表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
憧れの異世界で:(旧名 異世界来ちゃった)  作者: ソ土ルク、
第2章 エジマリフ魔導学園編
89/141

70.ルイの新しいスタイル

リョウ視点です。

体育館に着き、それぞれ武器を構えて向かい合う俺とルイ。

ルイは俺の作った手甲を、俺はカリバーンを用意して、準備を整える。

ルイに合わせて武器も変えていこうと考えてはいるが、まずは最もポピュラーな剣相手の戦いを見る。

手甲を着けているのに剣と戦えないのではお話にもならないからな。


ルイの様子を観察すると、今までと構えが違う。

何かの型と思われる構えだったのが、今は自然体というか、リラックスしてどんな体勢からも攻撃できるし、対処もできそうだ。

それだけの変化でも、実際の戦闘なら大きく差が生まれるだろう。

開始はコイントスにする。

周りに誰もいないから仕方ない。

終了はいつも通りだから、気にしないけどな、どっちにしろ俺は負けるつもりはさらさら無いし。


コイントスでコインを高く上げ、その短い間に意識を戦闘に集中させる。

相手の一挙手一投足を見逃さないように、そしてルイの新しいスタイルがどんなものかを見極めるように。

そして、コインが地面に落ちた瞬間、ルイの姿が消え、俺の真横に気配を感じる。

慌ててカリバーンで防ぐと、そこからかろうじて視認出来るほどの速度で拳を叩き込んでくる。

俺は何とか攻撃をいなしながら内心では驚きを隠せない。

今までどれ程速くても相手が見えないという事はなかった、だが、今回は油断していなかったにも関わらず、目の前から消えるように近寄られた。

スートの使うスニークデスと似てはいるが、あれと大きく違うのは、技として使っているスニークデスと違い、ルイのこれは身体強化を突き詰めたようなものみたいだ。

現に今の繰り出される拳は、一部に生命力と魔力を集中させて攻撃力を上げつつ、繰り出される拳をあらゆる方向からエネルギーを放出させて加速させている。

ただ、こんな激しい動きをしていたら身体が先に限界を迎えそうな気もするのだが、よくよく見ると、身体強化の質が上がり、なおかつ回復の魔法を具現化させているみたいだ。

俺のマテリアルマジックのような物だが、イメージをおそらく気体のようなものにしているため、物質化しようとしても、ただの気体として現れる。

それを身体に溶け込ませ、回復速度を上げる事でこの無茶な動きを何とかしているみたいだ。


俺はそんなルイの攻撃にようやく対応できるようになり、より細かくルイの動きを観察する。

まだ覚えたてのようで、よく見ると攻撃の合間の移動や、拳の軌道がいつものキレを失っている場面がある。

そのおかげで対処も意外と早くできた。

ルイの動きに慣れてくると、速さと攻撃力は確かに高いが、攻撃に対応された時の動きがまだ甘い。

だが、それは戦いながら学んでいけばいいだろう。

少なくても、俺にはこの動きの模倣はできても、この完成度にはならなそうだ。


完全にルイの動きを把握した俺は、俺が考えるルイの弱点となりそうな所を重点的に突きながら、それへの対処法を身に付けさせる事にした。

そして、俺のサポートもあり、段々と弱点となる所を直していくルイ、そしてそこから自己流を混ぜ、俺も回避が難しいような攻撃を時々加えるようになってくる。

俺は1度、剣を手甲に当てて衝撃を発生させて、距離をあける。


「遮るものを突き破る我が矛!、トライゴルク!」


そして、カリバーンからトライゴルクへと得物を変える。

近距離での戦闘脳陸は大体わかった、あとは中距離、遠距離装備の相手にどこまで戦えるのかを見る。

トライゴルクをオーラ状態にして、ルイに突きを放つ。

かなりの速度が出ているはずだが、ルイは冷静に俺の槍を手甲で弾きながら俺の懐に飛び込んでくる。

槍の対処として最善の一手、そこに俺はルイの模倣の身体強化をした蹴りをルイに放つ。

槍を受け流して態勢をずらしているため、反応が遅れ、手甲でガードすることで直撃を避けるルイ。

直撃しなかっただけでも上出来だろう。

ついでに俺は手甲でガードしながらも吹き飛ばされたルイにトライゴルクを投げる。

まだ吹き飛ばされている状態で空中にいるため、回避はできない。

どう対処するのか見ていると、先程の高速の拳の応用で強くイメージを作ってから技としてトライゴルクに拳を振る。


《マッハパンチ!》


拳の速度を攻撃を放つ瞬間に拳の後方からエネルギーを放出させ、拳を加速して威力を上げる。

それを利用して吹き飛ばされた態勢も立て直し、俺のトライゴルクを正面から打ち破る。

これで、ルイの中距離も問題ないことがわかった。


「戻れ、トライゴルク、一筋の希望の光を生み出せ!、ルサフル!」


最後に弓のルサフルと、常に装備している杖レイワロンの遠距離攻撃への対処だ。


「アンリミテットマジック、レインボー!、マテリアルマジック、レインボーアロー!」


俺は7色の魔法と矢を無数に展開し、ルイに向けて放つ。

回避では避けられないように到達時間と位置をずらしながら、放った俺の魔法と矢をルイは、先程のように高速の拳を応用し、イメージを固めて片っ端から消し去っていく。


《マジックキラー!》


俺の魔法と矢を次々と超高速の拳で打ち消し、慣れてくると、俺の魔法や矢の方向を変え、魔法同士にぶつけたり、俺への反撃に使ったりと幅広い対処をしてきた。

これで、全距離の対処レベルが見えた。

今でもこのレベルなのだから、鍛えていけば十分戦えるほどの実力を得られるだろう。


俺はそんなルイの成長を喜びながら、魔法と矢を打ち緒としたルイの背後に回り込み、首筋にカリバーンを当てる。


「今日覚えたとは思えないほどの完成度だった、まあ、まだまだ改善する所は多いが、この戦い方を磨いていけば唯一無二の武器になると思う、お疲れ様。」


こうして、ルイの戦闘スタイルが完成した。





遅くなってごめんなさい。


次回更新は7/6です。


引き続き、評価、レビュー、感想、ブックマークをお待ちしております。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