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憧れの異世界で:(旧名 異世界来ちゃった)  作者: ソ土ルク、
第2章 エジマリフ魔導学園編
65/141

46.クラス内トーナメント1回戦②

リョウ視点とソルン視点です。

各試合の終わりを確認して、俺は結果を記していく。

1番見所のあったリナvsルイの対決はリナが勝利した。

とはいえ、どちらが勝ってもおかしくはないほどの戦いだったから、ルイもこれを糧に頑張っていってほしいと思う。

まあ、そんな心配は必要ないだろうけどな。

対戦を終えて、2人で楽しく話し合う様子を見て、思わず笑みがこぼれる。

シンとフウトの所の結果には少し驚いたが、それ以外は予想通りだった。


4、リナ○vsルイ●

5、サクラ○vsアジル●

6、シン○vsフウト●


ハーレムメンバー達は順調に勝ち進んでいるから、俺としても嬉しい限りだ。

さて、これで俺の次の対戦相手はリナに決まったわけだ。

まあ、俺は今回の大会は制限をかけているから、多少申し訳なさはあるが、俺に負けるようならまだまだ訓練が足りないだろうから、そこは我慢してもらおう。


さて、次の試合の観戦に移ろう。

次の試合で見所はイルデvsソルンかな。

ソルンはこっちに来てから入学手続きをしたみたいなので、勝てば予選メンバーに選ばれる可能性もあるだろう。

紫クラスの代表であるイルデとソルンの実力がどれ程違うのか楽しみだな。

こうして各選手が向かい合っていく。


∨∨∨


あたしは魔人族のイルデさんと向かい合う。

リョウ程ではないけど、イルデさんからも強い人特有の雰囲気みたいなのは感じる。

確か、紫クラスの代表って話だったけど、それも頷ける。

でも、リョウと戦うまでは負けるわけにはいかないから、全力で戦うだけだけど。

これはトーナメントだし、全力で戦うと勝ち上がる度に不利になるのはわかってるけど、手加減して勝ち上がるのは私には出来ないと思う。

なら、悔いの残らないように戦えばいい。

そう決めて戦いのスイッチを入れていく。


暴走する手前だったあたしは普段は好戦的な心を抑えている。

けれど、戦闘中はそんな事を気にしてる場合じゃないから、それを解放して本来の力を発揮させる。

それがスイッチを入れるっていうあたしの一種のルーティーン。

こうして戦闘開始を待つ。


審判はさっき激闘を繰り広げてたルイがやってくれるみたいだ。

きっと、あたしとイルデさんの対戦を近くで観戦して自分の戦闘の参考にするつもりなんだろう。

そんな前向きな考えを既に持っているルイに尊敬の心を持ちながら、ルイの言葉を待つ。


《今回は私、ルイが審判をつとめまーす!、2人とも準備はいい?》


あたしと、イルデさんは軽く頷き、それを見てルイも審判としての役割を果たす。


《準備ができたみたいなので、試合を始めます、試合開始!》


あたしは大剣を構え、イルデさんは強靭な肉体を活かした素手で戦闘をするみたいだ。

これが、ルイがイルデさんとあたしの試合を見に来た理由だろうと予測し、守るのは性に合わないので一気に距離を詰めていく。

ただ、イルデさんは落ち着いていて、あたしの動きを見極めている。

これは一撃入れるのも大変そうだなと思いながら、カウンターに注意して大剣を振り下ろす。


普通の相手ならこの一撃でも十分仕留められたのだろうけど、そこはさすがクラスを代表するほどの相手であり、あたしの攻撃は受け流された。

ただ、イルデさんからしても簡単に捌けた訳ではないようで、すぐに反撃される事はなかった。

その隙にあたしはイルデさんよりも少しだけ早く態勢を立て直し、あたしは大剣イルデさんにもう一度振り下ろす。

あたしの方が立て直しが早かったので、受け流すのは無理だと思ったイルデさんは、すかさず距離を取った。


追撃しようかとも思ったけど、そんな隙は無さそうだったので、今の内に技の準備をすることにした。

距離を開けている時間の間に技を構築し、更にいつもよりも技のイメージを強く固めていく。

イルデさんは、それを見て致命的な遅れを感じつつも流石といった速度で技を構築していく。

あたしとほぼ同時に作られた技を距離を詰めて互いに放つ。


《ダイスラップ!》


「崩拳!」


ぶつかり合う大剣と拳、それに込められた技。

拮抗する力、イメージをかなり強く固めたのにそれでも尚打ち勝てない事に多少の驚きはあったけど、相手の方が格上なのはわかっていた。

ここで、負けるわけにはいかない!

イルデさんのイメージにも打ち勝てるように、明確なイメージを固めていく。

大剣の力も更に込めていき、決して打ち負ける事が無いようにしていく。


だが、イルデさんは強敵で簡単には勝たせてはもらえない。

どれくらいたったのかわからない、体感的には数時間くらいに思うほどの時間つばぜり合いを続け、自分の渾身の一撃でも勝負を決められない状況に心が折れそうになった。

けれど、そこで昨日のリョウとシュウさんの戦いを思い出した。


リョウが負けた訳ではなかったけど、あのままでは勝ち目がない状況の中、ひたすらに勝ちを求めて、試行錯誤して諦めない姿。

そして、リョウともう一度戦うと決めた以上、次こそは勝つつもりだ。

そんな自分がこの程度のピンチで心が折れるようでは勝てる訳がない。

そう思えた瞬間、自然と力が湧いてくる。

よく考えれば、イルデさんはリョウほどの圧倒的な強さを持っている訳ではない。

それはあたしがさっきから拮抗していることでもわかる。


あたしはリョウと言う圧倒的な強者の実力を見てきてる。

なら、そのリョウに勝てるイメージを作れば良い。

さっきとは違って、目的がはっきりして、明確なイメージを固められるようになった。

その影響で、あたしの技が徐々にイルデさんの技を飲み込んでいき、打ち勝つことができた。

けれど、そこはイルデさんで、負けを悟った瞬間に技を避けたみたいだ。


だけど、先程のあたしの攻撃を避けた時と状況は大きく違う。

自分の技の負けを認めて焦って避けた動きに、キレなどあるはずがない。

だからこそ、あたしは今度こそ追撃に向かう。

そして、イルデさんの首筋に大剣を押し当てる。


《そこまでー!、勝者ソルン!》


危うくはあったけど、あたしは何とか勝ちをもぎ取れた。



次回更新は6/12です。


引き続き、評価、レビュー、感想、ブックマークをお待ちしておりまーす!!

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