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憧れの異世界で:(旧名 異世界来ちゃった)  作者: ソ土ルク、
第2章 エジマリフ魔導学園編
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74.2人の戦いを見て

リナ視点です。

シュウとリョウのかろうじて見ることのできる戦いを見ながら、私は自分との強さの違いを改めて感じる。

遠くにいるからこそ、何とか追える速さで槍と剣をぶつけ合う2人。

おそらく、自分達が当事者なら決して見ることのできない、そんな次元の強さで体育館を縦横無尽に動き、互いに攻撃を仕掛けていく。


多分、この戦いをきちんと見れる人物はこの中でほとんどいないと思う。

それほどの強さを持つ2人が戦っているから。

今もリョウ達の動きに着いていけず、見当違いの方向を向いてる人達もいる。

当の2人は私達の事など気にしていないかのように戦っているが、きちんとこちらに被害が来ないような立ち回りをお互いにしている。

そして、攻撃に巻き込みそうな時は互いに戦闘を中断し、再び被害の出ない場所で戦うのを繰り返す。

こんな凄まじい戦いを繰り広げながらも、私達を気遣える余裕に少しばかりの嫉妬を感じながらも、せっかくのチャンスを物にするために、戦いに集中していく。


私達が集まってからも既に結構な時間戦い続けている2人。

ようやく、目が慣れてきたかと思えば、更なるスピードアップをし、再び目で追うのが難しくなる。

それを幾度か繰り返し、ようやく2人の戦闘スピードに慣れてきた所で、2人のやり取りの凄まじさをようやく正確に理解できた。

短い間にいくつもの駆け引きを行いながら、互いに攻撃を誘い込んだり、その誘いを予想し、それを上回る動きを試みたりと、私達がやる駆け引きよりも遥かに高度なやり取りをしながら、止めの一撃を探り合う2人。


けれど、2人の戦いは時間をおうごとにリョウの有利になっていく。

それはリョウの成長速度がシュウの経験を上回っているから。

そして、最もリョウが得意な剣じゃないにも関わらず、シュウを徐々に圧倒していく。

以前はシュウとの差はほとんどなかった、と言うよりもシュウの実力が高すぎて、追いすがるのがやっとの状態だった。

それが今はリョウがシュウを圧倒するまでになっている。

まだあれからあまり日が経ってないのに。


私も他人の試合を見ることの大切さはリョウを見てわかっているつもりだったけど、まだまだ認識が甘かったみたい。

リョウはきっとトーナメントの時の一試合一試合で、自分がどう戦い、それによってどんな戦いの内容にやるのか、そしてどんな対策をたて、相手がどう対応してくるのか等を細かく、本当に細かく見て、考えているんだと思う。

私達にアドバイスをくれる時のように。

それが、リョウの成長速度に繋がっているんだと私は思う。


成長速度だけなら、シノグだって相当だし、トーナメントの時は良い勝負をしていたことからもそれはわかる。

けれど、そんなシノグをリョウは相手の良い所を全て出させた上で圧倒した。

これがリョウとシノグの違いであり、リョウの強さの秘訣なんだと思う。


そんな事を考えていると、いよいよリョウとシュウの戦いも終わりに近づいてきたみたいだった。

リョウに押され、不利を悟ったシュウが距離を開けながらリョウの攻撃を受け流し、回避し、技のイメージを固めていく。

リョウもそれに合わせ、攻撃の手を緩めず、技の構築を始める。

けれど、良く見ると、今までの私達が使っていた技と雰囲気が違う。

上手くは言えないけど、武器とリョウが直接会話しているような、、、


〈黒白極剣!〉


(おれ)の武器たちよ、その力を(おれ)に、マスターオブウエポン!」


シュウのモンスターとしての力、人間の時から極め続けている彼自身の力、その全てを合わせソーディアンに集め、凝縮し、膨大なエネルギーを持つ剣へと変える。

一方、リョウはリョウが持っている全ての武器を呼び出し、それを自分の周囲に展開させる。

しかも、その武器は全てリョウとの繋がりがあり、リョウの思い通りに動き、元の力が強化されているみたいだ。

リョウの作り出した最高傑作達、それがリョウ自身の手で更にその力を増し、強くなっていく。


そして、シュウの技と、リョウの武器達がぶつかり合うと、凄まじい衝撃が辺りに拡がる。

これを見越していたのかはわからないけど、私達からかなり離れているはずなのに、気を抜いたら、いや、ある程度の実力が無いものは意識ごと持っていかれるくらいの激しい衝撃波がこちらまで届く。

こっちで立ってられたのは、私達、リョウの女の子達、シノグ、カリバーンだけだった。

他の人達は既に意識を飛ばしていた。

これだけの戦いの最後を見られない彼らを哀れに思いながら、残った私達は戦いの結末をしっかりと目に焼き付ける。


衝撃に耐えきった私達の目に映ったのは、未だに拮抗している両者の技と武器。

けれど、拮抗はシュウに取ってはまけも同然だった。

リョウは拮抗して間もなく、リョウの武器達と何かしらのやり取りをしているように見えた。

そしてそれが終わると、リョウの武器達の存在感というか、格が外から見てもわかるほど強くなっていった。

そして、シュウの技を打ち破り、各方向から止めの一撃を突きつける。

こうして、リョウとシュウのある意味この学園の頂上決戦と成りうる戦いが終わった。


同時に私は、いや私達は、今回の戦いを頭に刻み付け、自分達の目指すべき場所、そして守るべき相手を改めて強く強く意識した。

次回更新は7/10です。


引き続き、評価、レビュー、感想、ブックマークをお待ちしております。

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