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憧れの異世界で:(旧名 異世界来ちゃった)  作者: ソ土ルク、
第2章 エジマリフ魔導学園編
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38.マッドシルダー山脈

リョウ視点です。

今日もいつも通りに起きると、リナ達は既に訓練に行っているようなので、俺は本校舎の体育館を目指す。

この時間に人と会うことは少ないが、いつ絡まれるかわかったものではないので、一応人払いの魔力を放出しておく。

こうして、体育館に着き、訓練を始める。



内容は昨日と変わらず、基礎作りとマテリアマジックの訓練だ。

少しずつではあるが、確実に昨日よりも強くなっているのがわかる。

出来ることなら、このままか、もっと早いペースで成長していきたいと思いながら訓練を続ける。


こうして一通り訓練を終えた所で、呼び出しがかかったので、部屋へと戻る。

今回は無駄に絡まれたりもしなかったので、丁度良いタイミングで帰ってこられた。

今日は料理担当の全員でご飯を作ってくれるようだ。

そして並べられた料理は見るだけでも涎が溢れる程美味しそうで、食べると幸福感と満足感を感じられた。


料理を食べ終えると、それぞれが予定に合わせて行動していく。

今日の自由日はエルンとなので、モンスター狩りに行こうと思う。


「エルン、今日は一緒にモンスター狩りをしよう、出来ればエルンがいっつも狩り場にしているところまで行きたい。」


『ああ、構わないぞ、それじゃ少し遠いから早めに向かおうか。』


エルンの持ってくるモンスター達はこの辺りでは見たことがなく、そこそこの強さを持っているようなので、俺はエルンの狩り場を目指すことにした。

学園から出て、人気のない街中に来ると、エルンが羽を広げた。


「え、まさか飛んで行くのか?」


『もちろんだ、この辺じゃ相手にならないモンスターしかいないからな、遠出しないと元が取れないんだよ。』


多分気を付けているのだろうが、これで町の人々に見られたりしたら面倒だな。


「エルン、これで町の人に見られたりしたら困ったことになる、今から俺が対策の為の道具を作るからそれまで待ってくれ。」


『リョウの装備がもらえるのなら、いくらでも待とう!』


とりあえず納得してくれたので、俺は道具生成で姿を隠すインビジ、気配を惑わす陽炎、狙われにくくするハイド、音を消すスニークを込めた指輪を10個作る。

この指輪はインセプションリングと名付ける。

いずれこういった物を使う機会もあると思うので、全員分作っておいた。

これで、町の人に見つかる心配はないだろう。

あとは、俺の移動手段だがこれにはあてがあるから問題ないだろう。


「これを着ければ気づかれる事はない、まあ相手にも見えなくなるのが欠点だが、俺たちならリンクイヤーでわかるからなんとかなるだろう。」


『相変わらずリョウは便利な物を作り出すな、これで移動が楽になるわけだな。』


「ただ、このインセプションリングを着けていても、その場に俺たちはいるわけだから攻撃を受けたりすれば普通にダメージをくらうし、第六感が優れているモンスターにはあまり効果がないから気を付けてくれ。」


『そのくらいの事なら問題はないさ、そもそも訓練も兼ねて戦っているからな、弱くなりすぎたら困ってしまうさ。』


「まあ、現地に着いたらインセプションリングを外せばいつも通りに戦闘ができるだろうから問題は無いんだけどな。」


こうして俺とエルンはインセプションリングを装着して今回のモンスター狩りの目的地を目指す。

俺は場所を知らないので、今回はエルンに着いていく。

どれだけの時間がかかるかはわからないが、問題がないのならこれからはそこへ狩りに行く事にしよう。

それに、インセプションリングさえあれば門の閉門時間を気にせずにモンスター狩りに出掛けられる。


[それじゃあエルン、道案内頼むよ!]


[ああ、任せろ!]


