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憧れの異世界で:(旧名 異世界来ちゃった)  作者: ソ土ルク、
第2章 エジマリフ魔導学園編
48/141

29.1対8

リョウ視点です。

開始の合図と共に、サクラとリナからの魔法と矢の嵐、リンダの自在剣、そしてスートの技が迫って来る。


《シャドウレイン!》


《アローレイン!》


《ストルピア!、ダブートピーア!》


詠唱やイメージの構築等がない分リンダの自在剣の到達が1番早い。

正面から防ごうとするのは愚策だろう。

おそらく、シナイルードンを避けて刃が迫ってくるだろうからな。

だからこそ、俺は側面からシナイルードンの1つを当てて攻撃を受け流す。

それでもすぐに軌道を変えられるのは、自在剣の強みだが、一度受け流された自在剣は威力と速度が落ちるので、対処は可能だ。


さて、問題はここからなのだが、無数の魔法と技が迫って来ている。

どれも追尾性能が付いてるようで、避けるのは無理だろう。

しかも、どう逃げてもエルンとフランが追撃できる準備をしていて、ソルンも正面から突っ込んで来ている。


数の利って凄いなと思いつつ、俺はシナイルードン8つ使い、4つで俺の上下左右を、ダブートピーアは正面から防げないので、2つで自在剣と同じように受け流して方向を変える。

