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5話

 ※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※




 お気に入りのワンピースを畳みながら、何故私は旅支度をしているんだろう。

 そうでした思い出しました。権力の馬鹿野郎のせいでしたね。



「ええっとメモメモ」



 今だにもってよくわかっていない調査に参加することがいつも通り決定して、意気消沈して部屋に帰る。

 すると、女騎士様が親切にも旅支度について教えてくれたのだ。

 ・・・何故か野営の準備のような気がするのは、気のせいだと思いたい。



「ねぇ、マーニャ。私なんだかお腹が痛くなってきたわ」

「神聖魔法で治されると思いますよ、本当でも。お嬢様、コチラもどうぞ」


「・・・ありがとう、マーニャ」



 ですよねぇぇぇぇ!!仮病もきかない、病魔も追い出される。

 ・・・・これはもう本当に逃れられない。


 いやいやいやいやいや!!良い方に考えよう!!

 考えられるかどうかわからないけれど、考えてみよう!!



 謎の物体が出現するドラゴンがうようよしている島の近くの辺境に、駄ドラ連れて魔術師団長と一緒に調査しに行く。




 ・・・・・うん!行きたくない気が増しちゃったよ!失敗失敗!



 謎の物体とかの調査は全部、魔術師団長に押し付けるでしょ?

 遭遇したらそのドラゴンとかも、魔術師団長に押し付けるでしょ?

 ついでに駄ドラを慣れさせて、魔術師団長に押し付けちゃえば・・・・?



 来たよ!!これ来たよ!!

 ドラゴン大好きな魔術師団長も喜ぶ、駄ドラが居なくなって家に帰れて私も喜ぶ。



 なんて素晴らしい世界なんだ!!

 よし!これでいこう!駄ドラ契約しちゃってるとか、押し付け成功確率低そうとかは後回し後回し。


 人には希望が必要なのだよ。

 絶対悪ならぬ絶対希望なのだよ。


 取り敢えず、旅の間は魔術師団長にハチミツをこっそり塗ろう。


 そう決心して振り返ると、胡乱げなマーニャの視線を感じる。が、私は正々堂々と受け止める。

 やましいことなどない。私の希望のためなのだよ。



「マーニャ!ありったけのハチミツを、貰ってきてちょうだいな!!」

「・・・・・・・・・・・かしこまりました」



 さあ!!私のために!!走るのよ、マーニャ!!



 そんな私の希望とは裏腹に、侍女に相応しい丁寧な速度で私の部屋(仮)を出る。

 ・・・・まあ、持ってきてくれればいいのよ。



 トランクに畳んだ服を詰める。

 旅には侍女は連れていけず、自分の身の回りのことは自分でするからだ。

 ・・・・私、令嬢・・・まあいいか。



 くっくっくっ、だがしかし!!魔術師団長よっ!


 駄ドラは押し付けさせてもらうぞ!!!



 ----ばんっ!!!



「ルルリーア嬢っ!!!」

「はふえぇぇぇ!!!!」



 び、びっくりしたぁぁぁぁ!!!

 窓からいきなり騎士団長が飛び込んできたぁぁぁぁ!!



「っ!まずいっ!!さあ早く逃げるぞっ!!」

「ええええええええ!!!??な、えちょっとぉぉぉ!!??」



 何から逃げるんだよって有無を言わさず腕に抱えるなぁぁぁ!!

 殆ど無表情、天眼竜様とか強敵の前以外なら、概ね紳士的な騎士団長がコレほど焦るなんて一体??



「逃げ切れるか・・いや、アレイのところにひとまず避難を」



 窓枠に足を掛けながらブツブツ呟く騎士団長。

 その真剣な表情に、声を掛けるのもためらわれた。


 いや説明してほしいんだけどね??


 魔術師団長の所に逃げるって、なんだろう、強大な魔物・・なら嬉々とするだろうし。


 異様な騎士団長の様子に、なんだか私まで怖くなってきたよほんとなに「いたーーーー!!!!」え??



 ーーーーガキィィィン



 甲高い金属音と共に、ものすごい勢いで後ろに移動した。

 衝撃とかは全く感じなかった、もしや相殺したのかすごいな騎士団長よ。


 そして目の前の異国美女に斬りかかられてるよ騎士団長。



「隠そうとするとは、関心せんな。我が愛弟子よ」



 左腕に抱えられているから私、異国美女をすごい迫力と近さで鑑賞させていただいております。


 降ろしてぇぇぇぇ!!!騎士団長ぅぅぅぅ!!!



