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憧れの異世界で:(旧名 異世界来ちゃった)  作者: ソ土ルク、
第2章 エジマリフ魔導学園編
76/141

57.クラス内トーナメント3回戦スートvsソルン

リョウ視点とソルン視点です。

1、カリバーン○vsサクラ●


流石に3回戦ともなると、戦いのレベルが高いな。

というか、あのカリバーンの戦闘スタイルはかなり強力だな。

まさに剣の意識として、文字通りに剣と一体化して自在に操れるのは流石だなと思う。

しかも、俺は二刀流だけど、カリバーンは四刀流だし、下手をしたらもっと増やせるのかもしれないから、厄介なのは間違いないな。

まあ、俺はシードになったからもしカリバーンと戦うとしたら決勝だけだ。

あのカリバーンと制限された状態でどこまで戦えるのか楽しみだな。

その前に準決勝に勝てないと意味ないんだろうけどな。


さて、次の試合はスートvsソルンか。

スートは槍使いだけど、短槍二刀流もできるから接近戦に弱いわけではないし、イメージ力が強いから技を撃たせたら止められないだろうな。

ソルンは自由自在に大剣の大きさを変えられるから、どの間合いでも戦えるからどっちが勝つか楽しいところだな。

武器の威力的にはソルン、技の強さはスートってとこだろうな。

ソルンはいかにスートに技を発動させないか、スートはどうやって技を発動させるか。

分かりやすくていい。

そこまでの駆け引きとかは2人がどれだけ成長しているかの指針になるだろう。

そんな楽しみを持ちながら試合開始を待つ。


∨∨∨


仲間ながら恐れ入るよね、目の前にいるスートから受けるプレッシャー、イルデさんとは比べ物にならないほど強い。

それが強さの全てではないけど、プレッシャーが強い人が弱かったって事はないし、仲間として一緒に戦ったり、訓練したりしているからスートがどれ程の実力者なのかも理解できてる。

それでも、このトーナメントの短い間でも成長して強くなってる。

だから、普段のスートは忘れて、今目の前にいるのはリョウよりは劣るだろうけど、リョウ並の相手の気持ちで戦う。

そこまで強くなければそれはそれであたしの有利にはたらくだけだから。


あたしのリョウからもらった大剣バスターなら、大きさを自由自在に変えられるから、スートとの間合いの相性は関係ない。

ただ、あのスートの技は強力だから気を付けないといけない。

前の試合の時に見たけど、スキルで防御にまわったフランを打ち破るなんてあの技を発動させたら勝ち目は無いかもしれないから、何とか撃たせないように戦わないといけない。

あとは戦いながら自分の有利な戦いに持っていくしかない。

戦い方を決めて集中力を上げて試合開始を待つ。


《はい、2人の試合の審判は私、リナがやるよ!、聞くまでもなく準備万端みたいだね!、じゃあ始めるよ!、試合開始!》


《バスター、モードジャイアント!》


スートに槍を投げられる前に巨大化した大剣で距離を詰めながら横凪ぎの一撃を加える。

刀身が大きくなっているので攻撃範囲がかなり広いから避けるのも難しいはず。

そんなあたしの思惑とは裏腹にスートはあたしの攻撃を受け流してカウンターを狙ってきた。

距離を詰める勢いと受け流されて態勢が崩れかけている所に高速の一突き。


《バスター、モードニュートラル!》


刀身を元の大きさに戻して受け流された勢いを消して、スートの突きを何とか避ける。

普通の槍なら問題なく大剣で守ったり受け流したりできるけど、スートの槍はスートの魔力と生命力で破壊力が大幅に上がってるから、まともに受ければダメージを受けてしまう。

こう考えると、攻めも不利、守りも不利っていうどうしようもない展開だなと少しだけ悩む。


一応、現状を何とかする方法もなくはないけど、身体が持つかが微妙なんだよね。

でも、このままだとジリ貧だからやるしかないか。


《リミットブレイク!》


あたしの掛け声と共に魔力と生命力を混ぜて身体へと流す。

いつもは途中で身体が魔力と生命力の限界を決めて身体能力を上げるにも限界がある。

けれど、今はそんな身体の限界をリミットブレイクで無くしてる状態だから、身体能力が際限なく上がる。

そして、反撃の為に距離を詰める。

身体能力の上がっている今、あたしの1歩でスートの目と鼻の先まで距離を詰める。

けれど、野生の勘ともいうべきか、スートはあたしの大剣が振られる前にあたしから半歩ほど距離を取って攻撃を加えてくる。

それに大剣をぶつける。

あたしの身体強化とスートのオーラで強化した槍は今のところ拮抗した。


けれど、それは文字通り今のところだ。

あたしは更に身体へと魔力と生命力を流していく。

すると、拮抗していた力があたしの有利に変わっていく。

それを悟ったのか槍をわざと地面へとあたしの大剣ごと受け流して衝撃で強引に距離を開ける。

それを利用してスートは技の構築を始めた。

それを許す訳にはいかないため、もう一度身体強化状態で強引に距離を詰めようとすると、それに合わせたようにあたしへ突きを放ってくる。

さすがにもう動きを見切られてるみたいだ。

厄介この上ないけど、完全に見えてる訳ではなさそうなので、縦横無尽に駆け回り、スートの死角を探る。

そして、死角を見つけて攻撃しようとした瞬間。


《フレイムゾーン!》


スートのいた位置よりも少し外側まで炎の壁に覆われる。

時間を稼ごうとしているのは見え見えなので、あたしは躊躇なくその炎の壁を大剣で斬る。

身体強化で剣速の上がった一撃は風圧を纏って炎の壁を消し飛ばす。

そこから見えたのはスートの技が完成した瞬間。


《ストルピア、ダブートピーア!》


スート必殺の攻撃、でもただでは負けない。

強者と戦うすべはキールから教わった。

諦めないこと、生き延びる道を探すこと。

それを思いだし、更にあたしは魔力と生命力を流す。

段々と、流す2つの力の質が上がってきて同じ量でも身体強化での上昇する力が増えた。

そうして、今のあたしの持つほとんどの魔力、生命力を流し、自分を超強化する。

そして、スート必殺の攻撃に刀身を大きくした大剣をぶつけていく。


超強化された身体能力のおかげで、あたしの大剣とスートの攻撃がぶつかり合い、あたしが上回った。

喜びも束の間、止めの一撃を放とうとすると、後方から声が聞こえてくる。


《スニークデス!》


気づいた時には心臓のある位置に背中から槍を突きつけられていた。

おそらく、これが寸止めのない戦闘ならあたしは心臓を貫かれていたはずだ。


《そこまで!、勝者スート!》


その声を聞いて無理をしたあたしの身体は糸が切れたように地面へと倒れ、あたしの意識は闇に飲み込まれた。



次回更新は6/23です。


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