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憧れの異世界で:(旧名 異世界来ちゃった)  作者: ソ土ルク、
第2章 エジマリフ魔導学園編
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30.模擬戦を終えて

リナ視点とリョウ視点です。

私は戦線離脱して、少し離れた所からこの戦いの決着を見守っていた。

結果はリョウの圧勝だった。

確かに最後のサクラの魔法や、最初の連携攻撃等でてこずっていた瞬間もあったけど、私達は結局リョウに一撃も攻撃を入れられなかった。


始まる前に私は、《1対8なんて私達をなめてるの?》、リョウに言った。

けれど、実際にリョウの実力を正確に把握していないのは私達だった。

リョウに色んな事を教わって、前よりも強くなってきた自覚はあったし、時々やる模擬戦でも私達の勝率はかなり高かった。


だからこそ、少し天狗になっていたのかもしれない。

リョウは確かに強いけど、私達8人で戦えば十分戦える、そう思っていた。

だけど、今私達がやっている戦い方の基礎はリョウが教えてくれたもので、多少アレンジしていても、それはまだ基礎段階でリョウが少し見れば真似できてしまうくらいのものでしかなかった。


それを私達はオリジナルの必殺技として誇っていたのだ。

今思うと恥ずかしくなる。

これからは慢心せずに、初心を思いだそうと思った。

そもそも、私が強くなろうと思えたのはリョウの側にいて、彼を守るためだ。

今は周りに一緒にリョウを守ろうとしてくれる仲間もいるけど、そういった油断も今回の負けに繋がったのだと思う。


仲間を頼るのは悪いことではないけれど、仲間に依存するのは良くない。

こうして課題に気付けただけでも、今回の戦いは私達の為になったし、周りに女の子が増えたから中々リョウに相手にしてもらえる時間がない所で、こうやって私達の全てをぶつけられる場所を作ってくれるのはほんとに嬉しい。

それに、リョウの想いも伝わってきた。


私達をどれだけ大切にしてくれているか、私達に対する誠実な想い、絶対的な信頼など、こちらが思わず照れてしまう程の思いの丈だった。

同じく戦闘を終えた他の仲間の方を見ると、みんな戦闘の緊張感から解放され、リョウの想いを改めて思い出しているようで、恥ずかしそうにしている。


私も含めてだけど、これだけの人を惹き付けてしまうリョウに改めて尊敬と愛しさを感じた。

戦闘を終えたリョウは、私達1人1人に声を掛けているみたいだ。

こうやってサラッと私達の評価を獲得していくあたりが天然たらしの由縁なんだろうなと笑いそうになりつつ、最後に私の番が回ってきたみたいだ。


「リナ、お疲れ様、戦闘を終えた感想とかあるか?」


《リョウもおつかれ!、リョウの気持ちが伝わったっていうのと、リョウへの気持ちを再確認できたって所かな!》


「そ、そっか、無いとは思ったんだが、私やっぱり成長してないとか悩んでないか心配だったんだけど、杞憂だったみたいで安心したよ、それにリナは確実に強くなってる、出会った時とは比べ物にならないくらいね、だからこれからも一緒に強くなろう。」


《うん!、そういってもらえて嬉しい!、こちらこそこれからもよろしくね!》


そういって私とリョウは笑顔を向け合う。

そんなリョウを見てたらちょっと悪戯をしてみたくなった。

私は握手という名目で手を出す。

リョウも首を傾げていたが、握手に応じてきた。

そんなリョウの手を引っ張って私に身体を引き寄せて、唇を奪ってあげた。

突然の事で慌てふためくリョウを超至近距離で見ながら、私は幸せを噛み締める。


ファーストキスだったが、リョウにあげられて良かった。

リョウ、私の気持ち伝わった?、私はいつまでもリョウの事を愛してるよ。


∨∨∨


突然リナにキスされた俺は、何が起こったか最初は理解できなかった。

段々と状況が理解できてくると、俺の許容範囲を大きく超えてしまったので慌てふためいてしまったが、唇から感じる感触と、幸せそうで少し恥ずかしそうなリナの表情、リナから伝わる愛情に自然と俺も落ち着き、幸せな気分になった。

