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憧れの異世界で:(旧名 異世界来ちゃった)  作者: ソ土ルク、
第2章 エジマリフ魔導学園編
53/141

34.意外な一面

リョウ視点です。

グラフォルン洞窟に入ると、中は発色する苔のおかげで明るく、見通しもよかった。

通路の広さもそこそこあり、俺たちは2チームを保ったまま進むことが出来た。

一応ピット君で偵察と索敵をしていく。

敵の強さがわからないので、危険そうならすぐに引き換えそう。


ここから少し進むと、別れ道に出るようだ。

丁度2チームいることだし、そのまま右と左で別れていこう。


「フラン、シャームこの先の別れ道は俺達が左にいくから、2人は右に行ってくれ、2つ程シナイルードンの指揮権を渡すから、危なくなったらこれを使って時間を稼いでくれ。」


「わかった、じゃあ気を付けてな。」


《きちんと監視してくるから安心していてくれ。》


俺はフランの言葉に不安を感じ、複雑な表情になるが、まあリンクイヤーがあれば状況も理解できるから何とかなるだろう。

こうして、俺達のチームが左へ向かっていくと、少し先にモグラと、コウモリがいた。

ある意味定番の組み合わせだが、コウモリの音波が面倒だし、モグラは地面に潜ってしまって攻撃できない。

しかも2体とも俺たちより大きいので、威圧感もある。


まあ、生命力や魔力が見える俺からしたら威圧にもならないのだが、ブラックアサシンのメンバーには効果的だったようだ。

俺はこのままではまずいと思い、中々動けないブラックアサシン達に指示を出す。


「俺はいつでも君たちを守れる態勢を作っておく!、だから今は勝てないというイメージを払拭するために、まずは俺抜きで戦ってくれ。」


俺の言葉に不安そうに頷くブラックアサシン達。

さすがにさっきの戦闘を見れば、馬鹿でない限りは逆らわないだろう。

だが、それはそれで面白くないため、きちんとコミュニケーションを取っていく。

大半はシャームの話で、たまに戦闘について聞いてこられたりした。

少し打ち解けてきた頃には、実戦を積んだおかげで動きが良くなっていた。


ここで俺も参加して、俺の気付いた所々で議論しあいながら奥へと進んでいく。

すると、色んな生物を混ぜ合わせたような生き物、俺が名付けるならキメラってとこだろうモンスターにあった。

こいつもミノタウルと同じでレアなモンスターらしい。

ここに来るまでに戦闘経験を磨いていたブラックアサシン達は、初めこそ威圧を受けたものの、すぐに突破してキメラへと斬りかかる。


効いてはいるが、相手の肉や皮膚が強靭なのか、斬り傷は付けられても、決定打を打ち込めない。

その間にキメラもこちらに攻撃してくる。

だが、いくらレアとはいえ、精々ここの洞窟に出るモンスターより少し強いくらいなので、シナイルードンで余裕で攻撃を捌ける。

その間に、ブラックアサシンの面々が技や魔法を構築し始め、キメラへとぶつける。


だが、魔法にも少しは耐性があるようで、これも決定打にはならなかった。

まあ、それのおかげで少しは敵の動きが鈍ってきたので、俺は更に攻撃する時に動かす筋肉などを狙っていく。

こうして更に動けなくなると、ブラックアサシン達が再び攻撃を始める。

今度はもうキメラは避ける力も無いくらいボロボロになっていたので、無事に仕留める事が出来た。


全員の動きも戦っている内にわかってくるし、お互いが何したいのかも少しずつわかってきた。

それに伴い、連携の質も上がっていき自信も付いてきたようで、のびのびと戦闘している。

さて、あまり奥に進みすぎるとオーノスに帰れなくなってしまうので、シャームとフランに連絡を取る。


「2人とも、時間も経ってきたから入り口で合流しよう、素材は俺が4、ブラックアサシンが6って割合で頼む。」


「色々ともらってばかりで悪いな、この恩は仕事で返すぜ。」


《気楽なものだな、もう少し緊張感も必要だと思う!》


フランはこういっているが、実際に向こうのメンバーは少し年を重ねた人達が多かったのをリンクイヤーで確認しているので、きちんと教えて上げる。


「自由時間まで俺達が管理しなくてもいい、むしろ全部やろうとするのは人手と時間も足りないし、どこかでガス抜きした方がパフォーマンスも良くなるからな。」


《だけど、ここはまだ敵の本拠地なんだぞ!》


「そうやって、魂積め過ぎてもかえって逆効果になることもあるってことを覚えとくといいよ、それにちょこちょこ見ていたが、シャームの指示にミスは少ないし、優秀だと思うぞ?、むしろフランは、自分勝手に動きすぎだ、もう少し周りを頼りながら、広い視野を持って戦闘をやってくれ。」


