表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
憧れの異世界で:(旧名 異世界来ちゃった)  作者: ソ土ルク、
第2章 エジマリフ魔導学園編
61/141

42.パーティー戦闘

リョウ視点です。

昨日は早く寝たせいかいつもよりも早い時間に目覚めた俺は、訓練のため、みんなを起こさないように本校舎体育館へと向かう。

いつもよりも更に早い時間なので、周りに人の気配は感じない。

俺はそんな校舎を楽しみながら体育館への道中を歩く。

体育館へ着くと、やはり先客もいないようで、シーンと静まり返っている。


そんな雰囲気を気に入りながらも、本来の目的である訓練に移っていく。

まずは、カリバーンとブラークを構える。

そして、魔法を展開して俺自身に撃ち込んでいく。

今回はシナイルードン無しで魔法を防ぐ訓練だ。

何となく感覚でわかっていたが、昨日のシュウとの戦いで得られた経験は俺の想像よりも大きかったようで、シナイルードンを使わなくても、あらゆる方向から飛んでくる魔法を全て切り刻む事ができた。


剣を振るスピード、身体の使い方、状況判断など全ての面で昨日の俺とは比べ物にならないくらいに成長している。

だが、それだけ力量が上がってもまだシュウに勝つイメージを作れない。

シュウの強さに思わず苦笑を浮かべるしかないが、同時に越えるべき壁の高さがやる気を刺激する。

俺の世界にいたときは、こんなに困難に立ち向かう時に楽しさを持てなかったはずだったのだが、この世界に来てからは、どうやら性格も少し変わったみたいだ。


今はその変化を喜びつつ、訓練を続ける。

武器を変えて、再び同じように訓練していくが、どうやら身体の動きは多少の応用が効くので良かったが、他の武器に変えた途端に魔法を防げなくなった。

これはおそらく、カリバーンとブラーク以外でシュウと相対していないためだと思ったが、あまりの差に動揺を隠せなかった。

昨日までは多少扱いの差があったとしても、これほどの差はついていなかった。

改めて、シュウとの戦闘の濃密さを思い、今日の対戦が楽しみになってきた。


それでも流石は俺の身体で、物覚えの早さは相変わらずなので、しばらくすると他の武器の扱いも上手くなっていった。

だが、まだまだカリバーンとブラークには遠く及ばず、シュウとの戦闘で使うには物足りないのは言うまでもなかったが。

こうして、シュウに勝つイメージを何とか作ろうと、動きを洗練させていく。

また、もしイメージで負けそうでも、決定打を受けないようにもしていた。


こうして、イメージの中でシュウとの戦闘を行って、実際に身体を動かしていると、知らない内に時間が過ぎていたようで、リナから呼び出しを受ける。


[リョウ、ご飯できたから戻ってきてね!]


[わかった、すぐ戻るから席順決めておいてくれ。]


朝食のため訓練を切り上げた俺は、再び静寂に支配される体育館に心地よさを感じながら体育館を後にする。

俺達の部屋へと戻ってくると、既に席順まで決まっていて俺の帰りを待つだけだったようだ。


「遅くなって済まない、それじゃ食事を始めよう。」


俺の一声でそれぞれの食前の挨拶を終えて、朝食を食べ始める。

出される料理はいつもとあまり変わらないのに、それぞれの工夫のおかげか、飽きる事がない。

そんな食事に満足して綺麗に食べ終えると、片付けを始める。

片付けも終わったところで、俺達はそれぞれ出掛ける準備を整えていく。

今日は俺達全員でマッドシルダー山脈に向かう予定なので、全員の準備が終わるまで待つ。

準備が整った所で、俺はみんなに声をかける。


「じゃあ、予定通り今日はマッドシルダー山脈に向かう、そこまでは俺が連れていくから安心してくれ、それじゃインセプションリングを着けてくれ、何か連絡があればリンクイヤーを使えばいい。」


そうして、俺を除いて全員がインセプションリングを着用する。

俺が着けないのは、歩く際の目印になるためだ。

こうして、部屋をあとにした俺達は一先ず学園を出る。

みんながはぐれていないのを確認したところで、俺はシナイルードンを全員分呼び出す。

今回はマドルも着いてきてもらったのと、ソルンが増えたことで数がギリギリだったが、エルンは自分で飛べるのでとりあえずは何とかなった。


シナイルードンに全員を乗せた所で、俺もインセプションリングを着けてマッドシルダー山脈を目指す。

初めての空中旅に嬉しそうなハーレムメンバーたち。


[リョウ、景色がすごいキレイだよ!、何か鳥になったみたいで楽しい!]


[こんな景色が見られるなんて、やっぱりリョウに着いてきて正解だったよー。]


[空飛ぶの楽しい、リョウありがとう。]


[リョウ様ー!、私感動です!、早く私も飛べるようになりますね!]


[リョウ殿は何でも出来るのだな、まさか空を飛べる日が来るとは夢にも思わなかった。]


[リョウといると、驚きの連続で飽きないわね、私もその内リョウを驚かしてあげるわ!]


[さすが旦那様ですね、私まで連れてきてくれてありがとうございます!]