魔法も矢も技も到達時間は若干ずれるので、そのズレを利用して、残りの2つで攻撃をあらゆる方向に反射させて相殺する。


守ってばかりでは勝てないので、俺も攻めることにする。


「アンリミテッドマジック、レインボー!」


まずは、魔法を展開させながら身体強化をして、正面のソルンに突っ込み、大剣とカリバーンで打ち合う。

受けてみて初めてわかったのだが、扱う時に重さはないが、攻撃を受ける側には重さがあった。

しかも、大剣をかなりの速度で振っているので、剣を合わせた瞬間に負けを確信した。


急遽、大剣を受け流すように剣の軌道を変える。

他のメンバーには、俺の強化された魔法で攻撃していく。

剣では勝負にならなそうなので、魔法で時間を稼いでいる間に、両手斧アノスブレイルを呼び出して、ソルンを先に戦闘不能にさせることにした。


「破壊の限りをつくせ!、アノスブレイル!」


今度は俺からソルンにアノスブレイルの一撃を放つ。

大剣を大きくして反撃するソルンだが、身体強化や(分析)等のおかげで、大きくした大剣を真っ向から力で打ち破り、魔法で止めをさす。

まず、1人目を落とすことができた。


次に俺の魔法を突破してきたエルンとの戦闘になる。

アンリミテッドマジックでレインボーを絶え間なく放っているため、リナ達の後衛に控えてるメンバーは相殺に手一杯のようだ。

だが、段々と必要になる魔法数が増えてるとこを見ると、突破も時間の問題になりそうだ。

フランも俺の作った盾で強引に突破してきたようで、エルンとの合流も早そうだ。


「戻れ!、アノスブレイル!、(はじめ)の剣、ブラーク!」


1番慣れているカリバーンとブラークの二刀流スタイルに変更し、エルンを手数で追い込む。

だが、流石は天使族の戦士で1本の剣で俺の手数を捌きつつ反撃してくる。

この辺は経験の差なのだろうが、今の俺には(分析)がある。

(並列思考)と合わせ、相手の動きを観察、動きの癖を把握し、イメージトレーニングを進める。

この一瞬で膨大な戦闘経験を積んでいる俺は、徐々にエルンの防御を突破していく。


だが、そこでフランが追い付き俺の攻撃を防ぐ。

すると、即座にエルンは技の構築に入る。

これはかなり厳しい。

俺が技を放ってもおそらくフランの盾で威力を落とされ、破られてしまうだろう。

しかも、残念ながらもうすぐリナ達が俺の魔法を突破しそうだ。

どうするか考えたところで、俺はスートを思い出す。


あの魔法槍改と技を合わせた攻撃はかなり強力だった。

2度も俺はあの攻撃を受けたため、俺にもやり方はわかる。

俺はカリバーンとブラークに7色の生命力を混ぜた魔力と生命力を集め、技と魔法の中間にして2つの剣を強化する。

そしてエルンの技を(分析)してそれを打ち破るイメージを確立させて、魔法を展開する。


「ウエイトマジック、アトミゼーション!」


これは、相手の技を相殺するためだけの魔法であり、相手の技に合わせるものなので、複数展開はしない。

アトミゼーションをいつでもエルンの技にぶつける準備をして、フランに突っ込む。


『ライフォルト!』


俺がフランにぶつかる直前に、エルンが技を発動させる。

これで俺がフランに上手く攻撃を防がれたら負けが確定するなと思いつつ、盾を構えるフランに技を叩き込む。


「ブレイソーシュ!」


カリバーンとブラークの2本に剣の強化はそのままに技を作り、カリバーンでフランに攻撃する。

俺の攻撃を受け流そうとしたフランだが、俺のこの技はそんなに優しくない。

受け流そうと盾を当てたフランだったが、俺の技が強すぎて当てた盾が弾かれ、ガード出来なくなったフランにそのままカリバーンが当たり、戦闘不能になった。


防がれる可能性を摘み取った俺は、アトミゼーションをエルンのライフォルトにぶつけて相殺させ、一気にエルンとの距離を縮め、ブラークに残しておいたブレイソーシュの技を叩き込んで、戦闘不能にした。


