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憧れの異世界で:(旧名 異世界来ちゃった)  作者: ソ土ルク、
第2章 エジマリフ魔導学園編
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69.オールコントロール

リョウ視点です。

オーノスに戻ってすぐ一波乱あったが、まあなんとか学園まで戻ってこれた。

思ったよりも時間かかったし、精神的に疲れたから出来ればこのまま寝てしまいたいのだが、リナ達も待ってくれてるし、ルイとの約束もあるからそういう訳にもいかない。

まあ、ハーレムメンバー達との時間は楽しいし、幸せだから問題ないんだけどな、


学園に着いたところで、俺はまずシノグと別れる。

流石に俺達のグループの中に入り込む勇者ではなかったらしく、俺が何かをいう前に断りをいれてきた。


「リョウ、今日は疲れたな、俺は帰ってすぐに休むことにする、まあ、シュウと戦った時の感覚とかが甦ってきて、そう簡単には寝付けなそうだけどな、そんなわけでまた今度な、シュウ、また戦いにつきあってくれよ?」


〈もちろんだ、俺は誰からの対戦からも逃げないからな、俺も今日は楽しかった、またやろう。〉


「シノグお疲れ、また何かあったら誘うな。」


こうして俺とシュウはシノグと別れ、まずは俺の部屋へと向かう。

シュウの部屋を教えようにも、手続きをしてくれたのはリナだから、まずはリナに説明をしてもらわないといけない。

そんな事を考えながら学内を俺達の部屋へと歩く。

人避けの魔力を使うと、シュウが反応する。


「リョウは魔力で面白い事をするな、なるほど、これなら鈍感な者か強者しか近寄れないな。」


そんな魔力の中でも堂々としているのは、シュウが鈍感だからではなく、シュウが強者だからだ。

まあ、こんな雑魚払いみたいなものでどうにかなるとは考えてもいなかったけどな。

だが、今日はつくづく運が悪いようで、その鈍感な者も絡んでくる。


「おい、そこの2人、お前らの顔は何となくムカつくから斬らせろ、ああ安心しろ、命は取らない、両手両足はもらうけどな。」


そういっていかにも小物感満載のセリフと、どうでもいい理由で難癖を付けられて面倒だ。

しかも、こいつ両手両足を斬りたいだけとか訳のわからない思考回路を持っている。

そんな相手とまともに話す必要もないので、俺はまず自分の気配を完全に消し去る意識を持ち、行動する。

シュウはそれを見て、俺の真似をして余程鋭敏な感覚を持っていない限り反応できないくらいの存在感となる。

そんな俺たちをこんな雑魚が見つけられるはずがなかった。


「なに、あいつらどこへいった!、チクショウが!」


そう言いながら、剣を形振り構わず出鱈目に振り始める。

剣速も遅いし、力も無さそうで、武器に魔力や生命力を混ぜてる気配はない。

だが、無駄に振るってくる剣は型や癖もないので読み辛い。

まあ、全然反応できるのだが、現実を教えてやることにした。

俺は出鱈目に振られる剣を余裕で避けながら彼のすぐ隣へとたどり着く。


「次襲ってくるなら容赦しないから覚悟しておけ。」


そういって、殺意を言葉と魔力に乗せ、相手へと届ける。

さすがに自分との実力の違いを悟ったようで、これで一安心と考えていると、


「こんなやつに殺されるなら本望だ!、さあ俺と戦え!」


再び剣を振り回す謎の馬鹿男、鈍感もここまで来ると俺達にとっては厄介な相手である事に間違いない。

手を抜くのも出来るが、それをするとまた襲われる事になるし、力を出しすぎれば死んでしまう。

とてつもなく面倒な事に巻き込まれて泣きそうになりながら、目の前の馬鹿の扱いを考える。

というか、こんなヤバい奴が普通に学園にいるとか訳がわからないな。

俺は学園の警備体制に不安を感じながら、この馬鹿を無力化させる方法を考える。

こんな奴を野放しにしておくと、後々リナ達にまで被害が及ぶかもしれないので、俺はせっかくなので、こいつを実験台にすることにした。


黒い異物を取り出した時のように、馬鹿へ魔力を流し込み、この馬鹿の魔力を完全掌握する。

こんなのは、隔絶するほどの実力差がなければ出来るはずもないのだが、この程度の相手になら簡単にできる。

そうして、掌握した魔力を脳へ集め、支配する。

これで、こいつの生死も何もかもを俺が握ったことになる。

そして、こいつの中の謎の歪んだ考え方を消し去り、支配をとく。

すると、先程とはうってかわり、全力でこの場から逃げていく。


どうやら上手くいったみたいだ。

シュウの方を見ると、とても、それはそれは楽しそうに俺の一連の行動を眺めていた。


〈魔力で相手のすべてを完全掌握するものか、全く、随分と物騒なものを考えるものだな、リョウと並べる程の実力者などほとんどいないだろうし、もっと言えば足元を見ることが出来る者ですら少ないのを考えれば、これに対処できる人材は少ないだろうな。〉


そういって俺のオールコントロールを評価するシュウ。

いや、そんな大袈裟なと思いながら、話を聞き流し、余計な時間と手間、そして相手の全てを掌握するという面倒な作業のため、身体に若干の疲れを感じる。

何で今日のマッドシルダー山脈の戦闘よりも、オーノスに帰ってきてから起きた2つの出来事の方が圧倒的に疲れるのか、理不尽さを感じながら再び部屋へと戻る。

ようやく、部屋に着くと、思い思いに休んでいた面々が一斉に俺を見て笑顔になる。


そんな雰囲気に嬉しくなりながら、まずは帰って来たのを知らせる一言、


「みんな、ただいま、遅くなって悪いな、早速リナはシュウに個室の案内と資料とかを渡しといてくれ。」


《わかった、シュウ、案内するから着いてきて。》


〈ああ、気遣い感謝する、頼む。〉


そうしてシュウの案内にリナが行くと、俺はお腹が空いたことに気が付いた。

それをめざとく察したのは、マドルのようでテーブルの上に、部屋に置いてある俺達共用のゲート付きのアイテムから、料理を取り出して並べていく。

それは俺たち全員分あった。


「もしかして、ご飯まで待っててくれたのか!?、それは本当に悪かった、すまない、それとありがとう、嬉しいよ。」


俺の言葉でホントに嬉しそうにする面々。

そうして幸せな気分になりながら、テーブルのいつもの席へと座る。

そして、もういつものくじ引きは終わっているようで、それぞれが席についていく。

俺の隣の空席の1つはリナの物のようだ。

そして、もう片方はルイだ。

これから、ルイとの訓練もあるから、都合が良い。


「ルイ、ご飯食べ終えたら早速訓練するか。」


《うん、早くリョウに見せたいよー!》


そうして、ルイとの訓練を楽しみにしていると、リナが戻ってきて、食事を始める。

いつも通り、豪華な食事、ついでに今日取ってきたばかりの食材も使っていて、舌が喜ぶ。

最も、ゲートがあれば食材の新鮮さや出来立て感などが失われる事はないのだけれど。

そうして、みんなと食事をしながらそれぞれの今日の出来事を話し盛り上がる。

やがて、ご飯を食べ終え、片付けを終えたところで、俺はルイの訓練の為に、2人で体育館へと向かう。

向かう先は別校舎の方だ、理由は言うまでもない。


そしてルイの今までの成果を確認するために、模擬戦をすることにした。

俺が相手の方が対抗策の立てかたや、種類の多くを学べ、戦い方の利点、欠点も見つけられるだろう。


こうして俺とルイの入学の日以来の模擬戦が始まる。


次回更新は7/5です。


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