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憧れの異世界で:(旧名 異世界来ちゃった)  作者: ソ土ルク、
第2章 エジマリフ魔導学園編
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73.リョウvsシュウの模擬戦

リョウ視点です。

俺とシュウの間にはコイントスは必要ない。

互いに呼吸を合わせて、目を合わせる。

そして、いくつかのフェイント、姿勢の変化、目線等を駆使して、飛び込む最適のタイミングを探りながら、身体強化を施す。

魔法を使ってもいいが、シュウに無闇やたらと魔法を使っても利用されるだけだ。

だから、純粋な武器同士の戦いを挑む。

俺の方が槍を使っている分有利に思えるが、技量の差でその有利は、むしろ不利にもなる。


それが理解できるからこそ、突っ込むに突っ込めず、かといって引けず、中途半端な立ち回りになってしまっている。

それでも、シュウに攻め込まれないのは、俺の槍さばきが少なからず上達しているからだろう。

それに、シュウの攻撃を捌きながら、段々と感覚が研ぎ澄まされ、相手の一挙手一投足が見えてくる。

それを察してか、シュウは1度下がり、態勢を立て直そうとする。

動きの見えてる俺は、予測も容易にできるため、この機会を逃さず飛び込んでいくが、シュウはそれも折り込み済みだったらしく、槍の突きの一撃も利用して後方に下がった。


〈ブレイドインパクト!〉


そして後方に下がりながら、いつの間にか作った技を放ってくる。

横凪ぎの剣による衝撃波が飛んでくるのだが、即興で作ったにしては威力がかなり乗っているため、普通の攻撃では簡単には捌けそうにない。

俺は短い間にイメージを固めてシュウの技に対抗する。


「スピアシールド!」


トライゴルクを高速で回転させ、衝撃波を無効化させると、後方に気配を感じる。

俺は慌てて槍で防御する。

すると、俺のトライゴルクとシュウのソーディアンがぶつかる。

身体強化のおかげで身体能力は互角なようだが、態勢が悪かったため、俺の方が徐々に押されていく。

だが、そこは俺のシノグと同等の成長速度のおかげで、すぐさまシュウの攻撃に対処し、立て直す。

剣で戦っているときの経験は無駄になっていないようで、今までよりも遥かにシュウの攻撃に対する対応速度は上がっている。


それを悔しそうに、だが嬉しそうな不思議な表情を浮かべながら見るシュウ。


〈俺と戦ってからの短い間に随分と楽しい経験を積んだようだな、成長速度が今までの比ではない、察するにシノグとの戦いの影響か?〉


トライゴルクとソーディアンで打ち合いながら、会話してくるシュウ。

今までの俺ならまともに会話できる余裕はなかっただろうが、今の俺は前回シュウと戦った時よりも遥かに成長しているため、その会話に答える位の余裕があった。


「良くわかったな、さすがシュウだな、だけど、あんま実感はないんだよな、実際シノグの成長速度は相当だったし。」


〈確かに、シノグも超一流になるだろう逸材だ、だが、リョウ、お前はその超一流の中でも突き抜けている、比べるのは流石に相手がかわいそうだ、まあ、俺は負ける気はないがな。〉


「シュウにそこまで言ってもらえるのは嬉しい限りだな、それは俺も同じだよ!」


会話は終わりと、より一層激しい武器の応酬を繰り返す俺とシュウ。

ふと、意識を周りに向けると、いつの間にかハーレムメンバーを始め、クラスメイト達や、ドーラやイルデなど、トーナメント参加者も続々と集まって俺とシュウの戦いを見ていた。

この中で、俺とシュウの戦いをちゃんと見れている人材は何人いるのかわからないが、それでも確実に見るだけでもプラスになるだろう。


そんな周りの視線に気付きながらもそんな事関係ないと言うかのように、攻撃の勢いを増すシュウ、それに対応するように俺もより激しい攻撃を繰り返していく。

俺のトライゴルクでの突きを避けてカウンターを入れるシュウ。

そのカウンターを見越してトライゴルクで受け流し、今度は俺がカウンターを繰り出す。

それを何事もないかのように回避するシュウ。

そんかやり取りを、超高速で行う。

そして、その速度は更に速くなっていく。

まるで、互いの実力で引っ張り合い、より高め合うかのように。




次回更新は7/9です。


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