お好みでその4
「ゆるむ時」
誰にも会わないで
平日の静かな公園で
木陰のベンチでぼーっとしたり
本をよんだり
コンビニで買ってきたおにぎり食べたり
青空を見上げたり
心を縛らないで
思い悩まないで
せめてこのひと時は
「デート」
化粧をしすぎないように入念にして
服を派手すぎないように可愛く着て
髪型を普段よりつやつやにブローして
抑えきれない気持ちが華やいで
私が私じゃないみたいだけど
あなたが大好きだって
全身全霊かけて伝えにいくよ
「君の笑顔はかわいい」
君の笑顔がいちばん好きさ
だって
君が笑えばうれしいんだ
悲しい顔は似合わない
だって
君の涙はあまりにも綺麗だから
悲しい表情には不釣り合いさ
だから笑顔がいいんだ
だって
君が笑うとすごくかわいいから
「風が冷たくなると」
日暮れがはやくなると
もう帰らないといけない罪悪感
夜明けが遅くなると
目覚めが思いがけない空虚
夜空の星々の光が冴え渡ると
自分の存在が消え去りそうな恐怖
風が冷たくなると
寂しさでどうしようもなくなる痛み
「一目惚れに似た」
通り過ぎて行く
どこの誰とも知らぬきみの
頼りなげなうなじに
目を奪われど
他人なぼくはただ切なく見送るだけ
「玩具」
心がおもちゃ扱いなぼくらの
せいいっぱいな恋愛ごっこ
今 きずついた 心は
今 ちっとも 痛くない
きっとずっともっと後から
すごく痛くなる
心を大事にできないぼくらの
本気にならないように気をつけた恋愛は
周りからはきっとイタすぎて直視できない




