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憧れの異世界で:(旧名 異世界来ちゃった)  作者: ソ土ルク、
第2章 エジマリフ魔導学園編
75/141

56.クラス内トーナメント3回戦カリバーンvsサクラ

リョウ視点とサクラ視点です。

7、ジーク●vsシノグ○


まあ、シノグが負けるとは思わなかったけど、ここまで圧倒的な勝ちもまた予想外だったな。

もちろん、あの成長速度があれば可能性はあったけれど、それでもあそこまで一方的な試合になるのはちょっと驚いた。

似たような試合で言えば、ソルンとキールの試合だけど、それと今回の試合は決定的に違う。


ソルンとキールの試合では最初から能力的な差がついていた。

魔力、生命力の量、武器の扱い、経験値、そのどれもソルンがキールを上回っていたからこそ僅かな抵抗しか許さずに勝利することができた。


けれど、今回のジークとシノグの試合は、それほど差はなかったが、全ての能力でシノグは負けていた。

特に初撃を弾かれた時の表情を見た限り、相当な差があったはず。

それに加え、盾無し片手剣士と盾有り片手剣士、どちらが不利かは言うまでもない。

そんな中でシノグは、知略を練り、新たな能力をマスターし、結果的に相手を圧倒した。

ジークが元から待ちの戦いを得意としていたのも影響しているのだろうけど、3回戦に進んだメンバーでも時間を掛けたら負ける可能性もあるな。

さて、ここから先はトップクラスの戦いになってくるから、どこまでシノグが通用するのか楽しみだ。

そんな考えを持ちながら、3回戦の組み合わせを確認する。

1人だけシードで上がれるのを忘れてたな、ここは運も実力の内って事でくじ引きにしますかね。

その結果こうなった。


1、カリバーンvsサクラ

2、スートvsソルン

3、リンダvsシノグ

シード リョウ


持ってるというかなんというか、とりあえず暫定的な武術大会の予選メンバーである5人はこの3回戦の結果で決まるわけだから、今回は俺がメンバー確定になった。

その後はこの3回戦を負けたメンバーで総当たり戦をやって残りの1人を決める。

まあ、変にシノグとかが選ばれなくてよかった気もするな。

運が関係するとはいえ、他のブロックと比べると明らかに楽な相手と戦って勝ち上がってきたわけだし、文句が出る可能性もあったからな。

その点、俺なら1度皆を救っているし、力も証明してるから反発も少ないだろう。

カリバーンとの戦いが延びたのは残念だったが、対戦カード的にはどれも面白いからいいだろう。


そんなわけで、早速試合の準備が整っていく。

3回戦の1組目はカリバーンvsサクラ。

正直この試合の組み合わせはこのトーナメントの決勝で行われてもおかしくないレベルだと思う。

しかし、圧倒的な魔力と生命力を持ってたカリバーンだが、知らない内にサクラは魔力だけならカリバーンを超え、生命力もカリバーンの8割くらいにまで近づいていた。

以前よりもカリバーンが成長しているにも関わらずそれなのだから、ハーレムメンバー達に他のクラスメイト達が勝てないわけだ。


まあ、いずれはその差も埋めてもらわなければならないんだけどな。

今回の試合も1試合ずつやっていくので、より一層2人の試合に注目が集まる。

俺もそんな2人の試合開始を待つ。

どんな戦いになるのかを想像しながら。


∨∨∨


この目を得てから初めて見たけれど、随分と化け物染みた生命力と魔力を持っていて、何となくリョウの気配を感じる不思議な人物だなと、それが改めて思った感想だった。

エルンとの試合を見ていた限りだと、剣の腕とかはリョウ以上、カリバーンの使う魔法は威力は高い代わりにリョウみたいな弾幕を張られるような事はない。

確かに厄介だけど、魔法だけなら私も対処できる。


ただ、あのエルンが負けたのだから、剣の間合いに入られたらまず負ける。

ということは、魔法の威力、スピードを全て上回りながら使って、インベルを完成させるしかない。

幸い、私は魔法が得意だし、インベルで近付かれても問題ないから、この勝負の決めては私がインベルを使えるかどうかだ。

そして、私とカリバーンが向かい合う。

何となくだけど、圧力というか、プレッシャーがかなり伝わってくる。

今までの私ならこうやって向き合う事すら出来なかったなと、自分の成長を感じながら待っていると、審判があがってくる。


『今回の試合は私、エルンがやらせてもらおう、どちらも健闘を祈る、試合開始!』


私はカリバーンからの距離を更に開けようとし、カリバーンは距離を詰めてくる。

けど!


