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憧れの異世界で:(旧名 異世界来ちゃった)  作者: ソ土ルク、
第2章 エジマリフ魔導学園編
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49.クラス内トーナメント2回戦エルンvsカリバーン

リョウ視点とエルン視点です。

さて、ここからの試合は1試合ずつ行う事にした。

理由としては、せっかくこれほどの接戦になりそうなカードが多いのに、まとめて試合を始めてしまえば、俺はともかくとしても他の金クラスのメンバー達や、1回戦の敗退者達が一部しか試合観戦ができないからだ。

実戦に勝るまではいかないが、実力をつけるうえで観戦も重要な要素もあるため、なるべく観戦はしっかりと出来るようにした方がいいと思ったからだ。


そんなわけで、2回戦の1組目はエルンvsカリバーンだ。

天使族のエルンと、俺の魔力で作られた今までは剣の意識として生きてきたカリバーン。

実力はどちらも半端ではない。

それに、俺が次の試合に進むのなら、戦うのはこの2人のどちらかになるのだから、改めてしっかりと観戦する必要があるだろう。

こうして、2人が戦闘の舞台へと上がっていく。


∨∨∨


改めて対戦相手のカリバーンを見た私は、その存在の強さ、どことなくリョウと似た雰囲気を持つため油断できない相手なのは戦う前からわかるほどだった。

使う武器はお互いにリョウに作ってもらったものにするつもりだった。

だが、今回は弓を使える機会が無いこともわかっているため、生まれてから今までずっと使い続けてきた愛剣を構える。

カリバーンは、リョウに作ってもらった剣を使うみたいだが。


私と同じく剣を構えるカリバーンだが、剣への慣れというか、練度というか、一体感が全然違う。

剣は基本的にリョウが使っているのを見ているが、ここから構えを見る限りではリョウと比べても遜色ないどころか、上回っているかもしれないと思える。

だが、この試合を勝てばリョウと試合できるかもしれないとなれば、負けるわけにはいかない。


リョウに頼まれてリョウ達よりも早いうちから、マッドシルダー山脈であのモンスター達と1人で戦ってきたのだから、実力は確実に上がっている。

それをリョウ相手に試せるチャンスを逃す訳にはいかない。

気合いを入れ直し、試合開始を待つ。


《今回は私、ルイが審判するねー!、2人とも準備はいーい?》


『俺様は構わねえぜ!、リョウの周りの女がどんなレベルか楽しみだ!』


『私も構わない、リョウとやるまでは負けるわけにはいかないしな!』


《それじゃ、試合開始!》


早速間合いを詰めようとする私だが、それは一時中断することになった。


『エンペフレア!』


ものすごいスピードで完成した火の魔法。

だが、火の魔法どころの騒ぎじゃなく、業火というのもまだ甘いと思えるほどの熱量と威力を持っていた。

リョウのように、数で圧倒してくる訳じゃないが、どちらがやっかいかと言われればどう考えてもこの魔法だろう。

私は魔法を避けてから距離を詰めようとする。

しかし、そこに次の魔法が飛んでくる。


『アクアンペ!』


水の魔法なのに内包されるエネルギーは半端じゃない。

このままでは埒があかないし、きっと回避しても次の魔法が飛んでくるのだろう。

かといって、この魔法を気合いで突破するようなマネは確実に失敗する。

開始早々にピンチに陥る私だが、そう簡単にカリバーンに負けるわけにはいかないので、羽を生やし、その羽に魔力を込めて魔法を霧散させる。


だが、この羽はあくまで魔法相殺用なので、ダメージを当てることはできない。

だが、とりあえず攻められるだけの防戦一方な展開からは脱出できてよかった。

これ以上魔法が効かないと判断したのか、カリバーンも私との間合いを詰めてくる。

いくらリンクイヤーの思考サポートがあったとしても、流石にカリバーンクラスの相手に魔法を相殺しながら戦うのは難しいため、若干だが距離を詰めるのに遅れてしまった。


その遅れのせいで再び防戦一方になってしまった。

わかってはいたが、強い。

それも、リョウとほぼ同格くらいの強さだ。

だが、ただでさえ化け物のように強いリョウに勝とうとしているのだから、ここで負けるわけにはいかない!

防戦しながらもわかったことと言えば、少なくてもカリバーンはリョウのように戦いの中で急速に強くなったりしない。


その証拠に、徐々にカリバーンの動きにも慣れてきたし、昨日、一昨日とリョウやシュウの動きを見ていたからか、何とか防げている。

押されてはいるが、ようやく反撃の糸口も掴めてきた。

だが、それを察したのかカリバーンも1度距離を開けてきた。

もう少しで一撃入れられたかもしれなかっただけに、改めてカリバーンの勝負勘に感心する。


1度落ち着き、今度はこちらから攻める。

今度こそ何にも邪魔されずにカリバーンとの距離を縮め、斬り合う。

羽を使って普段受けないような角度から攻撃を加えていく。

さすがにこの立体的な動きには慣れていないのか、反撃される心配もなく攻められる。

だが、中々決定打を与えられない。

それでも、今の流れを切りたくはないので、上下左右、後方と様々な位置から仕掛けていく。

けれど、段々立体攻撃の優位性が無くなってきて反撃されるようになってきた。


けれど、ここで退くことはできない。

ここで退いてしまえばもうカリバーンに有効な手がないから。

そして私は逆転の一撃を思い付く。

1度カリバーンの射程から上空に向けて抜ける。

そして、技を高速で完成させる。

ここはスピードの勝負!


『ライフォルト!』


カリバーンに技を発動するだけの時間はもうない。

それに、上空からの急降下で剣によるつばぜり合いになっても押しきれる!

そう判断した私。

けれど、そんなに目の前の相手は甘くなかった。


『剣人エクスカリバー!』


私の間合いまであと半歩といったくらいの距離でカリバーンの掛け声と共に剣がカリバーンへ吸収される。

だけど、そこで退くわけにはいかないので、私は剣の間合いに入った瞬間に自分の振れる最高速で剣を振り切る。

そして、私の剣はカリバーンの剣のようになった右腕に弾かれ、首筋に左腕が当てられる。

もちろん、剣と同化しているため、左腕も剣のような斬れ味と鋭さを持っているため、完全な止めだった。


《そこまでー!、勝者カリバーン!》


ルイのコールによって私の負けが決まった。




次回更新は6/15です。


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