これで残りはリナ、ルイ、スート、リンダ、サクラの5人だ。

遂に俺の魔法を突破して反撃してきた。

だが、もう遅い、まだリンダの技は見ていないが、杖を持ったサクラを除き、他の3人の技は既に確認して、威力の(分析)も済んでいる。

俺は破られない技を放つため、ルサフルを呼び出す。


「戻れ!、ブラーク!、一筋の希望の光を生み出せ!、ルサフル!」


呼び出したルサフルを構え、技を発動させる。


「ブロデアーシャ!」


弓から放たれた5本の矢が5人に1本ずつ向かっていく。

リナとルイは技で対処しようとしたようだが、どちらも最初の技と同じものなので、既に対策をして技を放っていたので、防ぐことが出来ずに戦闘不能となった。

スートも何とか技を発動させようとしたみたいだが、この状態で少し溜めの必要なダブートピーアは打てない。


《ストルピア!》


だからこそ発動の速いストルピアを選んだのだろうが、残念ながらストルピアでは威力が足りない。

ブロデアーシャにより、簡単に突破されたストルピア、そしてブロデアーシャはそのままスートに命中し、戦闘不能となる。


《ブレイカー!》


サクラは俺のアトミゼーションのやり方がわかったのか、自分流にアレンジして技を相殺させた。


リンダは自在剣を使い、俺の技の軌道を変え、俺に向けて返してきた。

さすがに自在剣の扱いはリンダの方が上だな。

跳ね返された技だが、元は俺の技なのでイメージを作り替えて身体へと吸収させた。

5本の内の1本なのでそれほど回復はしなかったが、ダメージをくらわないだけマシだろう。


2人になったため、リンダは前衛に移動して俺に攻撃を仕掛けてきた。

サクラは得意の闇魔法を一点突破のために作り替えて放ってきた。


《アビスシャーダ!》


魔法にシナイルードンをぶつけて見るが、威力が落ちる気配がない。

受け流そうにも、魔法の威力が高くて軌道をそらせない。

さっき俺がソルンにやったのと同じような感じだな。

そちらに気を取られそうになると、リンダが絶妙なタイミングで攻撃を仕掛けてくる。


さて、あの闇魔法をどうやって防ぐか考える。

魔法破壊はあれを一点突破するエネルギーを作り出すのに相当苦労しそうなので使えない。

だが、あれは細かく操作できるものではなさそうだ。

俺は発想を変えて、大きめな魔法を作り出す。

攻撃能力もないはりぼてみたいな無属性の魔法だ。


だが、魔法破壊には一点突破で核を射ち抜く必要があるのに対して、普通は魔法同士をぶつけると、相性など諸々あるが、相殺される。

しかも、無属性魔法は特に相殺に適している。


「イーブン!」


俺の魔法でサクラの魔法を打ち消す事が出来た。

リンダはシナイルードンの動きに慣れてきているのか、受け流しにいったシナイルードンを自在剣で受け流して突破するという予想外な方法で攻撃してきた。

だが、こちらにもやり方はある。

シナイルードンを受け流そうとしたリンダの自在剣を盾同士で挟み、操れなくさせる。

気を取られたリンダは一瞬意識を俺から自在剣に向けてしまう。


俺はその隙をついて、ガードの出来ないリンダに強化したカリバーンで戦闘不能にさせる。

残るのはサクラのみだ。

ここまで来たら、俺も魔法だけで戦っても良いのだが、それでは今の戦いを侮辱する事になる。

俺は全力で倒しにいく。

すると、サクラの周りの雰囲気が変わったので、俺は近づくのをやめた。


《インベル!》


サクラには珍しく時間をかけていたあの魔法はどうやらエネルギーをかなりの速度で消失させる魔法のようだ。

相変わらず魔法に関しては凄まじいと思いつつ、俺は対処法を考える。

魔力や生命力での攻撃は全て効かないだろう。莫大なエネルギーを使えば何とかダメージを当てられるだろうが、それにはかなりの負担が必要になる。


どうしようかと思っていると、サクラはすかさず魔法で攻撃してきた。

徐々に魔力を扱うコツを掴んできているのか、違う属性の魔法も同時に使えるようだ。


《ダブルマジックシャワー!》


数はまだそれほど多くはないが、このペースでいけばそう時間が経たない内に俺のアンリミテッドマジックのように魔法を使えるようになってしまうだろう。

長期戦になる前に決着を着けなければならないな。

俺は魔法を避けながらあの防御を突破する方法を考える。

そして思い付く。

その確認の為に、俺はトライゴルクを呼び出す。


「遮るものを突き破る我が矛!、トライゴルク!」


俺はトライゴルクをサクラのへと投げる。

予想通りトライゴルクはサクラの防御を突破するが、サクラも準備は出来ていたようで、この攻撃は避けられた。

だが、これは本命の攻撃ではない。

俺は仮説の正しさを確信できたので、いよいよ本命の攻撃に移る。


今まで俺は魔法は魔法としてしか使ってこなかった。

これは魔力を媒介としたエネルギーの塊なので、実際にこの世界に存在する物質にはならない。

今までやっていた生命力を使ったやり方も魔法の強化をするだけだった。

だが、道具生成ではの実体として存在させられる。

つまり、魔法も実体化させられるということだ。

生命力を含んだ魔力で魔法を強化するのではなく、魔法を生命力で具現化させる。


トライゴルクが防御を突破したことからもあの防御が物理攻撃を通す事はわかっている。

ただ、近づいて剣で斬ったりしようとすれば、あの防御に魔力や生命力を消されてしまうだろう。

きっと今まで使わなかったのは、仲間を巻き込まないようにするためだろうから、今はもうこれしか方法がない。


フリスネイドでも戦えない事はないだろうが、一撃の威力はそんなに高くないため、勝つには時間が掛かってしまうだろう。

そうなると、更に魔法の扱いに慣れたサクラに勝つのが難しくなるだろう。

これで勝負を決める。


俺は魔法を構築してから生命力を流し込む。

こうして魔法がただのエネルギーから実体化した。

今はたまたま上手くいったが、これはタイミングが難しいうえに、量産も出来ないし、属性も1つしか使えない。

その代わり、飛び道具としては最高峰だろう。


「マテリアマジック、ホーシャイプ!」


実体化した魔法は、今まで使ってきた魔法と違い、エネルギーの流出がなく、魔法というより特殊な飛び道具といった感じだった。

警戒したサクラだったが、どの魔法を当てても俺の魔法を壊せない。

それはそうだ。

発動したそばからエネルギーの流出の始まる魔法と違い、実体化した俺の魔法はエネルギーの流出はないため、この魔法を上回る物理的攻撃で壊すしかない。


杖しか持たないサクラには出来ない方法だ。

やがて、サクラの防御を抜けた俺の魔法を何とか避けようとしたサクラだったが、実体化してもあれは魔法だ。

サクラは既に俺のスプレッドテリトリー内にいるため、追尾が出来る。

俺の魔法が当たると、溜めてあったエネルギーが解放され、身体の内部へとダメージを与えていた。


実体化した魔法は自らの魔法の強力さのせいでその場で粉々に消え去り、同時にサクラも倒れた。


『勝者リョウ!』


カリバーンの合図により、俺対ハーレムメンバーの戦いは俺の勝利で終わった。




次回更新は5/26です。


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