友達
大変お待たせしました。
スローペースではありますがこれから再開していきますので、これからもどうぞよろしくお願いします。
視線が辛い……
次の日俺が学校に来て思ったのがそれだった。
ある程度嫉妬やらなんやらで見られるだろうなとは覚悟していたが、思ったよりもそれはしんどかった。
「詩織は平気なのか?」
「なにが?」
「何がって、この視線の量だよ」
「ああ、別に見られることなんてよくあるしあんまり気にならないわ」
「まじか、俺は今までこんなにジロジロといろんな人から見られるなんて経験がないからちょっとしんどいよ」
周りからは、あの二人は付き合ってるのかだとか、なんであんな奴がだとか聞こえてくる。
なんで俺なのかは俺にもわかんないから詩織に聞いてくれ。っていてもビビっときたからという返答が帰ってくると思うけど……
「よっ、有名人」
そう言われて振り向くと、そこには少しニヤニヤした優斗が立っていた。
「……なんだよ」
「噂の真相を本人に聞こうと思ってな」
「お前もか」
予想はついていたのだがそのニヤニヤ顔をやめてくれ……
「だって気になるだろ? 友達ならなおさらだよ」
「……友達か」
「ありゃ、友達だと思われなかったか? 悪いな、てっきり昨日も仲良くしてくれたし友達でもいいかなと思ったんだが」
「いや、別にそういうわけじゃないんだ。そっちが友達って言ってくれるなら俺としても嬉しいしこれからよろしくな」
「おうよ! で、それはとりあえず置いといてそこのお嬢様とはどういう関係なんだ?」
ちっ、ごまかせなかったか。
「ん? 俺がこいつのことをお嬢様って言ったか?」
「そういうわけじゃないが、一条さんってあの財閥のお嬢様だろ? 顔ぐらい見たこともあったって不思議じゃない」
「それもそうか」
クラスメイトにすら知られているくらい有名な財閥のお嬢様なんだなと、改めて実感する。
普段二人でいるときは、少しわがままな美少女って感じだからな……
「俺と詩織は別に付き合ってるわけじゃないよ。ただ、前から知り合いだったってだけだ」
「ふーん? にしてはかなり仲がよさそうだけど」
「友達なんだからこんなもんだろ」
「……友達」
「ん? 詩織なんか言ったか?」
詩織が何かボソッとつぶやいたのだが聞き取れなかったので聞いてみる。
「ううん、なんでもないわ」
「そうか? ならいいんだけどなんでちょっと不機嫌そうなんだよ」
「そんなことないわ」
「……まあ何か言いたいことがあるんだったら言えよ?」
「ん」
いつもよりも顔がムスッとしているので、そんなことないわけないのだが俺は何かダメなことでも言っただろうか……
「あぁー、なるほどな何となく分かった気がするわ」
「……今ので何が分かったんだよ」
「お前らの仲の良さ、かな」
「そうかよ、ならさっさと自分の席に戻ってくれ。そろそろチャイムが鳴るんじゃないか?」
「もうそんな時間か、分かったよまた来る」
「来なくていいよ」
そんなやり取りをして優斗は満足げに自分の席に戻っていった。
あいつとの会話で、周りにも俺と詩織が付き合っているわけではないことが聞こえているはずなので嫉妬の視線が少しくらいは和らぐかと思ったのだがそうでもないらしい。
俺や詩織が誰とつるんでいても本人の自由だというのになんでそんなにあれこれと言ってくるのだろうか?
美少女はやっぱり大変なんだなと実感しつつ、俺はチャイムが鳴ったので姿勢を正して先生の方を向いた。




