穏やかな日常
――――思い返してみれば。
子供の頃は、小さい頃は幸せだったなぁ。
大人になった人ならみな、一度は思うことだろう。無邪気に遊んではしゃいで、いつでも自信に満ち溢れ、後先なんて考えることなくなんでも行動に移してしまえたあの頃のことを。
もちろん、自分も例外ではなかった。
物心がついて、一番古い記憶といえばコントローラーを握って初代プレイステーションのゲームで遊んでいる記憶だ。おそらく幼稚園に通っていた頃だろう。
その頃の自分は今の自分とは正反対で、想像力豊かでとても愉快な性格をしていて今思えば悩みなんてものは無かったのではないかと思うほどすべてがうまくいっていたと思う。
転んでひざをすりむいて血が流れてしまってもそれを見た自分は「ひざに太陽ができた!」と喜んでいた記憶がある。とてもおもしろい表現だと今は自惚れになってしまうが我ながら感心してしまう。
また、積み木で遊んだときに同じ組の子が近くを歩いて通り過ぎたタイミングで積み木が崩れてしまうことがあった。
その時の自分の反応が想像できるだろうか。なんと「きみが歩いてできた風で積み木が崩れた!」と歩いた子を責めた記憶がある。幼稚園児らしからぬ理屈屋であったかもしれないと今にして思うところがある。
幼稚園でも小学校に上がっても困ってたことはなにもなかったと思っている。
小学校に上がってからはすぐ友達もできて、毎日楽しく遊んでいたと思う。
両親にはずっと「うちは貧乏な家だ」と言われて育てられてきたが、今思い返してみれば特に大きな問題はなく、たまに電気が止まったり、たまにご飯抜きになるくらいで大事に育てられたのではないかと思っている。
――――――だから、両親には感謝しているつもりではある。
授業の時間にはまじめに先生の話を聞いて勉強して、休み時間になれば「みんなでドッチボールしよう!」って友達集めて毎日時間ギリギリまで遊んで、給食の時間になれば牛乳が嫌いな女の子がいたから「牛乳嫌いなの?もらっていい?」って毎日のようにもらいに行ってた。
ある日、牛乳瓶に剥がせるシールが貼ってあることに気づいてそれを剥がして机に貼って集めてたらクラスのみんなが一緒に集めてくれるようになった……いいクラスだったなぁ。
放課後は習い事でサッカーやってるか友達の家にゲームをしに行くことが多かった。
ゲームは経験があるからかクラスのみんなよりちょっと上手で「代わりにクリアしてー!」と頼まれてたのでよく遊びに行っていたのを思いだす。
こうして振り返ってみれば子供時代はこうして普通の家庭となんら変わりなく、将来になんの不安を抱くことなく毎日楽しく生きられたと思う。また、子供たちはみなそのように過ごしてもらいたい、そうあるべきだと強く思う。
――――こうして、作者「くーでりあ。」は幸せな子供時代を、人生でのピークを送りました。
――――上った後は、落ちるだけ。