[今日で2度目のリョウとの飛行だが、自分だけでなく仲間も飛ばせるとはな、やはりリョウは面白いな。]


[うわー、速ーい!、あたしもドラゴン状態なら飛べるけど、こんなスピード出ないよ!、早くあたしもスピード出して飛びたーい!]


それぞれから伝わってくる感想に、思わず笑みを浮かべながら空の旅を満喫していく。

やがて、マッドシルダー山脈に到着したので、インセプションリングを外し、全員に声をかける。


「さて、とりあえずは空の旅を楽しんでもらえてよかったよ、ここからは強力なモンスター達が出てくる、リナ達の実力があれば大丈夫だと思うが、油断はしないように、初めは俺も皆と戦うが、俺はシュウとの戦いに行くつもりだから、なるべく俺抜きで戦えるようにしてくれ。」


「それじゃ、次に隊列に関してだけど、初めは俺が決めるが、そのあとは自分達で自由に決めてくれて構わない、前衛はフラン、ソルン、ルイ、中距離にエルン、リンダ、マドル、スート、後衛はサクラとリナだ、連携に関しては戦闘中に修正しながら磨いていってくれ、なるべくみんなの予定が合う時はここで戦闘訓練しようと思っているからそのつもりで頼む、俺は後衛に入る、それじゃ行くぞ!」


こうして俺達はマッドシルダー山脈を進んでいく。

索敵は昨日のように俺がやるが、それだけでは俺がいなくなるとバランスが崩れる恐れがあるため、マドルとサクラにやり方を教える。

マドルは機械人形なのでわりと何でも出来る。

まあ、俺ほどではないが魔法、技をバランス良く使えるので、このメンバーの中でバランスを取る上で重要なメンバーだ。

サクラに関しては言わずもがなで、俺の索敵をすぐさま理解して自己流に使っている。


精度はまだ甘いが、もう少しやればすぐに慣れて、俺以上に扱えるだろう。

他の面々もそれぞれ優れた感覚を生かして、索敵をしていく。

昨日よりも、安心してここを歩ける事に感動しながら、あくまで補助として索敵を続ける。


すると、現れたのはリザマンだ。

早速仲間を呼び始めるリザマン。

まあ、この人数がいるので特に心配はしていない。

俺は後衛から皆の戦闘の様子を観察する。


「一筋の希望の光を生み出せ!、ルサフル!」


いざというときの為にルサフルの用意はしておく。

今回は、シナイルードンは使わない。

俺はシュウとの戦闘のために、このメンバーでの戦闘に問題が無ければ離れるつもりなので、俺がいる前提となるシナイルードンは使わない方が戦闘時の連携も組みやすいだろう。


こうして、タイニガーやグラゴン、そして昨日は見かけなかったミノタウルの上位種のような存在や、ティラノサウルスのような奴らもリザマンに呼ばれてきたようだ。

だが、どのモンスターも特別強い訳では無いようなので、このままリナ達に任しても問題は無さそうだ。


こうして、戦闘を観察していると、最初にマドルが全員に支援魔法をかける。

次に突っ込んでくるタイニガーをフランが盾で受け止め、その隙ににルイとソルンが攻撃を加えて仕留める。

続くモンスター達には、エルン、リナ、リンダが攻撃を加えて弱らせたり、仕留めている。

技の準備を整えたスートと魔法の準備を終えたサクラが増援に来るモンスター達に狙いを定める。


《ストルピア!》


《フォースマジックシャワー!》


以前よりも強化された2人の技は増援にきたモンスター達を殲滅していく。

追撃にきたモンスター達も前衛のフラン、ルイ、ソルンに次々と斬り伏せられていき、リンダ、エルン、リナは前衛の3人に当たらないようにそれぞれ攻撃を加えていく。

1度、全員で戦ったため、連携に関しては問題ないみたいだ。

もっと要求するなら、改善点は多いが、それは少しずつ合わせていけばいいだろう。

こうして戦闘が終わったのを見て問題がないのを確認したところで俺は全員に声をかける。


「さすがみんな成長しているから安心して見てられたよ、その感じで戦えば問題ないだろう、あとは色々と試行錯誤して最高の連携を磨いてくれ、じゃあ俺は当初の予定通りシュウと戦闘してくる、またあとでな。」


そういって俺はみんなと離れ、障害物のないひらけた場所へと出る。

そこでシュウからもらった笛を吹く。

ピューと良い音が鳴り響くと、少ししてシュウが俺の前に現れる。


「昨日ぶりだなシュウ、そんじゃ早速戦いを始めようか、(はじめ)の剣、ブラーク!、ウエイトマジック、レインボー!」


〈本当にオレともう1度戦いに来るとはな、やはりオレの目に狂いはなかったな、良いだろう、戦いを楽しむとするか、我を導く刃、ソーディアン!〉


それぞれの武器を呼び出し、構えた俺達はフェイントを掛けながら攻撃を仕掛けるタイミングを探る。

魔法をいくつか放つが当然のように斬られる。

まあ、予想通りなので特に気にはしない。

俺の身体強化、剣のオーラ状態と準備を万全に整えた所で、俺は先制攻撃のために踏み込む。

同じくシュウも同じタイミングで踏み込んで来る。

こうして、俺とシュウの戦闘が始まった。

次回更新は6/8です。


引き続き、評価、レビュー、感想、ブックマークをよろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