〜ヴィガル〜
一応ヴィガルについたら別れる、という話だったから解散したけど…。どこにいけば良いのかわからねぇ…。ていうかこの世界でエンジョイするといってもゲームもなければ機械も何もない。この世界でどう楽しめと…?野良のモンスターは一切出てこないし…。ん?あれは…。
酒場…。酒場と言えば冒険者と情報が集まる場所!ゲームで何万回と仲間を借りたことか!何かあるかもしれないし行ってみるか!
と、思い行ってみたのだが…。
そこは怒号が飛び交うまともに会話すらできない場所だった。まるで教室みたいだ。陰キャにはとても居られない場所だと悟り、颯爽と帰ったのだった。
異世界だ!と思って息巻いたのに異世界にも俺の居場所はなかった。結局…どこにいても邪魔にしかならねぇんだ…。街にいることは諦めよう。
「どこかダンジョンでも…」
そうポツリと呟くと、
「今、ダンジョンって言ったかい?」
見知らぬ好青年が声を掛けてきた。
「あ、あぁ。ダンジョンを探していて…。」
「なら僕が紹介してあげよう!」
そうしてダンジョンへ行ったのだが…。
「なんでついてきてるんだお前?」
何故かコイツがついてきていた。リア充みたいな爽やか青年が俺みたいなのについてくるなんて頭悪いのかコイツ?
「お前じゃないよ、カイだ。」
「じゃあなんでついてきてるんだカイ。」
「君と一緒なら苦労しなさそうだと思って」
「勝手にしろ」
「そういえば、ダンジョンなのに魔物が1匹もいないね。」
「俺のスキルのせいだ。」
「スキル?」
「魔王という職業だったんだが…。その専用スキル『邪眼』という自分よりステータスの低い魔物を寄せ付けないスキルだ。」
「すごく有能なスキルじゃないか!それに魔王って…?」
「俺にもよくわからん。有能は有能だが、そのせいで俺は未だにLv.1のままなんだ。」
「僕は一応Lv.50でHP5000だよ」
「Lv.1でHP50000なんだが…。」
「なっ…!?本当に魔王のようなステータスだ」
「この世界に魔王はいるのか?」
「いたよ。暴虐非道な魔王が。だけど数百年前に人間の勇者によって滅ぼされた。」
「ってこと…は…」
「あぁ。君は魔王の力を宿した…謂わば
第二の魔王と呼べるだろう」