《わかった、アドバイスをありがとう、また戦闘が始まりそうだから、色々と試してみる。》


「ああ、そんじゃ2人ともがんばれ!」


こうして俺たちは洞窟を戻っていく。

途中にモンスターの群れが出てきたが、もう慣れてきたので難なく倒すことが出来るし、素材も回収出来るようになった。

とりあえずの偵察は出来たので、次はもっと進んでみることしよう。

先に入り口に着いた俺たちは、緊張感を長い間溜め込んでたメンバーから各々休んでいき、雑談をしながら盛り上がっていた。


しばらくすると、シャームとフランが言い争いをしながら返ってきた。

主に戦闘についてなのだが、どちらの主張も正しくはあるので、俺は頼られたら困るなと思いながらも仲裁する。


「さて、全員揃ったし町に帰るぞ?、町でゆっくり休めるようになって初めて今回の依頼が終了だから油断はするなよ?」


俺の言葉に全員が頷き、ウィダル荒野へと戻り、モンスターを狩りながらオーノスへと向かっていく。

さすがに、洞窟で戦えるようになっただけあって、この辺の敵は相手にならなかった。

まあ、素材集め兼金稼ぎのような感じでモンスターを狩っていって、無事にウィダル荒野を抜ける。


ボグールドの沼地に入る前に、もう1つ魔法の絨毯を用意して、2チーム別れて乗っていく。

最初の操作に手間取ったシャームだったが、持ち前の処理速度ですぐに扱えるようになり、スムーズにオーノスへと帰ることが出来た。


「それじゃ俺たちはアジトに帰るから、また何かあったら連絡してくれ。」


「ああ、そっちこそ困ったら声を掛けろな、俺の傘下にいる以上は全力で守らせてもらうからな。」


こうして俺たちは別れて、俺とフランは学園へと戻っていく。

少し早めに帰ってきたので、折角だし町でデートもどきでもするか。


「フラン、今日は慣れないことばかりやらせて悪かったな、お詫びになるかわからないが、今から町を少し歩かないか?」


《くっ、りょ、リョウ殿はズルいな、完璧なタイミングでフォローしてくるのだから、もう何ていって言いかわからなくなったではないか!》


そういって顔を紅くして慌てふためくフランは何となく新鮮で、普段真面目で冷静な分ギャップが激しくて、何というか微笑ましい。

そんなフランの手をサッと握り歩いていく。

恥ずかしいのか、顔を紅くして下を向くフラン。

そんなフランをちょくちょくからかいながら、町を歩いていく。


「フラン、どっか行きたいお店はないのか?」


《鍛冶屋で武器と防具を見ておきたい、リョウ殿の装備に文句がある訳じゃないのだが、今はどんな武器が主流なのか等を見ておくのも悪くない。》


相変わらず真面目だなと思いながら、デートなのに鍛冶屋に向かう面白さに笑いを堪えるのに必死だった。

フランの希望でいくつか鍛冶屋を回ってみたが、今のところ、俺の作った武器と匹敵するようなものはなく、機能も俺のに比べると劣っていた。

だが、やはり腕は必要だが、素材から作った装備はわりと慣れれば誰にでも作れそうだった。

やり方も見てきたし、鍛冶道具等必要な物も聞いてきたので、道具生成の練習としてみんなに試してもらおうかなと思った。


必要な物は俺が全部道具生成でまかなえそうだったので、特に買うものはなかった。

そのあともいくつか鍛冶屋を回っていると、リンダからご飯の呼び出しがかかったので、俺達は部屋へと戻った。


リンダの料理は正直期待していなかったのだが、悔しい事にリナに勝るとも劣らない料理の腕だった。

本当にスペックの無駄遣いだと、何となく料理の苦手な人達に同情したくなる俺だった。

恒例の今日の添い寝くじ引き大会を制したのは、サクラとエルンだった。

フランはスートと同じように俺の上へ、サクラが左、エルンが右で寝ることになった。


今日はブラックアサシンから襲撃を受けて、何者かの暗躍する連中がいることがわかった。

これから裏の情報をブラックアサシンを通じて集めるとしても、警戒するのにこした事はない。

早めに問題を解決して楽をしたいなと思いつつも、今は手がかりが偽名しかないためどうすることも出来ない。

ブラックアサシンからの報告次第動くことにしよう。


みんなの寝息が聞こえてきた所で、俺も眠くなってきたので、そのまま意識を旅立たせた。


クラストーナメントまであと4日!


次回更新は5/31です。


皆さんのおかげでポイントが遂に100を越えました。


引き続き、評価、レビュー、感想、ブックマークをお待ちしていますので、これからも「憧れの異世界で」をよろしくお願いします!!

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