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憧れの異世界で:(旧名 異世界来ちゃった)  作者: ソ土ルク、
第2章 エジマリフ魔導学園編
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62.クラス内トーナメント決勝戦スートvsリョウ

リョウ視点です。

3位決定戦、カリバーン●vsシノグ○


シノグはやっぱり俺との戦闘で相当実力が上がったみたいだな。

あのカリバーンを相手にあそこまで圧倒的に戦えるようになったんだから、この短時間の成果としては上出来だろう。

俺とカリバーンはしばらく(意識共有)もしていなかったから、そろそろ1回やっといて互いの経験を共有しとくべきだな。

カリバーンだって今回の戦いに思うところがありそうだったから、それのフォローもしないといけないしな。

まあ、それはトーナメントが終わってからでも大丈夫だろう。


しかし、結局俺との試合では御披露目はなかったが、シノグの使うメモリーオリジナルは応用がきいて使い勝手が良さそうだな。

まあ、相応の思考速度が要求されるだろうから、使えるやつは少ないだろうけどな。

どっちにしろ俺はイメージの固める大変ささえ除けば似たような事もできるから問題ないんだけどな。

さすがにシノグみたいに後手の状態で相手の技を届かせる前に高威力の技を叩き込むのは難しいけどな。


それにしても、遂に決勝戦か。

この大会では全力出すつもりはなかったんだけど、ここまで来たらスート相手だし、全力でやるか。

またシノグの時のような楽しい戦いができそうだから、今からワクワクするな。

俺はそんな気持ちを戦いに取っておくために心の中で抑えながら、試合開始地点で試合を待つ。

俺と向かい合ったスートはいくらか緊張はしているようだったが、それは身体を動かすのに影響があるほどではなく、むしろ研ぎ澄まされた槍のような鋭いものだった。

それだけやる気が伝わってきて、自然と俺のやる気とテンションも上がってくる。


「気合い十分だな、スート。」


《リョウと戦うの楽しみだった、今日こそ勝つ。》


「そりゃ楽しみだな、俺も全力で戦うから簡単にやられてくれるなよ?」


《リョウこそ、油断してられるのも今のうち。》


そんなやり取りが一段落した所で審判のリナがやってくる。


《さあ、待ちに待った決勝戦!、スートvsリョウ、両者ともにトーナメントの最後を飾るに相応しい試合を!、それじゃ、始めるよ!、試合開始!》


俺はスートの動きを見ながら、先手を譲る。

身体強化、二刀流のオーラ状態にし、魔法を展開する。


「ウエイトマジック、レインボー!」


いつも通りの準備を整えてスートを迎え撃つ。

スートは俺の魔法の1つに向かって槍を投げてくる。


《マジックエクスプロージョン!》


俺の目では普通に捉えられるが、他の人達が見たら槍を捉えられるのは一部だけだろうと思うくらいのスピード、それが俺の魔法に当たると魔法が爆散し、その余波が辺りへ拡がり、少しだけ魔力を削られる感覚と共に展開した魔法の全てを霧散させられた。

技を構成している様子は見えなかったが、あれが技の構成を読ませないやり方なのだろう。

俺も出来そうだが、わざわざ使う必要も無さそうだから今回は使わなくてもいいだろう。


俺は先程よりも集中力を上げ、スートの技の構成を見逃さないようにすると、既に技を完成させていた。

その速度とイメージの強さに感心している暇もなく、スートが技を俺へと放ってくる。


《ストルピア!、ダブートピーア!》


飛んでくる高速の突きと2本の高威力の技、そして高速で俺の後ろへと回ってくる気配、だがスートの姿は俺の目の先に存在している。

想像以上に厄介な技なのを体感しながら、技の相殺を行う。


「イーブン!、スラッシュ!」


到達スピードの少しだけ速いストルピアをスラッシュで相殺させ、イーブンでダブートピーアを2つとも相殺、そして後ろから迫るスートを斬ると、それは幻影だったようで感触がなく、直後背後から気配を感じ、振り返るとさっきまで動かなかったスートがこちらへ迫ってくる。


《スニークデス、ミラージュ!》


技の完成度に感動しながら、スートの槍をカリバーンとブラークをクロスさせた中心にピンポイント当て、ガードを成功させる。

さすがに、完全に威力はころせなかったがダメージを最低限に抑えた。

技を防がれて驚愕しているスートを蹴りで吹き飛ばし、再び距離を開ける。

剣は槍を止めるのに使っていたから出来る攻撃がなかったので仕方なく蹴りで吹き飛ばした。


それでも身体強化で増した俺の身体能力での蹴りのため、かなりの勢いで飛んでいった。

まあ、それでもただの蹴りなのでそれほどダメージを負った様子もなく立ち上がってきて、再び技を構成し始める。

先程よりもより強く深くイメージを固めていく。

それに合わせて俺も技を構築する。


《ストルピア!、ダブートピーア!》


再び飛んでくる技だが、さっきよりも更に強力で、おそらく強さの次元が2段階くらい上がっていて、僅かな時間での強化に驚きながらそれでもギリギリまでイメージを固めて、いよいよ技が当たる瞬間に技同士をぶつけ合う。


「エンドレスクラフト!」


そしてエンドレスクラフトを纏ったカリバーンとブラークでスートの技を相殺する。

しかし、ここからがエンドレスクラフトの真骨頂だ。

技とぶつけ、相殺したエンドレスクラフトだが、この技のイメージ構築は未だに続いているため、更に強化されていく。

そして、後ろに回ってきたスートを斬るが、これも幻影、そしてスートに槍が戻り、未だにイメージを固め続けられていた技が発動した。


《ゲイボルグ!》


槍とは思えない複雑な軌道を描きながら俺へと迫るゲイボルグ、俺の身体のどこを狙っているのかギリギリまで見極めながら、スートとの距離を詰めていく。

そして、俺の心臓目掛けて飛んできたゲイボルグを俺のカリバーンとブラークの纏うエンドレスクラフトで消し去る。

確かにスートのイメージ力とそれに伴う技の使い方、タイミング、強さは申し分なかったが、俺のエンドレスクラフトは常にイメージを固め続けられる技のため、優劣が出てしまった。

それが、決定的な隙になり、俺はスートとの距離を0にし、寸止めする。


《そこまで!、勝者リョウ!、そして今回のクラス内トーナメント優勝はリョウ!》


こうして長いようで短かったトーナメントは俺の優勝で終わった。

そして気づいた事が1つ。

俺が優勝しても利点何もないじゃん!

優勝の嬉しさと気づいてしまった虚しさに思わず苦笑いを浮かべるしかなかった。


次回更新は6/28です。


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