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憧れの異世界で:(旧名 異世界来ちゃった)  作者: ソ土ルク、
第2章 エジマリフ魔導学園編
90/141

71.訓練の後で

ルイ視点です。

私はこの前のトーナメントで他の周りの女の子達の誰よりも早く負けてしまった。

1回戦の相手はリナだったっていうのはもちろんあるんだけど、それでもいつの間にか大きな差がついていた。

リナは結局、リョウに負けちゃったけど、あのリョウと戦いが出来るくらいに成長していた。

まだ、全員ではないけど、みんな少しずつ自分の戦い方を確立していって、メキメキと強くなっていた。


そんな中で、私は自分の戦闘スタイルが中々定まらなくて、それはトーナメントの試合を全部見ていても同じだった。

でも、それでも悩んだり絶望したりする必要はなかった。

だって、私達が絶対的な信頼を寄せているリョウが、もう私達が近い内に戦闘スタイルを確立するって信じてくれていたから。

それだけで、私は、いや、あの時図書館で一緒に戦闘スタイルを見つけようとしていた私達は絶望など微塵も感じなかった。


リョウの言葉は、会った時から不思議と説得力があって、私達に合った助言をくれる。

まるで、私達の全てを把握しているかのように。

でも、だからと言ってリョウに嫌な感情は抱かない。

だって、リョウが私達をどれだけ大切にしてくれているか伝わってくるから。

そして、まだ試行錯誤している所だけれど、私のスタイルと呼べる物を見つけることができた。

私はまず最初にリョウに見せたくて、一人で感覚を掴んで、リョウとの訓練に臨んだ。


私にはイマイチ実感はなかったけれど、リョウの一瞬の驚きようと、その後少しの間の優位な状態を維持できた事を見ても、私の戦闘スタイルは十分通じるものみたいだ。

ただ、リョウにいつまでも優位に立てるはずもなくて、すぐに私の劣勢になってしまった。

だけど、そこでリョウは私の動きをより良くするために、弱点を突いてきたり、攻めるタイミングを教えてくれたりと、短い訓練の間に、私が一人でやるものの、数十倍、下手したら数百倍の成果を上げることができた。

しかも、中距離、遠距離の相手を想定した動きも教えてくれた。

そのおかげもあってリョウからお墨付きを貰えたから、今日まで頑張ってきた訓練の成果に素直に喜んだ。


そのあとも数回リョウとの訓練を行って、私の戦闘スタイルをより洗練させていって、自分でも強くなる感覚がわかるほど、始めた時とはまるで違うほどしっくりくるようになった。

そして、大分夜も遅くなったので、私とリョウは部屋へと戻ることにした。

けど、今日は私がこの戦闘スタイルを身に付ける為にリョウとの時間を減らしちゃったから、今のこの時間に精一杯甘える。

私達の部屋まではそれほど距離はないけど、夜の学園をゆっくり歩きながら、プチデートをする。


訓練が上手くいった嬉しさと、リョウとの幸せな時間に、心が満たされていく感覚が広がる。

このままずっと続いて欲しいが、残念ながらそうも言っていられない。

明日はスートが私と同じようにこの幸せな時間を心待ちにしているだろうから。


幸せな時間を終わらせ、私とリョウは部屋へと戻る。

ここから、リョウとの添い寝を掛けたくじ引きがある。

私は今日自由日なので、無条件でリョウと寝られる。

私達を優しい目で見るリョウにドキッとしながら、リョウの隣に寝転がり、リョウの腕に抱きつく。

そんな私の頭をゆっくりと撫でてくれるリョウ、その手には、今日はお疲れ様、ゆっくり休みなという無言の優しいメッセージが込められている気がした。

私は今日の訓練の疲れと、幸せな気持ちを胸に、眠りについた。


次回更新は、7/7です。


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