揺れる気持ち。
夕飯の後自室のベッドに座り、スマホ片手に葉野君に電話しようかどうしようか迷っていた。
「今更話す事などないのに……」
それでもスマホを離せないのは未練なのだろうか。
そんな事を考えていたら電話がなった。ディスプレーに映し出される相手の名前。
「葉野君……」
一瞬躊躇っが電話に出た。
「もしもし大原……? 今大丈夫?」
「……うん」
「離婚成立したよ。半ば強引だったけど。 で、大原の気持ちは? あれ本心なの?」
「え?」
私は黙ってしまった。離婚成立の驚きと、私の気持ちを探る言い方に……。
「離婚成立したんだ。 何て言うか驚いたよ……」
「まぁ色々あったけどね。 やっと自由かな。 で、答えて欲しい。 あれは本心?」
「……分からない。 多分本心じゃないかも知れないけど、やっぱり私は子供達の幸せが大事だし壊したくないの。 葉野君との未来を夢みたけど現実は無理だよ……。 本当に申し訳ないと思ってるよ? 離婚急がせたのも私のせいでもあるんでしょ? だけど、ごめんなさいとしか言えないよ……」
いつの間にか涙がポロポロ出ていた。自分でも分からない自分の気持ち。苛立ちさえ覚える。
「取り敢えず、もう少し考えて欲しい。 子供達だって話せば分かってくれる筈だよ。 あっさり諦めたくない。 皆んなで話せないかな?」
「無理だよ! そんな事できないよ……」
「分からないだろ? とにかく話そう」
半ば無理矢理に話を纏められてしまった。
せっかく諦めようって決めたのに。
それでも何故か胸の中のモヤモヤが少し晴れた気がした。
「諦め悪いのかな? 私……」
士雨や奈々を傷付けたくない。けれど私の気持ちも理解して欲しいと言う思いも確かにあった。
『パパは来ない』そう言ってしまったけれど……。 果たして受け入れてくれるのだろうか。
いや。分からない。無理かも知れない。でも……。話しだけでも聞いてもらいたい。
ムクムクと湧き上がる葉野君への想いと、子供達の幸せ。その狭間で揺れる私。
「道化……」ベッドに潜り込みポツリ呟いた。




