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林間学校の班決め



 学校ではいろいろあったが、一か月もすれば慣れてしまうものだ。

 それに加えて時が経てばみんなの話題も自然と別のものになってくるので、優斗くらいしかクラスメイトで話す人がいないこと以外は特に問題も無くなった。

 そろそろ林間学校も近いので、なおさら話題はそちらに移っている。


「じゃあ、林間学校の班決めをします」


 クラス委員の人がそう言うと、クラスが盛り上がる。


「全員で四十人なので、五人班を八つ作ります。クジ引きで決める予定だったのですが、先ほど自由に決めさせろとの抗議があったので自由に組んでいいことになりました」


 それを聞くと、もう仲のいい人を作れている人は喜び、逆にまだクラスになじめてない人達は、かなりどんよりとしている。

 分かるよ、その気持ち……


 ていうかなんだよ、自由に決めさせろっていう抗議とやらは。

 普通に考えてそんな抗議が通る訳……まさか……



「そういえばさっき職員室に行ってたよな」

「うん」

「何しに行ってたんだ?」

「ちょっと先生とお話をしに行ってたの」

 

 やっぱり犯人はこいつだったか。

 流石権力者の娘だ、学校の先生も逆らえなかったという訳だろう。


「権力をそんなところに使うのはよくないと思うけどな」

「だって知らない人だけと一緒なのは楽しくないもの」

「だからってなあ……」

「それに誠と一緒が良かったの」


 え、そんな嬉しいことを言ってくれ――


「お世話してくれる人がいないと大変でしょ?」

「そっちかよ」

「ってことで誠は一緒の班ね」

「分かったけど他の三人はどうするかな」

「なら俺も一緒でいいか?」


 どうしようかと迷っていると、後ろから声をかけられたので振り返ってみると、優斗がいた。


「いいけど逆に優斗はいいのか? 他にも仲のいい奴結構いるだろ?」

「んー、確かにそうだけど俺的にはこっちの方が面白そうだなって思ってな」

「そうかよ、まあお前がそれでいいって言うならいいんだけどな」

「それと、もう一人誘いたい奴がいるんだけどいいか?」

「まあ優斗が誘いたい奴ならいいけど、詩織もそれでもいいか?」

「来てみないと分からないわ」

「そりゃそうだな」


 そう言って、優斗は委員長のほうへと歩いて行く。


 ん? 誘いたい奴は委員長なのか、そんなに仲のよさそうなところを見たことはなかったんだけどな……

 と思ったのだが、優斗がしゃべりかけたのは委員長ではなく、その横にいる女子だった。



「私も来てもよかったのかしら」

「私は委員長と一緒に組むって先に決めてたんだから一緒じゃないなら優斗達とは組まないわよ」

「陽彩と中野さんさんがいいかどうかは誠達に聞かないとだから俺には決めらんないけどな」


 ほう、お互いに名前呼びとな? ということは……


「えーっと、こちらの方々は?」

「お、そうだな、まず俺が誘おうと思ったこいつが柊陽彩ひいらぎひいろ、俺の幼馴染だよ。そして一緒についてきたのが委員長の中野怜さんだ。」


 優斗の紹介とともに二人ともがよろしくと頭をぺこりと下げる。


 

 なるほどねとニヤニヤした視線を優斗に送ると、アハハと笑っていた。


「ならこっちも自己紹介だな、俺は上崎誠、んでこっちが一条詩織だ。よろしく」

「よろしくね、優斗が仲良くしてるから噂とは違う人だとは思ってたけど、やっぱりそんな気がするわね」

「そりゃどうも、ちなみに噂ってどんな感じだと思われてるの?」

「んー、一条さんを脅してるだとかそんなくだらないことよ」


 俺が詩織を脅してるって……どちらかと言うと立場は逆の気がするんだけど……


「誠、どうしたの?」

「い、いや、なんでもないよ」


 ……ほらね。


「私たちは一条さん達とも話してみたかったし、そちらがOKしてくれるならいいんだけどどうかな?」

「俺も優斗の幼馴染ならいいとは思うけど、詩織はどう?」

「誠がいいと思うなら私もそれでいいわ」


 最近、詩織の判断基準が俺がいいならになっている気がするのだが大丈夫だろうか。










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