表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
憧れの異世界で:(旧名 異世界来ちゃった)  作者: ソ土ルク、
第2章 エジマリフ魔導学園編
84/141

65.体育館組

リョウ視点です。

次に向かうのはリナ達がいる別校舎の体育館だ。

こっちも本校舎にいてくれれば楽だったんだが、リナ達はただでさえ美人で目立っているし本校舎にいると、金クラスを馬鹿にしている頭の悪い奴らに絡まれて面倒だろうからそんな他クラスのアホどもにうんざりしながら、別校舎へと歩いていく。

別校舎でも唯一体育館は本校舎に劣っていないし、むしろ広さだけでいえば上回っている。

それでも、金クラスのある場所ということで他クラスの生徒は近づかないため俺達にしてみれば絶好の訓練場所となっている。


とりあえず、人避けの魔力を周りに放ちながらピット君でそれでも近付いてくる命知らず、、、いや鈍感な方々を発見し、鉢合わせる前に俺の気配を消しながら横を通り過ぎる。

それでも違和感を感じるやつもいるのだが、そういう奴の顔は覚えておく。

実際俺の存在に全く気づかないような奴らが多い中でそういった反応を見せる存在はおそらくそれなりの実力者なのだろうから。

それでも、あの金クラスのトーナメントを見た後ではお話にもならないレベルの相手しかいないのだが。


そんな事をしながら別校舎の体育館へ着いて足を踏み入れると、そこでは個人個人で動きの復習と新たな動きを試行錯誤している。

模擬戦の類いをしていないのは、つい昨日も似たような事をしていたからだろう。

より自分の動きを洗練させる事に重きを置いているようで、全員が俺の姿にも気づかないほど集中していた。

何かアドバイスをしようかとも思ったが、彼女達は既にそれぞれのスタイルを見つけているし、それを独自の解釈で理解し、試行錯誤している。

だから俺のアドバイスはむしろ邪魔になる可能性が高いため、俺は訓練の様子を見ていることにした。


リナ達が独自の解釈で自分流にしていくなかで、それは俺も出来ることだ。

だが、彼女達の動きはどんなに真似しようと思っても俺には出来ないものばかりだった。

というか、俺の動きに取り入れるには無駄になりそうな動きも多く、強引に真似をすると俺の動きの良さが丸々無くなるような感じだった。

それでも彼女達は動きを最適化させていき、徐々に洗練させていく。


そこでようやくリナが俺に気づいたようで、笑顔を向けながら俺のカリバーンの刺さっている所を指差し、俺に魔力矢を放ってきた。

突然攻撃してくるなよ!?

内心で突っ込みながら、カリバーンをすぐさま構え、念のためオーラ状態にして叩ききる。

ちゃんと手加減はしてくれていたみたいだが、それでも叩ききった感触的にはかなり威力が込められていた。

むしろこんなにあっさり対応できた俺の反応と判断を褒めてほしい。


「どうしたんだよリナ、急にやられたからビックリしただろ。」


《昨日のお返しだよ!、まあ嬉しかったけどやっぱり恥ずかしいんだよ!、それにリョウなら余裕で反応できるんだから良いでしょ!》


「まあそうだけど、それにしても良い話を聞いたな、昨日のリナの表情は最高だったからな、また不意討ちをするか。」


《もう!、そんな事しないでもちゃんとやってくれれば喜ぶから!、まあ期待する事にするよ。》


そんないきなりな洗礼を受けたが、リナの成長は感じられた。

俺と会った時にはあれほど思い詰めていたのに、いつの間にかこれほど強くなっているのを見ると、何となく感慨深くなる。

そんな感傷に浸っていると、スート、エルン、サクラもやってきた。


《リョウ、来たなら声掛けて。》


『リナの一撃も手加減されていたとはいえ、軽々と消し去るとは、さすがマスターだな。』


《トーナメントの時も思ったけど、リョウって相変わらず規格外よね、でも近い内に追い付いてやるからね!》


それぞれ勝手気ままに話してくるのはもはや、いつも通りで、慣れてしまった自分に不思議に思いながらも、やはり楽しいので自然と頬が綻ぶ。


「皆が強くなるのを見てるのが楽しくてな、ここでこうやっていても仕方ないし、訓練続けようぜ?、俺も自分の動きを見直さないといけないからな。」


俺の言葉にみんな訓練中だった事を思い出したようで、それぞれ俺から離れて訓練を始める。

俺も、みんなの邪魔にならない位置に移動し、まずは俺の持つ武器それぞれの動きの復習をしていく。

復習といっても、訓練の度に毎回やっている動きでもあるし、集中している時にはより深い印象を頭に残すので、滞る事もなく、それどころかまるでダンスでもするかのように、そして気を抜けば見えなくなる程のスピードで行う。

それでもやはり、シュウと共に鍛えぬいた剣はその中でも別格の完成度を誇る。

剣は音を置き去りにしてもまだ余力があり、それを一刀流だろうと、二刀流だろうと変わらぬ動きが出来る。

正確に言えば間合いの取り方や、足運びが若干違うのだが、それほど大きな差でもないため、すぐに慣れてしまう。


そして、身体強化も試して再び同じ動きをする。

身体強化を加えると、動きの質と速度は大きく上昇する。

それでも、速くなってしまうとやはり感覚はずれてくるのでそれを修正していく。

そして、身体強化を解いて再び同じ動きをとやっていたのだが、身体強化が切れてすぐでも問題なく対応できる。

これはおそらく、トーナメントの間に制限を掛けたままやっていた経験が生きたのだろう。

最終的には好奇心に負けて破ってしまった制限だったが、無駄にはならなかったみたいでよかった。


最後に、一撃一撃毎に身体強化の強弱、オンオフを変えたりしながら戦う変則的な戦い方をしてみるのだが、わりと直ぐに対応できる。

対応力が事あるごとに上がっているのに嬉しく思いながらも慢心しないようにより気を付けていく。


そうして一通りの確認と訓練が終わり、再び他のメンバー達の動きを見て、これから共に戦う時や、対戦した時の為に備えて動きを覚えていく。

彼女達の成長も予想できないくらいに早くなっているため、次にそうした機会が訪れた時にはまた動きのイメージを修正しなくてはいけないのだが、その幅が小さい事にこしたことはないため、しっかりと把握する。

それも一通り済んだところで、マドルから連絡が入る。


[皆さん、ご飯が出来ましたのでお戻りください。]


[いつもありがとう、今から戻るよ。]


リンクイヤーの通信はみんなに届いていたようで、訓練を切り上げ、俺達は部屋へと戻る。

俺の魔力のおかげで人とほとんど会うことはなく部屋までたどり着いた。

そして、図書館組も合流し、楽しい朝食を終える。

今日はルイの日なので、予定の打ち合わせをする。


「ルイ、今日はどうする?、どっちにしろ1度はシュウの所に行く予定だけど。」


《うーん、せっかくの自由日だけど、今日は図書館に籠るねー、もう少しで何か掴めそうだから、そしたら相手してねー!》


「わかった、楽しみにしてるよ。」


そして、今日の予定はシュウに会うだけになったので、ついでにシノグの予定を調べることにする。

シノグにシュウを会わせておきたいし、出来ることなら戦わせておきたい。

俺とは違う強さをシュウは持っているからな。

そうと決まったので、それぞれの予定通りに行動を開始し、俺はシノグを探しに別校舎へと向かった。


次回更新は7/1です。


引き続き、評価、レビュー、感想、ブックマークをお待ちしております!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