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憧れの異世界で:(旧名 異世界来ちゃった)  作者: ソ土ルク、
第2章 エジマリフ魔導学園編
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33.成長を願って

リョウ視点です。

《リョウ殿、この者達は金に釣られて私達を襲ってきたような連中だぞ?、私は手を組むのに反対だ!》


俺とシャームが結託した所で、フランが反対してきた。

まあ、何となくこうなるかなとは考えていた。

真面目過ぎるのも美徳ではあるが、時と場合によるな。


「フラン、確かにシャーム達は俺たちを襲ってきた、だが彼らにも守るべきものがあって、それのためにお金が必要だったんだ、そこを責めても仕方ないだろう、それにシャーム達を放っておけば今度は他のメンバーを襲っただろう、それにこれからもこういう事が起きそうな時に、あらかじめ知ることが出来るのは大きなメリットだ。」


《それはそうだがこいつらは、平気で金で人も殺す悪の連中だぞ!》


「人を殺すのが悪って考えは少し違う、こんな世界なんだ、何かを守るために人を殺さなければならない時もあるだろう、そういう時はなるべく俺がやろうと思ってたが、1人で出来ることには限界がある、だからこそそういった汚れ仕事を共にやる仲間が欲しかったんだよ。」


「確かに俺たちは依頼で人を殺すこともあるが、快楽で殺しに走るやつはいない、仮にそういう奴が出た時は、そいつを殺すっていうルールだからな、一応俺達にもルールはあるんだ、なんならリョウに言ってくれれば新たなルールを作ってもらっても構わない。」


「まあそういうわけだ、俺が正しいし必要だと思ったらルールを追加する、だからフランはもう少し柔軟に物事を考えられるようになってもらおうと思う。」


《そういった仕事なら私も同行させればいい、私だってそれくらいの覚悟はある!》


「俺はそんな役目も覚悟もみんなに負わせたくはないんだよ、そういうのはみんなを守る俺の役目だ。」


《私だって、リョウ殿に守られてばかりではいられない!、リョウ殿の為なら何でもすると決めた!》


「それなら、俺がもし道を間違えそうになった時は俺を止めてくれ、その為にも物事をもっと大きな視点で見てくれ、どうあがいてもこの世から悪はなくならない、だが少しでも抑制することは出来るかもしれない、これはその第一歩だ、わかってくれ。」


《わかった、リョウ殿の言葉に免じてここはリョウ殿の意見を聞く事にしよう、ただしこの者達が信頼できないと思った時は、しっかりとリョウ殿に潰してもらう、その為にも私が監視してもいいか?》


「俺はそれで構わないよ、フランにはもっと色んな経験を積んで欲しいからね、シャームはどうだ

?」


「まあ、俺たちを信用出来ない気持ちもわからなくはないからな、それでそっちが納得してくれるなら安いもんだ。」


「というわけだ、だがフラン約束してくれ、汚れ仕事を監視するのは構わないが手と口は出すな、納得がいかないなら、俺かシャームに言えばいい、それでも納得いかないなら納得させられるだけの案を出せばいい、それがルールだ。」


《わかった、きちんとそのルールを守ろう、まだ完全に信用は出来ないが、これからは仲間になるんだ、よろしく頼む。》


「こっちこそよろしく頼むぜ、フラン!、んでリョウ、これからどうする?」


「とりあえず、今からシャーム達には義足と剣を作ってやる、装備は随時配給していくからその受け渡しや連絡は俺が専用の道具を用意しよう、まずはここにいるメンバーだけ鍛えさせてもらう、教わったやり方を残りのメンバーに教えていってくれればいい、解らないことがあったら俺に連絡すればいい。」


「りょーかいだぜ、そんじゃ頼むぜ!」


俺はそこから剣と義足を人数分作っていく。

ひとまず、剣はシャームのよりも質は落ちるが、シャーム達いわくかなり良い物を作って渡した。

込めた魔力は、斬れ味を上げるキーンと自動修理のリペアだけで、意志も込めていない。

これからの働き次第で装備の質は上げていくことにする。

その判断はシャームに任せ、最後の見極めは俺がやることにする。


義足の方は、俺の魔力はわりと万能なので、俺の世界の義足よりも遥かに使いやすそうな物が出来た。

自動修理のリペアと身体と同化するシェイクをつけているので、感覚も前と変わらず使えるようだ。

見た目は仕上げに使用者の魔力を流してもらったので義足だとはわからない程になった。


彼らから片足を奪ったのは俺なのだが、ものすごい感謝されて複雑な気分になった。

義足にも慣れた所で、俺は恒例の魔力と生命力の扱いを教えていく。

俺もだいぶ慣れてきたので、今では教えるのもスムーズにできる。


こうしてしばらくすると、さっき戦った時よりも見違えるほど強くなったブラックアサシン達がいた。

これなら、少し先で戦っても大丈夫だろうと思い、訓練がてら人数を2つに分けてウィダル荒野の先のエリアを目指していく。

ピット君でもう1つのチームの動きは見ているので心配ない。


俺のチームはブラックアサシンのメンバー5人と俺の6人、もう1つはシャーム、フランとブラックアサシンメンバー4人だ。

こうやって分けた理由は普段とは違う戦い方に慣れてもらうためだ。

俺も彼らの動きを学び、時に教わりながら戦闘をこなしていく。


もう1つの方ではシャームとフランが事あるごとに言い争いをしていたが、大体はフランが言い負かされて悔しそうにしていた。

これで何かを学んでくれることを祈る。

一応、シャームには俺とブラックアサシン共用のゲートを持ったバッグを人数分とアジトに置く箱とリンクイヤーを用意した。


元から複数の情報を操るのに長けていたシャームはリンクイヤーの思考サポートのおかげで俺と視線を共有することも出来るみたいだ。

なので、試しにピット君を使わせてみると、3機までは問題なく使用できた。

なので、ついでに3機のピット君を追加で作ってシャームに渡しておいた。


段々と使い方に慣れていったシャームは俺のように索敵をしながら仲間を率いて、的確な指示を出していた。

思わぬ人材が手にはいって、俺は嬉しくなった。

いずれ、シャームのように指示ができるメンバーが増えていけば、かなりの戦力になるだろう。

俺達を始末する指示を出した奴との戦闘もこれからはあるかもしれない。

そんな時の為の戦力増強は必須項目だからな。

俺はいつか起こる戦いに密かに備えていく。


そして次のエリアへと移動する前に合流した俺たちは、次のエリアであるグラフォルン洞窟へとたどり着いた。

エリアといっても、明確な区切りがあるわけではないのだが、ある一定の範囲から出てくるモンスターが変わるため、それが目安となっている。

そういったモンスター達は自分達のエリアから外に出ないので、誤って迷い混んでもなんとかなるそうだ。


こうして俺たちは洞窟へと歩みを進めていくのであった。


次回更新は5/30です。


引き続き、評価、レビュー、感想、ブックマークをお待ちしていまーす!

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