そうして、エルンが翼をはためかせて空を飛んでいく。

俺の目は相手の魔力や生命力も見えるので、インセプションリングを着けている状態でも姿を見ることができる。

ただ、音はスニークで遮断されてしまうので、会話はリンクイヤーを通してのものになる。


俺はシナイルードンの1つに乗り、エルンを追っていく。

予想通り、俺の意思で動くシナイルードンは問題なく空を飛ぶことができた。

スピードも俺の操作次第でいくらでも速く出来そうなので、色々と試行錯誤を繰り返しながらスピードを調整していく。

とりあえずエルンのスピードに追い付く事は出来るので、離される心配はない。

まあ、離されていてもリンクイヤーで場所の特定は出来るので問題はないのだが。


そしてしばらく飛行すると、エルンは山に降りていった。

おそらくここが目的地なのだろう。

俺もエルンに続いて降りていく。

ここは深い霧と、標高が見えないほど高い山がいくつも並んでいた。

まさに秘境といった感じの場所で、人の気配は感じられなかった。

インセプションリングを外した俺たちは、早速モンスターを探しに行く。


「エルン、ここは何て場所なんだ?」


『ここは全種族の間でもモンスターが強すぎて、一部の強者か恐いもの知らずの馬鹿しか来ない場所の1つで有名なマッドシルダー山脈だ、私達天使族もよく訓練の為にここに来たものだよ。』


「そんなにモンスターが強くて大丈夫なのか?」


『リョウやリョウの側にいる事を決めた私達なら、丁度良い相手だろう。』


「え、何?、俺たちってそんな危険な場所でも戦える実力なの?」


『ほんとにリョウは自分の実力をわかっていないな、リョウの実力は下手をすれば今でもこの世界のトップクラスだぞ?、そもそも私を含めたメンバーを1対8で圧倒するなど普通はあり得ないんだ、しかもどこぞの雑魚たちならまだしも、この山で戦える実力者なら尚更だ、まあ武術大会だったか?、それに出てみればわかるはずだ。』


知らない内に俺はこの世界でもトップクラスの実力を持っていたらしい。

だが、そうやって考えるのはかなり危険だ。

俺はまだまだこの世界を知らないし、エルンに関しても、天使族以外と過ごしてきた時間はあまりないだろう。

なら、まだ知らない強者もいるかもしれないし、そもそも武術大会で仮に圧勝出来たとしても、所詮は学生レベルだ。

もし、俺の実力が本物だと確信できる機会があるならそれは卒業したあとだろう。

それまでは、慢心せずに実力を磨いていこう。


こうして俺とエルンはマッドシルダー山脈を進んでいく。

深い霧で視界はかなり悪くなっているが、俺の目にはあまり影響はなかった。

だが、ピット君は俺の目と同じではないため、霧の影響をモロに受けてしまい、索敵をすることが出来ないみたいだ。


仕方ないので、俺はピット君による索敵を諦め、自分の目で索敵することにした。

しかし、それだけではどうしても索敵が甘くなってしまうので、他にも方法を考える。


そして、昨日精霊短剣ダスガリットで魔力を通して記憶を読み取った事を思い出した。

あれの応用で、魔力を通してモンスターを索敵出来るかもしれないと思った。

ダスガリットのように魔力を直接相手に流すことは出来ないが、魔力が接触すれば何かしらの反応があるはずなので、その反応で索敵をしていく事にした。


早速、スプリッドテリトリーで広がった魔力操作の範囲で索敵を行う。

すると、モンスターは独特の反応を示すので、簡単に見つける事が出来た。

反応を頼りにモンスターの元へと向かう。


そこには、虎のような生物がいて、今まで出会ったモンスターとは比べ物にならないほどの存在感を持っていた。

まあ、ソルンから出たドラゴン程の脅威は感じないが。

エルンは嬉しそうな表情を浮かべていた。


『早速、タイニガーの登場か、リョウ、こいつはこの山の中でもトップクラスの強さを持っている、力試しには丁度良いぞ?』


「いや、それ力試しって言わないからな、まあとりあえず戦ってみるか、遮るものを突き破る我が矛!、トライゴルク!」


今回は訓練に来ているので、未だに決定力に欠けるトライゴルクを使うことにした。

頃合いを見て、フリスネイドにも切り替える事にする。

こうして、俺とエルンのモンスター狩りが始まった。


次回更新は6/4です。


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