睡眠
初心者による執筆のため、誤字脱字や、文章の繋がりや意味がおかしい!という点あるかと思いますが、温かい目でお読みくださると幸いです。
「睡眠転生 〜現実と異世界を行き来する男の転生モノガタリ」2025年12月より第2話~ 投稿開始!
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【第1話】
ヒトには、眠ることが必要だ。
人間の三大欲求の一つである睡眠欲。でも、なぜ眠るのか。
健康のために、休んで疲れをとるために、何かを忘れるために、現実から逃れるために──
もちろん、眠る目的を持たない人も少なくないだろうが……。
そんな「睡眠」の間に、夢を見る時がある。楽しい夢、怖い夢──イロイロな、幅広い夢があると思う。時には、不思議な夢や、わけの分からない夢を見ることもあるだろう。
──だけど、俺の見る夢の場合、"何か"が、違っていた。
……というか、本当に夢なのか?いや、夢じゃない──まるで、死んで転生でもしたのかと思うような、不思議な世界。
寝る度に、同じ夢の続きを見ることになるし……一体どうなっているんだ──?
そんなことを考えていると、次第に俺の意識は暗闇の中へ吸い込まれてゆくように薄れていった……。
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「根上くん、君さあ……。新人とはいえ、もう入社してからもうすぐ3年になるけどさあ?しっかりしてね?俺みたいに優しい上司でなきゃ、君もう首切られてるだろーねぇ……感謝してよね。ハァァ……ホンット、自己中って困るよねェ──」
自己中、か。昔も、何度もそう言われた気がする。本当に俺が自己中なら、さぞかし楽しいんじゃないだろうか。
自分が中心で世界が回っている世界。なろう系小説の主人公みたいに。
「聞こえてますー?おーい、根上寝夜くーん?てかさ、取引先に契約切られて困るの、君じゃなくて俺らなの、分かってるよね?それと、君、先月経費使いすぎだし、制限超えてたから言っとくけど。今月は、経費削減しないと──ねェ?」
ニタニタした顔で、脅しをかけてくる。
面倒な上司だ。
「はい……すみませんでした」
……高速使わないと間に合わないのに、経費削減で使うな、と言われ、どうすればいいんだよ?
間に合わなかったら契約切られるかもだし、怒られるのは俺なのに。なかなか、ハードな仕事だよ、長距離トラックドライバーなんてのは。
俺は、長距離トラックドライバーになって、1人で全国を転々と回って生きてゆくのが夢──だった。ドライバーになるまでは。大学卒業後すぐ長距離トラックドライバーになってから、もうすぐ3年……つまり25歳(彼女いない歴=年齢)、か。
もともと旅をするのが好きだった俺は、全国を転々と回れるトラックドライバーという職業が、好きか嫌いか、と言われれば、嫌いではない。職業自体は。
ただ、この仕事、疲れるんだよなあ……睡眠時間が不規則で、生活リズムなんてのはないし。眠いし。腰痛いし。目も疲れるし。時間調整も難しいし。セッカチな荷主が多いし。眠いし。眠いし。あと、眠いし。
上司や取引先の人間と話すのも疲れる。
……とはいえ、運転中は、1人でいられる時間が長いから、まだマシだろうか。1人でいられる時間がここまで長い仕事なんて、長距離ドライバーくらいしか、中々ないだろう。
──泣き言を言っていても仕方ないか。
「さて、と」
上司様の為になるお素晴らしいアドバイスを頂き終わったところで、ちょうど始発の時間になったし、さっさと帰るとしますか。
眠いし。
子どもの頃、ずっと寝てたし、怠け過ぎていたのかねえ、俺の体。すーぐ眠くなるしなあ。最近なんか、特に……。
週に2回しか帰れないけど、そんな家好きじゃないし、寝れればどうだっていいや!
そんなことを考えつつ、会社を後にし、家の最寄りまで電車に乗って帰る。
電車に揺られ、ウトウト……眠い。
ちょっとだけ、寝よう────
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「お主……一体何者じゃ?おーい?なんじゃこやつ、大丈夫かの?」
────ん………上司?……じゃない、か。
ぼんやりする俺の視界に映ったのは、老人……
「起きたかの?それにしてもこんなところまで魂が飛んでくるとは……」
……え、は?タマシイ???何だ?どーゆーことだ?
寝起きではっきりしない脳をフル回転しても、俺のダメダメオツムでは理解できなかった。
「よく分からん、という顔をしとるなあ……お主?」
このヘンなおじいさん……魂?一体何の話をしてるんだ?そもそもここ電車だし、な……んで
「えっ!?なんで!?ここどこ!?」
「見ての通り、天界じゃが?──お主らの世界でいう、天国みたいなものじゃろうかのう……ワシらにとっては全く天国ではないがの」
見ての通り、と言われても……あたり一面、野原で、ポツポツと白い花が咲いているこんな場所……わかるわけないだろう。
……おかしい。こんな変なシチュエーション、今まで25年間生きてきて初めてだぞ???
────そうか!
俺、働きすぎたんだ!しばらくちゃんと寝れてなかったし、幻覚か悪夢でも見てんだろう。
にしても、変な夢……。
どうせ最寄り駅だって通り過ぎてるだろうし、終点についたら誰かが起こしてくれるだろう。もう一眠り……。
目を瞑ると、意識が薄れていった──はずだったのだが……
「おいお主何寝ようとしとんじゃ!」
「いやあの……え?」
「え?じゃないぞお主よ」
「これ幻覚とか夢ですよね?てかなんで夢のなかでこんな謎いおじいさんと話してんだ俺……」
「申し訳ないんじゃが──魂が天界に来るということは、お主恐らく死んどるぞ?夢なんてものじゃなくて、の」
「はい???なんてこと言ってんですか?夢でしょ?だいだいあなたの話が本当だとして、あなたは誰なんですか?」
「神様じゃよ。もっと敬い崇めてくれてもいいんじゃぞ~?」
ニヤケながらグイグイ俺を押してくる。
──うん……やっぱり夢だ。寝よう。しかも、なんかとてつもない眠気を感じるし……。疲れてるだけだろう。
俺の意識は、自然と遠のいていった……。
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鳥のさえずり……。朝、か?
でも電車にいたはず……盲導鈴か?
いや、違う………………は?
「うわ……!なんだよこれ!何も見えねえし!!」
さっきまでは夢の中で野原にいたはずだが──
今度は……多分、地面?に、突き刺さっている……
どういう状況???
【第1話 終】
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お読みいただき、ありがとうございました!
2025年12月より、第2話以降、投稿してまいります。
よろしくお願いします!