帰り道
「なんであそこで俺に話を振ったんだよ」
俺は今詩織と一緒に下校しているのだが、さっきの事について尋ねていた。
「だって誠以外の人とやるのはつまらなそうだもの」
「だからって俺に話を振らなくてもそのまま断ればよかったんじゃないか」
「それは、朝誠がおんぶして連れてってくれなかったから」
「まだそれ引きずってたのかよ」
「そのせいで到着してから息を整えるのに時間がかかったもの」
「それは座ってたから大丈夫……ってそうか、お前は代表挨拶があったんだったな」
それであの時ジト目で見てたのか。
「でも俺はあの時お前が代表挨拶があるなんて知らなかったけどな」
「言ってなかったっけ?」
「少なくともお前の口からは一度も代表挨拶があるなんてことは聞いてないな」
「昨日、明日は頑張るわって言ったと思うんだけど」
「分かるわけないだろっ!」
別に俺はエスパーじゃないんだから詩織の考えていることが全部わかるわけがない。
というかそれで分かってたらやべー奴じゃねーか。
つまり俺は、代表挨拶のある詩織を疲れていたのにおぶらなかったから、仕返しとしてクラス委員決めの時に話を振られたってわけか。なんと理不尽な……
ちなみにあの後クラス委員決めはしばらく続いたのだが、最終的に他にやってくれる人が決まったので、俺と詩織はクラス委員にならなくて済んだ。
まあ、俺はクラスの奴からはいい印象は持たれなかったと思う。特に男子からはかなり嫌われそうである。
優斗はというと、帰る前に冷やかしに来たので無視して詩織とここまで帰って来た。
なんとも騒がしい奴だが、狙ってやったのか、はたまた偶然かあいつが最初にきてくれたお陰で、俺たちはほかの奴らに絡まれることなく帰ることができた。明日お礼でも言っておくとしよう。
「さて、家になにが残ってたっけな?」
スーパーについたので、晩御飯であるカレーの材料とついでにお昼ご飯を買うことにする。
確かほとんど冷蔵庫の中は空だったと思うので、お肉、じゃがいも、ニンジン、玉ねぎ、カレールウを全てかごに入れる。
「お昼は何かリクエストあるか? なかったらおにぎりか弁当でも買って帰ろうと思うんだけど」
「んー、特にはないけど誠の手作りの方がいい」
「そうか? ならパパっと作れる炒飯とかにするか。それでいいか?」
「オッケーよ」
正直お腹が空いたのでおにぎりとかを買って早く食べたかったのだが、詩織がそう言うなら仕方ないので、追加でなくなりかけている卵をかごに入れてレジに向かう。
「お菓子が買いたいわ」
「あー、確かにあんまり食べてなかったな……なら一つならいいぞ俺も食べたくなってきたし」
「一つだけ?」
「ああ、ここで大量に買ったりしたら運動もあんまりしてないし太るかもしれないからな」
「私は太らないわ」
「そうやって油断してるといつの間にか増えるんだぞ?」
「誠は私が太ったら嫌?」
「ん-、別に俺はどっちでもいいとは思うけど、せっかくスタイルがいいのにもったいないなとは思うな」
一緒にお風呂に入っているから分かるのだが、詩織は本当にスタイルがいい。
おなかや腕周りにもお肉が付いている感じがしない。まあ、もしかしたらある部分に栄養が行ってるからかもしれないけど……
「誠なんか変なこと考えてない?」
「そ、そんなことないけど。そんなことより買うお菓子は決まったのか?」
「む、それはまだ悩み中。どっちにしようか困ってるわ」
そう言って、ポテチとチョコレートを見比べて悩んでいる。
「俺がもう一つのほう買うから分けっこでどうだ?」
「いいの? 誠は他に欲しいやつあるんじゃないの?」
「別に俺は絶対欲しいわけじゃないし、詩織が欲しいやつでいいよ」
「ならこれとこれにする」
「了解、じゃあ決まったことだし会計してさっさと帰ろうぜ。お腹すいたしな」
「ん、お腹すいた」




