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憧れの異世界で:(旧名 異世界来ちゃった)  作者: ソ土ルク、
第一章 ここ、異世界?
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5.村へ向かってしゅっぱーつ

リョウ視点とリナ視点です。

《私は、リナ=エルフィン、リナって呼んで。あなたのことはリョウと呼ばせてもらうね。まだ全てを信じた訳ではないけど、とりあえずの状況はわかったわ。もしよかったら私の村に来ない?寝るとことか無くて困っているでしょ?その代わりあなたの事を教えて?》


目の前のエルフの女性はリナというらしい。

いつの間にか俺の呼び方まで決められているが、まあそれは良いとする。

それでも突っ込む所がめっちゃある!


まず、こんな怪しい俺を村に呼んでくれるってどういうこと!?

あんな自己紹介した俺も俺だけど普通こんな簡単に警戒とかないよね!?


しかも、寝るとこ無くて困っているのわかるとかなに、エスパーなの!?

極めつけのあなたの事教えてってなに!?

これ小説とかで良く見る初めてのヒロインとの邂逅とかなの!?


いやいやいや、こんな可愛い子から言い寄られたらすげー嬉しいけどさ、だって俺だよ?

THE 平凡君代表の俺だよ?

何が起きてんの!?


リナの提案はとてもありがたかったのだが、混乱した頭の中では考えが中々まとまらない。

というか、一人ノリツッコミし過ぎて疲れてきた。

まあ、そこら辺は自業自得なんだけども、、、


ていうか、この状況(考察)なかったらかなり長い間無言でいることになったよね。

スキルに感謝感謝。


とりあえずいい加減現実に戻って思考をまとめよう。

まず、リナの提案はすごく魅力的だ。

リナもだけど、、、あー、こんな事考えてるとまた脱線する!


とりあえず村があってそこで休ませてもらえるなら、嬉しい限りだ。

寝床に困っていたし、この世界がどうなっているかもわからないし、元の世界に帰れる手段があるのかも不明だ。

それらを調べるなら人がいるところに行くのが一番だ。


とはいえ、この世界での常識も何も知らない俺が村や町に入ったところで問題になるのはめにみえている。

それなら、この世界の住人の紹介で村や町に入った方が色々上手くいくのではないかと思う。


確かに、俺みたいな異世界から来たような人物が討伐対象になったりする可能性もあるが、どっちにしろいつかは村や町に行きたいと思っていた。

それなら、この機会を活かして異世界を楽しもう。


「俺の事を少しでも信じてくれてありがとうございます。リナさんの村に是非行ってみたいです。リナさんが満足するかはわかりませんが、俺が話せることは話します。」


そうリナに伝えた。

後から話せない内容もあるのかと疑われるような言い方だったことに気づいたが、既に言ってしまったため、どうにでもなれと思い、考えないようにした。


《じゃあ、今から案内するね。あと、そんな堅苦しい言い方じゃなくていいよ。名前も呼び捨てでいいし、お願いね。》


そんな事を満面の笑顔で言われたら対人経験の少ない俺には刺激が強すぎる!

しかも、呼び捨てにいつも通りしゃべれってハードル高すぎだし、そろそろ緊張とドキドキで心臓止まりそう!!!


ただ、あんな可愛いお願いをされたからには答えるしかない。

そんな事を考えながら勇気を出して会話する。


「わかった、リナこれからよろしく!」


これだけで俺の精神力が限界に近づいてる気がする。

(精神耐性)もこういうのには反応しないみたいだ。

便利なのか不便なのか、何とも言えない感情を抱いていると


《うん、こちらこそよろしく!村まで少し歩くけど平気?》


と、またもや満面の笑顔を受けた。


彼女は俺を殺す気なのだろうかと、その笑顔に悶えそうになるのを必死にこらえて、こちらも笑顔で答える。


「大丈夫!」


どれくらいの距離で、しかもどの程度のスピードで歩くのかわからないのに大丈夫と答えたのは、カッコつけたかったからなのか、頭の隅でそんな考えがよぎったが、舞い上がっている俺はそんなこともすぐに忘れ、


