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ケジメ。

葉野君には、離婚せずに奥さんとやり直して欲しいと思った。前を向いて……。

けれどやっぱり二十年後も葉野君への気持ちが消えない。


葉野君の決意の別居、私もきちんとしなければ。



『申し訳ないけれど、貴方とはやっぱりやり直せない。私は私の人生を歩きたいから。子供達とはこれからも変わらず会って下さい。』


夫へのメール。私のケジメだ。


夫は子供達の父親に変わりないから、会う事は拒まない。けれどもう一度家族にはどうしてもなれない。


結婚が失敗だったとは思わないけれど、相性は良くなかったのかな。


スマホをテーブルの上に置き、子供達のおやつを作った。


母としての手は抜きたくない。だけど女としてもう一度生きたい。今、そう思った。

葉野君の奥さんの事も解決できないけれど、二十年後のかたおもいを叶えたい自分がいる。身勝手かも知れないけれど。




『もしもし葉野君? うん。 いつ会えるかなと思って……』


葉野君への電話は、私をドキドキさせる。忘れていた気持ちを思い出させる。

心地良い想いが胸に宿って。


これから先解決していかなければならない物はあるけれど、一つ一つクリアしていこう。




夕飯の時、メールが鳴った。


『オレは納得できないけど、子供の父親だから、今まで通りにする。 考え変わったら直ぐ言って欲しい』


夫はまだ完全に納得していない様だ。

しかしこればっかりは仕方ない……。





「旦那さん諦めてないの? より戻したいって」


久しぶりに葉野君とお酒を飲んだ。



「まぁなんとなくの納得かな? 分からないけど。 あっちも彼女いるしね」


「保険て事?」


「子供可愛いさじゃない?」


「確かに子供は可愛いけどさ。 やり直したいまで言わないでしょ?」


「かなぁ。 彼女いるしね」


「結婚って言われて嫌になったか、 大原が恋しくなったか……」


「あり得ない。 恋しいとか」



ビールを一口飲んで笑った。



「しかしまぁもう言わないで欲しいね、 本当に……」


「何で?」


「新しい人生歩めないから」



真面目な顔をしてそう言った。



「新しい人生……」


「そう新しい人生。 一緒に歩こう」


「できたらいいね」



素直にそう思った。諦めるとか何だとかはいらない。二人の気持ちが重なったなら、それでいい。


繋がる想い。重なる影。ぼんやり見つめる私の好きな人……。



「まだ色々あるけどなぁ」


葉野君はビールをぐっと飲んでため息ついた。


……本当にそうだ。この先を思うとブルーになるが、今日はこの瞬間を楽しもう。



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