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憧れの異世界で:(旧名 異世界来ちゃった)  作者: ソ土ルク、
第2章 エジマリフ魔導学園編
70/141

51.クラス内トーナメント2回戦サクラvsシン

リョウ視点とサクラ視点です。

2、リョウ○vsリナ●


今回は何とか勝てたが、これも偶然の結果なのは間違いないだろう。

というか、もしあの危機に脳がリミッターを外したような状態になれなければ、負けないまでも次の試合に支障が出るくらいに消耗してただろう。

今も若干ではあるが、身体を強引に酷使したため、その反動と言うべきか、身体に疲れが残っている。

次の試合までに回復する事を祈りながら次の試合を観戦する。


3、サクラvsシン


シンには悪いが、サクラの負ける所は残念ながら想像できない。

俺との試合で見せたインベル、あれを突破できるような人物がいれば、おそらく優勝はその人物になるだろう。

それくらい、サクラの作ったインベルという魔法は強力だ。

もし、対抗できるとするなら、俺のように魔法を具現化させる、もしくは中、遠距離から物理攻撃を加えるしかない。


だが、もしそれができるとしたら、ハーレムメンバーと俺とカリバーンくらいだろう。

それは武器の問題もあるためだ。

基本的に、この世界の住人は近接武器を好む。

槍や弓もいないわけではないが、剣や斧等と比べると圧倒的に少ない。

おそらく、弓や槍は距離を詰められると弱いためだろう。

それに、遠距離からは魔法があるため問題がないというのもあるのだろう。


そう考えると、シンがどうやってインベルを攻略するかは見物だ。

俺の予想ではサクラが勝つとは思うが、そのサクラに一矢報いる、もしくは大物喰らい(ジャイアントキリング)するのか、それも含めて楽しい試合になりそうだ。

しかも、サクラには俺がプレゼントした精霊短剣ダスガリットや、魔力、生命力を見る目まである。

ここまでくれば、油断しない限りは優勝候補だろう。


唯一弱点をあげるなら身体能力が高くない事だろう。

その分魔法の才能と言うべきか、圧倒的な高速魔法で遠距離から攻撃でき、インベルで近寄らせないとなればそれも弱点とは呼べない気もするのだが。

そんな予想をしていると、2人が戦いの舞台へと上がる。

その表情を見れば、どちらが優勢かは一目でわかってしまう。

自信満々のサクラと、不安そうなシン、元の性格もあるとはいえ、シンには頑張ってほしいと心の中で思う俺だった。


∨∨∨


私は魔力を意識しながら、身体の調子を確かめていく。

魔力量も問題ないし、身体の調子もベスト。

相手の魔力、生命力の観察も忘れない。

だが、どちらも私より下だった。

もちろん、だからといって手を抜くつもりは毛頭ない。

リョウみたいに、普段の戦いに制限をかけて戦えるほど私は強くないのだから。

私は自分の弱さも強みも、自分の使う魔法、技、全てを把握している。

以前まではここまで自分を知ることは難しかった。


強気に振る舞ってはいたし、それなりの実力もあったけど、その強気の裏ではいつも焦燥にかられていたのだから。

自分の事をすごいと思っている人物は大概が私と一緒にいたフウトに、そして戦闘で私が負けていないという結果を見てそう思っていたから。

もし、自分が戦闘で負けてしまい、フウトが近くにいない状態なら、そんな私への称賛はなくなってしまう。


だからこそ、リョウに負けた時はほんとにどうしようかと思った。

同時にチャンスだとも思った。

あの時は実力と照れの両方が混ざって責任を取ってとも言ったが、正直に言えば私はリョウの強さを見て追い越したいと思った。

あれほどの強さがあれば、こんなに自分に怯えることはなかったから。


けれど、リョウと過ごしてきて私は自分にも強みがあることを知れた。

リョウの使う魔法、それは私では考えもしないものや、やり方だったが、不思議と何回か見たりすれば使えるようになった。

それに、リョウも完璧に見えるが、私たちとの関係であたふたしたり、料理は私よりもできなくて一生懸命頑張ったり、弱さとまではいえないけど、そんな一面も持っていた。


けれど、だからと言って私や他の女の子達がリョウから離れていく事はない。

むしろ、逆にリョウの魅力を引き立てているように思えた。

それで、私は気づいた。

弱さもきちんとわかって、その上で行動できるなら、それは必ずしも悪いことではないのだと。

それも含めての自分なんだから気にしなくてもいいのだと。


それからは、私の上達は早かった。

元から真面目に訓練していたのだから、基礎は出来ていたし、吹っ切れたおかげで自分に余裕を持つことが出来たし、リョウの魅力を再認識してからはリョウに追い付きたいという気持ちも強まったから。