《じゃあ、しゅっぱーつ!》


「しゅっぱーつ!」


と、笑顔で歩き出す彼女に着いていく。

ペースが結構早めだが口には出さず着いていく。

これで徒歩1日とかだったら過労死するかもしれないと、かなり焦りながら村に向けて歩いて行く。



私は村までの道をいつもよりゆっくりと進みながらリョウとの会話を考えていた。

聞きたいことはいっぱいあるけど、何から聞こうか迷ってしまう。


村に着いてから落ち着いて話してもいいんだけど、村に着いたら村長に話したり、村の皆に紹介したりで時間はとれそうにない。


もしホントに別の世界からやって来たのなら、色々と私たちと異なる文化があるかもしれないし、そういうことも聞かないと、そんな事を考えながら歩いていると、


「村までどれくらいで着くの?」


と、リョウから質問を受けた。


会話のきっかけをくれたリョウに感謝しつつ


《このペースだと、日が沈む前には着くよ。ねえ、リョウが住んでいた所ってどんなとこ?》


日が沈む前に着くと言った時に安堵の表情を見せていたリョウが可笑しくて、自然と顔が綻んでいるのにまた可笑しくなり、楽しいなと思いながらいると


「俺が住んでいた所は、機械仕掛けで動いている乗り物とか、この森にある木よりも高い建物がいっぱいあって、朝も昼も夜も変わらず明るいところかな。」


私の想像もできないような景色を話すリョウ。

確かにリョウはこの世界の住人ではないのだろう。

学園に通っている私は、それなりに色んな場所へ行ったことがあるが、リョウの言ったような景色は見たこともない。

もしかしたらあるかもしれないけど、そんな所があったら噂くらいは聞いたことがあるはずだ。


改めてリョウが違う世界から来たのだとわかり、更に興味が湧いてきた。


「この世界にはどんな人がいるの?」


《私が知っているのは、人族、エルフ族、ドワーフ族、魔人族、竜族、獣人族かな。他にもいるらしいんだけど、かなり数少ない種族だったり、辺境に暮らしてたりするらしくて、見たことないんだ。》


私の知っている知識をリョウに話す。


人族はこの世界で一番多い種族で、身体能力はあまり高くないが、知恵を働かせることで様々な物を産み出したり、戦闘では身体能力を覆したりすることもある。


私達エルフ族は、森で生きてきた種族で、森では誰にも負けない機動力とそれを活かした戦闘を得意とする。

また、寿命が長いため、若い期間が長く、死期が近づいてくると一気に年を取り、老衰を迎える。

私はまだ若い方だけど、100年生きている。

それをリョウに言うと、驚き過ぎて声もでないようだった。


次にドワーフ族は、力が強い代わりに小柄な人が多い種族で、鍛冶師や道具屋など商人として活躍してることが多い。

強面な人が多いが義理堅く、言葉遣いのわりにとても優しい。

寿命は人族より少し長いくらいならしい。


魔人族は高い身体能力と、魔法能力を持っている。

見た目も紫色の肌と、頭に二本の角が生えているため、人族に恐れられ、迫害や奴隷化などを行われているため、仲が悪い。

どちらかといえば気性が荒いため、付き合いが難しいように思うが、仲間思いであり仲の良い者には全力で力を貸す種族である。

寿命もエルフと同じくらい長いため、豊富な知識を持つ。


竜族はこの世界で最も寿命が長く、全ての能力において優れている。

他種族を見下すこともあるが、こちらの話に価値を感じると、礼節を持って対応してくれる。

長い時を生きているため、保有する知識量は膨大で今は失われた知識を持っているという噂もある。

滅多に人前に姿を表さないため、どこにいるかはわかっていない。


獣人族は、戦闘民族であり、身体能力は竜族に勝るとも劣らないとされている。

その身体能力故に魔法は使えないため、人族や魔人族から見下されている。

しかし、彼ら獣人族は礼節を重視していて、その真面目さと、礼儀正しさは他の種族が見習うべきである。

また、仲間を何よりも大切にし、仲間のためなら命を捨てるくらいの気持ちを持っている者が多い。

ただ、戦うのが好きなため、話し合いよりもお互いの拳で語ろうとすることが多い。

寿命はドワーフ族と同じくらいとなっている。


つい、勢いで本で読んだ内容や、私の実体験を話してしまったが、リョウは一言一句逃さないというくらいに真剣に聞いてくれた。


その事が嬉しくて、村までの道のりがとても楽しかった。



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