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3話

 ※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※




 ご心配をお掛けしました、体調は・・・、完全復活したルルリーアです。


 あの駄ドラゴン放置事件の後、サラの『調べてみるわ』という一言で、二人(と一人)の防衛線は解かれ、一旦保留になりました。

 ・・・ええええええ!なんでぇぇぇ!!『ドラゴンの島に帰す』一択でしょぉぉぉ!!


 ああ、もうほんと、今、目の前に居る存在をどうしたらいいのか、悩み中です。

 何が楽しいのか、尻尾を揺らしながらコチラを見てくる駄ドラゴン。



 え?何が問題なのかって?・・・・この駄ドラゴン、何故か私が視界から消えると、暴れるのだ。


 一体、なんなの?私は、お前の、母ドラゴンかっ!!!

 こんなでっかいの、産んだ覚えはないぞ!って私未婚の乙女だからぁぁぁ!!!


 ・・・ということで、急遽外で寝ることになったワタクシ、貴族のご令嬢。

 今が夏でよかった・・・ってなんにも良くないぃぃぃ!!でも意外と涼しくて寝やすいぃぃぃ!!



 まったく・・・私の心安らげる場所は、一体どこにあるのだろうか。

 いや!違う!!そういう場所は、自らが作り上げるものだ!!!


 そう、この駄ドラゴンを追い返して、我が家に再び平穏を!!!


 決意を表明するべく、私は駄ドラゴンへビシリと指を指す。



「キュウ?」



 キュウ?じゃないわ、この駄ドラゴンめ。

 そんな可愛い感じで小首を傾げながら鳴いても・・・む、無駄なんだからねッ!!



 ヒュン



「あたっ」



 ちょ、痛いなぁ!もう!いきなりなんなのさ!

 地面を見ると、なにやら丸まった紙が落ちている。なにこれ??


 おそらく私の頭に当たったであろうそれは、どうやら手紙らしい。


 でもなんで筒状なんだ??と思いつつ、広げてみる。

 なぜか、飴がころりと出てきた。・・・こ、これは!!??


 飴が手紙で包まれているが、その手紙がベタつかないように、飴を包紙で包んでいるこの気遣い。

 そして、皺にならないよう、手紙が丁寧に筒状になっているこの仕事。



 犯人は、兄様、だなぁぁぁぁ!!



 庭から、隠れられそうな家の柱とか木の影とかを見回すが・・・いない!!??


 ふむ、と顎に手を当てて考える。


 いくら飴を包んでいるとは言え、所詮は飴。

 飴単体ならともかく、手紙付き、となれば軽くてそれほど遠くから投げられるはずがない。


 ・・・しかし、当たった痛さから考えて、相当勢いがついた模様。


 何か道具を使ったのか??

 それとも単に恨みが篭っているだけか??


 ・・・うむ、謎が深まっていく。


 何処から、投げたんだ?そして、何処に居るんだ・・・兄様・・・。



「おーい、リーア!」



 真剣に考えていたのに、頭上から普段通りの兄様の声が聞こえる。

 見上げると、2階のバルコニーから顔を覗かせている、兄様。


 そうか!2階から落したのか!!だから勢いが・・・ってぇぇぇ!!!

 ちょ、ちょっと、兄様ぁぁぁ!!2階から物投げちゃ、だめでしょぉぉぉぉ!!??



「兄様!いくらなんでも、ひどすぎじゃありませんか!?2階から落とすとか、妹の頭を何だと思ってるんですかぁぁぁ!!」



 そう拳を上げて非難すると、おいおい当然だろう?と言わんばかりの目で見られた。

 まったく当然ではないからな!!!



「俺がドラゴンに近寄るわけがないだろう。お前と違って、俺は弱いんだ」

「わたしだって弱いですぅぅぅ!!ドラゴンに一撃で倒されますぅぅぅ!!」



 そんな酷い風評に、断固たる抗議を叫ぶ。


 まったく!!

 一体兄様は、私を何だと思っているのかなぁぁぁ!!???



「いいから、ソレを読め」



 そういうなり、頭を引っ込める兄様。

 どれだけドラゴンと関わりたくないんだよ、羨ましいなぁ!兄様めぇ!


 だが、仕方がない。なんだか王家の紋章とか見えてるから、読まなくちゃいけなさそうだし。

 ええと、なになに?



『早く王宮に来なさい。 仲間に入れてもらえなかった王より』



 なにこの恨みがましい感じの署名・・・。

 本文より長いんですけどって。


 やっぱりそうですよねぇぇぇ!!

 天眼竜様来ちゃった上に、駄ドラゴンが今まさにココに居ますものねぇぇぇ!!



 ・・・コレって、行かない・・・っていう選択肢は、ないんですよね。そうですよね。



 全ての元凶である、駄ドラゴンを恨みがましく見る。

 っておいこら!駄ドラ!!脳天気に、蝶々を、追いかけてるんじゃない!!



 あっそこは花壇だからぁぁぁ!!入るな!!壊さないでぇぇぇ!!!





 ※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※




 ああ、空を駆けるって、スバラシイネ!!


 王宮までの道を、固定魔法陣で疾走中な私。一体、なんでなんだろうね?

 え?馬車がないのかって???


 いやいや、いくら我が家がそう裕福ではないからって、そこは貴族、馬車くらいありますよ?



 駄ドラに、屋根、壊されましたけどねぇぇぇぇ!!!



 王様に呼び出されて、仕方なく王宮へ向かうべく、馬車に乗った私。

 うん、普通の行動だな!!


 しかし、その途端に、駄ドラの馬鹿が、馬車の屋根を足の鉤爪で、こじ開けました。



 そうだったぁぁ!!こいつ、私が見えなくなると、駄目なんだったァァ!!

 うっかりしてた・・・ああ、ウチの馬車が・・・我が家の別宅に一台しかない馬車が・・・無残。


 それにしても、屋根あり箱馬車がいきなり屋根なし軽馬車になったときの、中に居る人の気持ち、わかります??

 私は、解りたくありませんでしたよぉぉぉ!!??



「キュルゥ?」



 屋根が無くなり開放感溢れる馬車の前で呆然とする私を、不思議そうに見る駄ドラ。

 ・・・・天眼竜様、もう少し、この駄ドラに、こう、何かを教えておいてくれませんかね・・・。



 この際、屋根なしで行こうかなと思ったけど、馭者はとっくに逃げているし。

 でも、王宮に行かなくちゃいけないし。

 そして、駄ドラに見えるように移動しないといけない・・・。



 そして、固定魔法陣での移動、という現在に至る。


 だって、それしか考えつかなかったんだものぉぉぉ!!



「かあちゃーん。あれなにー?」

「何か訳があるのよ・・指差しちゃいけません」



 あぁ、純粋な好奇心一杯の子供の声と、気遣うようなおば様の優しい声が、私の心を抉る。


 え?なんで駄ドラは注目されていないって??

 それは私の血と汗と涙の努力で、アイツに『適切な距離』というものを、教えたからだよぉぉぉ!!


 大きな鳥だな、くらいの距離で、飛んでいる駄ドラ。

 距離はあまり関係ないらしい。要は見えればいいらしい。



 一体、何がお前をそこまでにしたんだ。駄ドラよ・・・。



 そして、駄ドラが見えないこの状況、私だけ変な注目浴びちゃっている。

 王都内を固定魔法陣で移動するなんて、騎士様か魔術師様か、だ。

 ・・・・・間違っても、『貴族の令嬢』がすることではない。


 ひそひそとした声と、怪訝そうな視線に耐える私エラい。



 は、はやく、王宮に逃げ込まなくちゃぁぁぁ!!!





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