それに今の私にはリョウに教えてもらった目と、私と相性の良かったダスガリットもある。


シンには悪いけど、私が負ける事はありえない。

勝って、リョウともう一度勝負したいから。

こうして、私が気合いを入れ直した所で、今回の審判のリナがやってきた。

リナと私の戦いは違うようで似ているから、自然と試合にも注目しているのだろう。


《今回の審判は私、リナがやります!、2人とも準備はいいですか?》


私とシンは頷く。

それは戦闘前の最後のやり取り。

ここからはお互いの勝ちを競い合うのだから。


《じゃあ、いくよ!、試合開始!》


試合開始と共に距離を詰めてくるシン。

言うまでもなく、私の切り札はインベルだけど、発動までには時間がかかる。

それにこの魔法はリョウ1人と戦った時に既に見られているんだから、止めに来るのは当たり前だと思う。

だけど、そうだとしても私は昨日リョウとシュウの戦いを見てる。

同じ剣を使っているのシンだけど、2人との技量は見てわかるほどの圧倒的な差がある。


なら、近くで見てきた私にとっては全く問題にもならない。

それに、リョウに勝つためにやってきたんだから、剣の扱いで劣る相手に負けるわけにはいかない。


《シャピード!》


「お願い、ヒカーリ!」


シンの短縮魔法には少し驚いたけど、私の方が発動は早い。

それに、ぶつかり合う魔法同士だけど、もちろん相殺で終わった。

なら、私の魔法の方が発動が早い以上負けないし

インベルが完成しても負けない。

私に有利な展開になってきた。


私はインベルの詠唱をしながら、他の魔法も構築していく。

だけど、距離を詰められれば一撃で負ける可能性もあるから気を付けていく。


《トリプルシャドウ!》


「頼んだよ、シャコール!」


3つのシャドウをシャインの雨を降らすシャコールで防いでくるシン。

だけど、シャコールは威力を弱めたシャインを降らせて、攻撃する魔法だ。

でも、そんな魔法じゃ私の魔法は防げない。

案の定、いくつかのシャコールが当たっても、私の3つのシャドウは止まらない。

今まで距離を詰めてきたシンも、さすがにシャドウを無視できるわけはなく、慌ててシャコールの残りをぶつけて何とか相殺していた。


私もシャコールの回避をしながらインベルを構築していき、ようやく完成した。

私は魔法が得意だし、詠唱も早いけど、この魔法だけはどうしても時間がかかってしまう。

まあ、強力な魔法だからしょうがないと思うけど。


《インベル!》


私の周りにエネルギーを消失させる空間を発生させる。

物理攻撃は防げないけど、近距離攻撃をするために私に近づけば、魔力や生命力といったエネルギーを吸いとられる。

もちろん、これは私を中心にしている訳じゃなくて、決まった空間を作り替えるだけだから、私は一定範囲しか動けないんだけどね。


こうなったからには、もうシンに攻撃手段はないと思う。

だから、私はこれで決めるために再び魔法を構築していく。


《レインボーレイン!》


やっと、私にも7属性全てを使えるようになった。

さすがに、まだリョウみたいに沢山の魔法を降らせる事はできないけど、いずれ出きるようになってみせる。

私の魔法がシンに降り注ぐ。

しかも、私はこの7つを全て操れる。


インベルという防御に守られてる今なら、魔法も自由に操れるように調整できる。

時間がかかるが、それに見合う魔法にできる。

私の知っていた魔法ってほんとに初歩中の初歩って感じだったのだと、改めて実感できる。

結局、レインボーレインをシンが防ぐことはできなくて、これが止めになった。


《そこまで!、勝者サクラ!》


こうして、私は無事に勝ち進む事が出来た。



次回更新は6/17です。


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