 我が国では珍しい浅黒い肌に黒髪。

 見慣れた騎士平服を着ているということはつまり。



「隠している訳では「つっかまえたぁぁぁ!!!」・・・・ちっ」



 こちらはドアから駆け込んできたこれまた美女だ。

 燃えるような赤金色の髪を靡かせながら、嬉々とした表情で私の部屋(仮)に駆け込んできた美女だ。


 何度でも言おう。美女だ。


 クーラケントの首を取ったかのように勝ち誇った赤毛美女が、騎士団長を指差す。



「さあ、観念しなさい!」



 前には小剣を構える異国美女。後ろには獲物を捉えんばかりの赤毛美女。



 ・・・・・騎士団長、悪いことは言わない。自首しなさい。

 そして、私の部屋(仮)から出ていきなさい。



 今すぐなぁぁぁぁぁ!!!!




 ※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※




「まったく、ライちゃんてば!恥ずかしがっちゃって~」



 肘で赤毛美女、改め『悪夢の魔女』であらせらる左元帥閣下に肘で突かれる騎士団長。

 いつもながらの無表情と思いきや、死んでる。確実に死んでる、顔が。



「いえ、ですか」

「でもでも、私たちにちゃんと紹介してくれてもいいじゃない!!」



 さっきから、騎士団長の言葉は尽くかき消されている。

 なんだろう。左元帥閣下は魔法を使っているわけではなさそうなのに、まるで魔法のようだ。



「そうだぞ?何の音沙汰もなくて、私は正直悲しかったぞ」



 右元帥閣下は悲しそうにうつむきながら、私の頭を撫でる。

 ・・・・・うん、合ってますよ。撫でてるんですよ私の頭を、『悪夢の鬼神』であらせられる右元帥閣下が。



 そして、私を、膝の上に、乗せてるんですよぉぉぉぉぉ!!!



 しかも、三人がけのソファに、左元帥閣下、騎士団長、私を膝に載せた右元帥閣下が並ぶ。



 どういうことなんだぁぁぁぁ!!今の状況が全く把握できないぞ!!



 女性の膝の上に、しかも右元帥閣下の膝の上に、いつの間にか乗っていたよ不可思議過ぎる。


 死んだ顔で騎士団長がこちらをちらちら見ているが、左元帥閣下の勢いにはやはり勝てないようだ。

 ここは、猛攻撃を受けている騎士団長を放置して、右元帥閣下に直接聞くしかない。



「あの・・・右元帥閣下は、その「ヴィディカだ」・・・え?」



 先程の悲しそうな顔から一変して、右元帥閣下はとても良い笑顔でこちらを見る。



「ヴィディカでいいぞ?」



 ついでに更に頭を撫でられる。


 いやいやいやいや、右元帥閣下を名前呼びとか、ややこしいじた・・・不敬になるじゃないかー。

 ソンナコト、デキマセンヨー。



「あ、私はイザベラさんって呼んでね?」



 おおうっとぉぉぉ!?騎士団長をかまってた筈の左元帥閣下まで参入してきたぞ???


 キラキラとした期待の目で見てくる左元帥閣下に右元帥閣下。



 ・・・・・まあ、いいか。

 これから謎の旅を迎える私は、正直色々と面倒になってきていたので、全てを受け入れることにしました。


 うん!長いものにはまかれちゃおうね!!



「えぇと。右元帥・・ヴィディカ様と。左元・・イザベラさま「さんよ!」・・イザベラさんですね」



 やっぱりこうでなくちゃ、とイザベラさん(もうヤケ)は意地悪そうに騎士団長を見る。

 ヴィディカ様は、呼び捨てでもいいのに・・と子犬のような目で見てきた。


 ・・・気づかなかったことにする。



「それでですね、ヴィディカ様とイザベラ、さんは、一体どうされたのですか?」



 そう問いかけると、二人してキョトンとした顔で目を合わせる。



「ライちゃんの婚約者を見に」

「ライオネルの伴侶に良いものをあげようと思って」



 ・・・・・・・・・・・・・・え?



「うぇぇぇえええええぇぇえええええぇぇえ!!!???」



 いつの間に私は騎士団長の婚約者になったのさぁぁぁ!!

 しかもヴィディカ様に至っては、もう結婚してるよそれ。してないから結婚。



 驚愕の声を上げた私を、御二方はまさにキョトンと言った風情で、揃って小首を傾げる。



 首を傾げたいのは、こっちじゃぁぁぁぁぁ!!どうなってるんじゃ!騎士団長めぇぇぇ!!!




 ※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

※作者の叫び

今まで駆け足で来てしまったので、これからはのんびりと話を進めていきたいと思います。

目指せ完結!!頑張れ私!!・・・ということで、生暖かく見守って頂けますと嬉しい限りです。

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