俺は空いた片手でリナを抱き寄せて、より密着する。


リナの愛情は伝わったから、今度は俺の想いを伝える番だ。

リナ、周りに女の子ばっかり増えてしまったけど、俺の1番はリナだけだから、俺も愛してる。

俺の気持ちをキスに乗せて届ける。

俺の想いが伝わったようで、ほんとに嬉しそうな顔をするリナを見て、俺も満足した。

唇を離した時、お互いに名残惜しい気分になったが、周りの声が俺たちを現実に戻した。


《ちょっとー!、何2人の世界作り上げてるのー!、ずるいよー!、私もキスするー!》


《今日は私の自由日なのに、あとで私もする。》


《リョウ様!、私実は呪いをかけられてましてキスしないと解けないんです!、お願いします!》


《ふむ、自由日ではないリナにキスを許したということは、私達もしていいということだな、リョウ殿、準備はいいか?》


《まあ自業自得よね、じゃあ私にもお願いね。》


『マスター、もちろん私にもしてくれるのだろう?』


《あたしもキスする!》


「待て待て待て!、近づいてくるな!、わかったから!、後日最高のタイミングでキスするから今は待って!」


俺の言葉聞いたハーレムメンバー達はとりあえず落ち着いてくれたようだ。

俺がリナの方を見ると、てへっという効果音が聞こえてきそうな笑顔で舌を出していた。

やられた!、リナはこれも狙ってたのか!

まあ、リナとのキスは嬉しかったので気にしない事にしよう。

だが、問題は後日のキスシーンだ。

最高のタイミングと言ってしまった手前、下手な事はできない。

気が重くなりながらもプランを考えておくことにしよう。


さて、とりあえずの目的だった全員の力量は把握できた。

思ったよりもみんな成長していて、実力も上がっていた。

明日、ピット君で校内を散策して、リナ達より上の実力を持つ人達を探してみよう。

まあ、俺たちに絡んでくる馬鹿共のような奴らばっかりだと拍子抜けだからやめてほしいが。


俺が知る限り、今のリナ達とまともな戦いが出来そうなのは、俺らのクラスではシンやアジル、それとフウトくらいだろう。

他クラスだと、イルデとドーラくらいだろう。

その他の代表達はこういってはなんだが、おはなしにもならなかった。

まあ、トーナメントをやってみればその辺もはっきりするだろう。


しかし、思ったよりも俺単体の戦闘力は高かったみたいだ。

まさか本当に1対8で勝てるとは思わなかった。

もちろん負けるつもりは更々なかったが、正直かなり勝ち目も薄いし、苦労するものだと思っていた。

だが、結果は圧勝だ。

戦闘中の(分析)がいかに役立つかわかった気がした。

しかも俺は戦闘中にも常に成長することが出来ていた。

これは、同格や格上と戦ううえで絶対に必要な事であるため、他のみんなも出来るようなってほしいなと願う。


このあとはチームを分けて戦おうと思ったのだが、これだと俺がいるチームが勝ってしまって面白くないな。

まあ、実力把握は出来たし、今日は武器の訓練をすればいいかと思っていると、マドルから呼び出された。


[みなさま、夕飯の支度が出来ましたのでお部屋にお戻りください。]


[わかった、すぐ戻る!]


あれ、今日は1人で食事の準備をしていたのか?

まあ、俺が突然1対8の戦いをお願いしたからな。

予定がズレてしまったのだろう。

でも、あの部屋に10人で寝ることになるのか。

さすがに少し狭くなるな。

確か学費は大金貨3枚だったな、それで寮の個室の支払いが足されて、大金貨3枚と金貨2枚か。

今の資産がどのくらいか確認してみんなの分も学費を払ったら家を買うのもありかな。



明日はフランとの自由日か。

何となく、買い物とかをフランとはしてはいけない気がするから、明後日のサクラとの自由日に町で家とかを見てみよう。


まあ、足りないようならまた稼ぎにいけばいいだろう。

そんな事を考えながら俺たちは体育館を出て俺たちの部屋へと向かう。

今日は馬鹿な奴らに絡まれずに済んでよかった。

まあ、俺がピット君で道中を警戒していたから心配はいらなかったのだが。


部屋に着くと、美味しそうな匂いとテーブルいっぱいの料理が用意されていた。

俺はいつもの席に着いて、俺の側を争うハーレムメンバーを見ながら、席順が決まるのを待つ。

まあ、スートは自由日俺の側で席順争いを眺めているが。

あみだの結果、スートとサクラが俺の側になった。

リンダと違って食べてる姿をガン見されないので、とても楽しい食事だった。

まあ、時々唇に視線を感じたのは気付かなかったことにする。


さて、あとは寝るだけだが、ここでもやはり俺との添い寝をかけた戦いがある。

もう慣れたので見てる分には楽しいのだが、毎日よくやるなと思いながら結果を待つ。

スートは俺の上に乗っていて、リンダが右、ルイが左になった。

リンダの息が荒い気がするが、まあいつもの事だし、気にしても仕方ない。

やっぱり何度経験しても、理性を抑えるのには苦労するが、大分早い段階で落ち着けるようになった。


そうなれば眠くなるのは時間の問題だ。

みんなの寝息が聞こえてくると、俺も瞼が重くなり、そのまま意識を失った。


クラストーナメントまであと5日!


次回更新は5/27です。


これからも「憧れの異世界で」をよろしくお願いします!!


引き続き、評価、レビュー、感想、ブックマークをお待ちしていまーす!

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