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お宅訪問



 無事に林間学校も終わり、そのまま何事もなく土曜日を迎えたのだが、今日は俺の家に優斗と柊さんが来る日だ。

 俺は、休みの日はほとんど詩織の部屋で一緒にのんびりしたり、スマホでゲームをしたりしていることが多いので、平日も寝る時以外自分の部屋を使っていない。

 つまり生活に必要なものを、ほとんど詩織の部屋の方に持って行ってしまっているため、何とも生活感のない部屋になってしまっている。


 流石にこの部屋のまま優斗たちを迎え入れてしまうと、怪しまれてしまうので昨日のうちに生活で使いそうなものや料理道具、食材はこちらに持ってきておいた。

 ただ、位置がうろ覚えなのでぼろを出してしまわないか心配だ。


 ちなみに詩織も俺の部屋に先に来たということにして、もう部屋でくつろいでいる。

 後で来ることも考えたが、隣の部屋にいるというのにわざわざ後で来るなんて、面倒くさい事をしなくてもいいだろうということになった。

 

 それに、待っている間一人というのも寂しいからな。




 お昼ご飯は俺が振舞うことになっているので、二人が来る前からハンバーグの準備をしているのだが、丁度一区切りついたところでインターホンが鳴った。


「はいはいっと」


 インターホンなんて押す人は今までいなかったので確認しなくとも間違いなく優斗たちなのだが、よくよく考えたらセールスや宗教勧誘とか今まで来たこともなかったな。

 まあ、多分義さんが詩織のために何かしらやってるからっていうのと、そもそも俺が自分の部屋にほとんどいないからだと思うんだけど……


 玄関のほうへ行きカギを開け、二人を招き入れる。


「マジで誠いい場所に住んでるんだな」

「母さんがこれくらいじゃないとって言って聞かなかったんだよ……」

「ここまでくると、流石に親バカだな……それだけ愛されてるとも言うけど」


 まあ、前までは相当な親バカだなと、俺も思っていたのだが、義さんを見てからだとそうでもないような錯覚に陥ってしまった。

 あれが本当の親バカだと思う……


「まあ玄関で話すのもあれだし、とりあえず中に入ってくれ――柊さんもどうぞ中へ」

「お邪魔するわね。一条さんは……靴があるってことはもう来てるのね」

「ああ、二人が来る少し前にな」


 内心ひやっとしたが、よっぽどのへまをしない限りバレることもないので、堂々と振舞う。


「とりあえずリビングでくつろいでてくれ、俺は料理の途中だったからとりあえず続きをしてくるよ――多分後十分、二十分くらいで完成するからさ」

「期待して待ってる」

「そんな期待されるようなものでもないけどな」




 二人が来る前に、ほとんど完成はしていたので残りの工程をサクッと終わらせて、盛り付けを終わらせた料理をダイニングに運んでいく。

 出来は悪くないと思うので、二人の口に合えばいいのだが……


「かなり美味しそうね」

「ああ、いつも弁当が美味しそうだとは思ってたけど、出来立てを見るとよだれが出そうだ……もう食べていいか?」


 優斗は待ちきれなかったのか、言っていた通りよだれを垂らしそうにしているが、流石にみんなが座るまで待ってほしい。


「はいはい、ちょっと待ってくれよ――それじゃあ」

「「「「いただきます!」」」」


 優斗たちが一口目を食べて、美味しそうにしているのを確認してから、俺も食べ始める。

 口に合ったようで俺をしても一安心だ。


「美味い! これならお店開けるんじゃないか?」

「いや、流石に店は無理だろ……まあ喜んでくれたようでよかった」


 それに、俺の料理は詩織の好みに合わせて作るようにしているので、万人受けするかどうか分からないしな。


「ほんと、美味しいわね、こんなの毎日食べてたら太っちゃいそうよ……」

「毎日かなりの量食べて太ってない奴がここにいるんだけどな……」

「え? 今何か言ったかしら?」

「い、いやなんでもないよ……ははは」


 今のはマジで危なかった。

 完全に無意識に独り言を言っていたのだが、聞こえてなくて助かった……。


「――誠、ご飯のおかわりあるか? もうなくなっちゃったんだが」

「どのくらいいるんだ?」

「出来ればさっきと同じくらい欲しい」

「了解っ、ちょっと待っててくれ」


 四人分なので、足りなくならないように多めに炊いていたのだが、正解だったな。







 

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