長いプロローグを読む時間のない人のための要約
1-0の要約。
ホントもう要点のみ抽出。
2018/09/18
「長くて暗すぎるプロローグの要約」という題名もどうかと思ったので、今のに変更。
主人公が七歳となる、八年と少し前のこと。
後に主人公にとって重要な転換点となる魔物の、誕生のお話である。
闇夜の如く暗い谷底より、一体の醜悪な魔物が、這い出でた。
彼は、眼下に見えるスタンダード公爵領の一都市に焦がれ。
絆を求めて山降りる途中、出会った貴族の子供を、間接的にではあるが殺してしまう。
結果組まれた討伐隊を、魔物は意思に反して、本能のまま蹂躙しようとしたが。
討伐隊は、魔術師ロッケの手腕で逃げ果せ。
魔物の本質を見抜いたロッケは、狡猾にも彼に近づき、最後には裏切るも、討伐には失敗した。
偏にそれは、魔法発現を媒介する精霊なる存在を、彼の魔物が喰らったから。
血迷ったのか、その後魔術師ロッケは近衛の騎士を殺害し。
主君の娘を誘拐する。
一方魔物は、アリアドネと呼ばれる赤毛の少女を引き連れた、神を自称する銀髪の女性にロッケの悪事を聞かされ。
ロッケの錯乱の原因は、なんと自分の権能にあると言うではないか。
罪滅ぼしとして、攫われた公爵の姫、キャラメラを助けるために、銀髪の女性に自らの姿を人に変えてもらった。
いざ行かん、お姫様の下へ。
そこに絆を得ることへの打算がなかったなどとは言うまいが、それでも魔物の心には、確かに正義が宿っていた。
かくして魔物は、キャラメラを助けることに成功するが。
時はすでに、銀髪の自称神に騙された後。
魔物を人間に変えた薬は、姫を助けしその折に、彼の体に牙を剥き。
理性を狂乱せしめられた魔物は、ああ、なんと哀れなことか。
初めて羨み、憧れた人の街を、完膚なきまでに破壊した。
友達が欲しかっただけの魔物。
彼の引き起こした史上類を見ない災厄は、後に「大破壊」と呼ばれるようにとなり。
また魔物の中の魔物として畏怖された彼は、「マモノ」と称されることとなったのである。
短い!