《レインボー!》


7種7色の魔法がカリバーンの行く手を阻み、進む速度を落とさせる。

インベルの魔法の構築を少しずつ進めていく。

このレインボーで仕留められるとは思っていないけれど、足留めくらいにはなるだろうと考えていた私だったが、カリバーンという相手の実力をまだわかっていなかったみたいだ。


『エネルギーホール、デリート!』


そうして、私の魔法がカリバーンの前に発生した白の渦に吸い込まれていき、白の渦ごと消えてしまった。

目の前の光景に驚き、その間にカリバーンが距離を詰めてくる。

けれど、その渦を出した瞬間から攻めてきたため、直線じゃなくて少し回り込むような形で迫ってきたから、何とか間に合った。


《リフレクト!》


カリバーンの攻撃の届く先にリフレクトを発動させて、カウンターを狙う。

近距離は苦手だけど、そういってもいられないから、一応の対策は作り出せた。

まあ、その代わりに燃費の悪い魔法だからそうそう連発はできないのだけど。

私のリフレクトの危険性を悟ったのか、剣をギリギリで止めて、私へと再び距離を詰めようとしてくる。

けれど、その少しの時間さえあれば私には十分。


《マシンガンマジック!》


私の得意だった高速詠唱、そこにレインボーを放つときのイメージを使って、超高速で1発ずつ魔法を完成させ放っていく。

さすがにそれを操れる程の余裕はなかったので、ただ単に相手へと発射し続けるのみだ。

けれど、これはさっきのレインボーと違い、次々と魔法を放っていくから白い渦を発動しても防げない。

それに、一撃一撃も弱い訳じゃなく、私の普段使う魔法よりも少し落ちるだけでしかない。

さっきの白い渦には驚いたけど、1度見た魔法になら対処できる。


けれど、カリバーンはまたしても私の予想を超えてくる。

魔法をその卓越した剣の腕で斬り裂いてきたのだ。

やっぱりリョウと似ているだけあって、予測できない事を普通にやってきてビックリさせてくる。

もう少し足留めできると思っていたのだけど、どうやら甘い考えだったみたいだ。

けど、カリバーンにしても全くの影響が無いわけではなさそうで、こちらへと近づく速度が遅い。

私は、マシンガンマジックを放ちながら、インベルの構築を進めていく。

そして、もうすぐカリバーンの剣の間合いに入るという所で完成する。


《インベル!》


私の周囲にエネルギーを吸収する空間が生まれる。

私の絶対防御、破れるものなら破ってみればいい!

私のインベルが発動した瞬間に距離を開けたカリバーン、けれどこの状態になった以上、私は防御をある程度捨てて攻撃に専念できる。


《マシンガンマジック!、レインボーマジックシャワー!》


少しだけ無理をして高速の魔法連射と、大量の魔法の雨を同時にカリバーンへと放つ。

魔法を斬られるなら、斬られない程の物量で押せばいい。

私が勝ちを確信した瞬間、エルンとの戦いで使われた力が発動される。


『剣人エクスカリバー!』


今回は何度もやられていたから、私は油断せずに防がれた前提で準備をしていく。

剣と一体化したカリバーンは両手両足の全てを剣に変えて魔法を次々と斬り裂いていく。

この物量でも足りないみたいだ。

けれど、私の魔法もまだまだ成長できる。


《ダブルマシンガンマジック!、ダブルマジックシャワー!》


マシンガンマジックで放つ魔法を1発の間に2つ発射させ、マジックシャワーのような大量の魔法を1つの魔法としてイメージを固め、それを2つ放つ。

単純計算でさっきの倍の魔法がカリバーンへと向かうことになるはずだ。

かなりの魔力を使ったから、結構つらいけど、これで勝てるはず。

すると、カリバーンはまだ全力ではなかったようで、両手両足の剣の先を2叉にして、それで魔法を次々と斬り裂いていく。

しかも、徐々に斬り裂くスピードが速くなってきて、こちらとの距離も詰めてくる。

けれど、私にはインベルがある限り接近戦は負けない。


そして、全ての魔法が斬り裂かれると、剣と一体化したカリバーンはさっきまでとは比べ物にならない速度で私に向かって突っ込んできた。

いつの間にか足は普通に戻っている。

そして私のインベルの前で止まって、右手の剣を振り下ろす。


『神速斬、閃!』


技でも魔法でも何でもない。

ただの剣の振り下ろし。

けれど、そのスピードはさっきまでの魔法を斬り裂いていた時なんてウォーミングアップとでも言いたいかのような速度だった。

そして何よりも驚いたのはそんなことじゃない。

私のインベルが、というかインベルのある空間がカリバーンの剣速で斬り裂かれ、その空間の裂けた影響でカリバーンに吸い寄せられる。

そして、首筋には剣が添えられた。


『そこまでだ!、勝者カリバーン!』


こうして私は3回戦敗退となった。




次回更新は6/22です。


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