


「エンプーサ?」


 それは作治にとって耳慣れない単語だった。


「妾達は一万年前、魔術師とそうでない者達との戦いの終わり頃に戦場で使われた生物兵器の末裔なのだ。他の種族とは異なる特徴をいくつか持っておるが、代表的なものが」


 アミーラは左手を広げた。その手がぼんやりと光ったと思うと歪な十字架の形になり、そしてそれは小さな短刀になった。


「妾達の種族は全員、このように武器を造る事ができる」


「凄い魔法だな」


「魔法?ああ。よく勘違いされるのだが、これは魔法ではないそうなのだ」


「魔法じゃない?」


「術式だとか詠唱だとかそう云ったものは一切不要なのだ。頭の中でこんな武器が欲しい。そう思うだけでその武器が手に入るのだ。もっとも自分の体重より重いものは創れんがな」


「じゃあロケットランチャーとか造れる?」


「そのロケットランチャーとやらがあればメタルイーターが倒せるのか?」


「ああ。ロケランだったらタイラントだろうとネメシスだろうと一発さ」


 作治は一応バイオ4をナイフクリアしたこともあるが、ノーセーブクリアはしたことはない。ここは安全策でいくことにしよう。


「ふむ。ではやってみよう」


 アミーラはそう言うとメタルイーターの方を向いて、両手を広げ、それから作治のほうに向きなおってこう訪ねてきた。


「ところでろけっとらんちゃーとやらとは剣なのか?斧なのか?それとも槍なのか?」

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