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第四話「前日」


 今日は日曜日だ。

 あれからもう一週間が経ったのか……。あっという間だった。

 明日はバレンタインだ。

 私は彼に外に出るよう進めてきた。彼は論文を出しに行くとかいう用事があったみたいで県内の大学へと向かった。

 

「さて……」

 私はあらかじめ準備してあったものを用意した。

 チョコレートを作るなんて初めてだが、大丈夫だろうか。これが、最初で最後のバレンタイン。

「ま、大丈夫よ」

「……そうだよね」

 ……ん?

「うわっ!? お姉ちゃん?!」

「せーぎのお助けヒーロー参上!」

 ……いつの間に入ってきたんだろう。姉は胸を張って腰に両手を当ててニヤニヤしている。

「もちろん、彼よね?」

「……そうだけど、なんでお姉ちゃんが?」

「いいじゃないの。手伝ってあげるんだから。……それに私の彼の分も一緒に作れるし」

 そっちが目的か……。

 そうして私と姉は一緒に台所に並んでチョコレートを作ることにした。

「で、お姉ちゃんどこまでできるの?」

「うーん。チョコを溶かして型に入れるのが簡単だったね。ってか、それしかできない」

「……そうだね。うん、そうしよう」

 私はチョコレートを包丁で細かく刻んで溶かし、型に入れて冷やした。

 姉が結構手伝ってくれたので予定よりも早くできたと思う。

 

「ねぇ、月美」

「なに?」

 私たちはチョコが固まるまでリビングのソファーで待っていた。

「どうして彼を好きになったの? 彼、すごい個性的だよね?」

「そりゃ……昔、助けてもらったから……かな」

「そっかー、やっぱりそういうものよね。私の彼も昔私を助けてくれたわ」

「へーぇ。どんなときに?」

「私が大学生の時に校内で殺人事件があったのを覚えてる?」

 覚えている。忘れもしない。テレビをつけたら姉の通う大学で事件があったんだから。家族皆、釘付けだった。

「そのときに狙われたのよ、私。そしてギリギリのところで彼が助けてくれたわ。消化器で犯人の顔に噴射したのよ。その隙に私は逃げれたわ」

 そんな事実があったとは意外だった。私も、同じようなものだ。

「ま、そんなこんなで今度結婚するんだけどね」

「……へ?」

「いや、結婚するの。今度の六月」

「うわぁ! おめでとう!」

「えへへー。あ、もうそろそろ固まるころだわ」

 私たちは冷蔵庫からそれぞれのチョコを取り出す。私のはハート型のチョコレートだ。それを紙でラッピングして『浩太へ』と書く。

「じゃ、私はもう帰るね。あとはうまくやるのよ」

「うん! お姉ちゃんもお幸せにー」

「あはは、ありがと。じゃ」

「うん、バイバイ」

 


 ……とうとう、渡すんだ。

 彼に、私の気持ちを届けるために……。

 

こんにちは、まなつかです。


どうも、とうとう前日になってしまいました。

明日はどうしますかね?

年に一度の大切な行事……。

楽しみです。

それではっ!!

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